「日銀総裁人事」でも結局レンジ抜けられず
〇2/24東京市場は注目材料だった「日銀正副総裁候補の所信聴取と質疑」を受けて激しい上下動をたどる
〇トータル90銭近く乱高下するもレンジ内、134円台を中心としたボックス圏を放れていくことは出来ず
〇3氏とも現在の政策継続を示唆、早期の政策変更を願うタカ派にとっては失望を誘う発言となった
〇ドル高円安方向は本日東京高値134.90レベルが最初の抵抗。超えると昨日高値135.37がターゲットに
〇ドル安円高方向は本日東京安値134.05-10をめぐる攻防に注目。下回っても大崩れは予想しにくく底堅い
〇欧米時間のドル/円予想レンジは134.10-135.30
<< 東京市場の動き >>
24日の東京市場は乱高下。134円台でなかなか激しい上下動をたどったものの、結局最後は「行って来い」。
ドル/円は134.70円前後で寄り付いたのちしばらくはレンジ取引。しかし、注目されていた植田日銀総裁候補の所信聴取と質疑が実施されると一時134円割れをうかがうなど大きく下落し、トータルで90銭近くとなかなか激しい上下動が観測されている。とは言え最終的には「行って来い」。元のレベルに回帰し、16時現在では134.70円前後で推移し欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「日銀金融政策」と「ロシア情勢」について。
前者は、今週最大の注目要因とも言われていた日銀正副総裁候補の所信聴取と質疑が本日東京時間に行われ、総裁候補の植田氏は「現在の日銀の金融政策は適切」、「現在の物価目標の表現を当面変える必要はない」と述べたうえで、「積年の課題である物価安定の達成というミッションの総仕上げを行う5年間としたい」などと発言していた。また、副総裁候補の内田氏は「今後も副作用に配慮して緩和続ける」、氷見野氏も「緩和で経済を支え続ける必要がある」と、取り敢えずは現在の政策継続を示唆。早期の政策変更を願うタカ派にとっては失望を誘う発言が少なくなかったようだ。
対して後者は、ロシアによるウクライナ侵攻が1年となるなか、改めて西側各国のウクライナ支援が表明されている。また、国連総会が「ロシア軍の即時撤退求める」決議を賛成多数で採択したほか、米報道官は「24日にG7首脳とウクライナ大統領がバーチャル会議を行う」旨を明らかにしていた。追加の対露制裁などが議論される見通しだ。一方、そうした欧米諸国の動きにロシアは強く反発。ショイグ国防相は実施した演説で、「西側諸国はウクライナを利用してロシアを解体しようとしているが、こうした試みは失敗する」と述べていた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は注目材料だった「日銀正副総裁候補の所信聴取と質疑」を受けて激しい上下動をたどるも、結局レンジ内。ここ最近の134円台を中心としたボックス圏を放れていくことは出来なかった。予断を許さないものの、足もとのような方向性のハッキリしない値動きがいましばらく続く可能性も否定できない。基本は次の材料をにらみつつ、思惑のなかレンジ内での乱高下か。
日米金融政策への関心が依然として高いが、米国については予想よりも利上げが続くとの見方が優勢となっている反面、日本は逆に「早期政策変更」期待が後退している感を否めない。つまり、金利差ということでいえばドル高方向にバイアスか。ただ、本日などに発表される米経済指標の内容如何で一気に様相が変化することも予想され、高値掴みなどにも一応注意しておきたい。米指標や発言などに一喜一憂する展開はまだしばらく続きそうだ。
テクニカルに見た場合、ドル/円はレンジ取引。実際、今週はここまで1.5円にも満たない変動にとどまっており、これは週間ベースで今年の最小変動だ。したがって、まずは足もと推移している134円台を中心としたレンジを如何に、そしてどちらに放れるのかが注視されているものの、仮に抜けたとしても上下とも限られる展開か。移動平均でいえば136円前後の90日線が上値を抑えそうな反面、132円前半の21日線が下値を強く支えそうだ。
本日は米経済指標として、1月のPCEデフレーターや2月のミシガン大学消費者信頼感指数確報などが発表されるほか、ジェファーソンFRB理事などの講演も予定されている。さらに、前述した「G7首脳とウクライナ大統領がバーチャル会議」も実施が見込まれるなど材料が目白押し。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは134.10-135.30円。ドル高・円安方向は本日東京高値の134.90円レベルが最初の抵抗。超えると昨日高値135.37円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、やはり本日東京安値の134.05-10円をめぐる攻防にまずは注目。ただ、下回っても現状であれば大崩れは予想しにくく、取り敢えず底堅そう。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2024.11.22
ドル円154円台前半、本邦CPI高止まり等で一時154円割れ (11/22午前)
22日午前の東京市場でドル円は「往って来い」。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:中島 光牙
2023.02.24
「東京市場のドル・円は134円台半ばで推移、要人発言次第で135円半ばにトライか」
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日中、上下に振れる場面も見られたが、一日を通して134円台半ばでの推移となった。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:山中 康司
2023.02.24
米国10年債利回り(23/2/24)
政策金利に対する思惑が長期金利の上昇にもつながり、10年債利回りは3.978%にまで上昇する動きを見せました。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。