ドル円、約1ヵ月ぶり高値圏へ急上昇。一目均衡表雲上限を突破できるか否かに注目
〇ドル円、金曜以降のドルの買い戻し続き、NY連銀製造業景況指数好調等に134.57まで急伸
〇ユーロドル、欧州時間朝方にかけて、高値1.1000まで上昇後安値1.0909まで反落し
〇ECB関係者のタカ派は発言、欧州債利回り上昇等が背景
〇ドル円、主要テクニカルポイント上抜ける、一目均衡表の「雲」上限の攻防要注視
〇ファンダメンタルズはドル円相場の下落を連想させる材料揃う
〇ドル円相場の反落をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:133.50ー135.00
海外時間のレビュー
週明け17日(月)のドル円相場は約1カ月ぶり高値圏へと急上昇。アジア時間朝方にかけて、安値133.71まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)前週末金曜日以降のドル買いの流れの継続(米ミシガン大学による1年先期待インフレ率の大幅上方修正+ウォラーFRB理事による「インフレ率は依然として高すぎる」「金融政策はかなりの期間、引き締め状態が維持される必要がある」とのタカ派的な発言)や、(2)本邦輸入企業の実需のドル買い、(3)株式市場の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)、(4)米4月ニューヨーク連銀製造業景況指数(結果+10.8、予想▲18.0)の力強い結果、
週明け17日(月)のユーロドル相場は急反落。(1)株式市場の堅調推移や、(2)ドイツ連銀ナーゲル総裁による「インフレという獣をまだ退治したわけではないため、ECBは取り組みを続けていくつもり」とのタカ派的な発言、(3)ラトビア中銀カザークス総裁による「5月会合は0.25%か0.50%の利上げが選択肢」とのタカ派的な発言、(4)欧州債利回り上昇に伴うユーロ買い圧力が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値1.1000まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(5)米4月ニューヨーク連銀製造業景況指数の力強い結果や、(6)米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.0909まで反落しました。引けにかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4/18午前5時00分現在)では、1.0930前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は3/24に記録した安値129.65をボトムに反発に転じると、昨日は一時134.57(3/15以来、約1ヵ月ぶり高値圏)まで上昇しました。この間、日足・ローソク足が主要テクニカルポイントを上抜けした他、強い買いシグナルを示唆する「ダウ理論の上昇トレンド」も成立するなど、テクニカル的に見て、地合いの好転を印象付けるチャート形状となりつつあります。但し、日足・ローソク足のすぐ上に強力なレジスタンスとして意識されている一目均衡表雲上限が控えている点には注意が必要でしょう。同水準の突破に失敗する場合には、短期筋を中心に失望売りが広がるシナリオも想定されることから、本日はアジア時間・海外時間共に同水準を巡る攻防に注目が集まりそうです。
一方、ファンダメンタルズ的に見ると、(1)米FRBによる金融引き締め打ち止め観測(前週発表された米CPIおよび米PPIは共に鈍化を示唆。週末に発表された米ミシガン大学による1年先期待インフレ率の大幅上方修正やウォラーFRB理事によるタカ派的な発言を受けてドルショートの買戻しが進んだものの、米FRBが金融引き締めサイクルの最終局面で且つ年内利下げが織り込まれているという事実は不変)や、(2)日銀による金融緩和の修正観測(今週末金曜日に予定されている本邦のコアコアCPIが市場予想を上回る場合には、来週4/27ー4/28の日銀金融政策決定会合での政策修正期待が高まる恐れあり)、(3)上記1、2を背景とした日米金融政策の方向性の違い、(4)投機マネーの逆流懸念(米CFTCの最新データによると、ヘッジファンドなど投機筋のポジションが2022年1月以来となる「すべての通貨に対する米ドルロング」を記録→ポジションの偏りが顕著であるため、米ドルロングの逆流リスクに要警戒)など、ドル円相場の下落を連想させる材料が揃っています。
以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の反落をメインシナリオとして予想いたします(ファンダメンタルズ的な弱さが続伸を阻むシナリオを想定)。尚、本日は、中国の主要経済指標(中国1ー3月期GDP統計、中国3月小売売上高、中国3月鉱工業生産、中国3月固定資産投資)や、米3月住宅着工件数、米3月建設許可件数、ボウマンFRB理事講演などに注目が集まります。
本日の予想レンジ:133.50ー135.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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