激しい上下動続くか、パウエル発言に注目
〇本日のドル円、一時132円台を回復するも定着出来ず、1円に満たないレンジ内での乱高下
〇ドル/円は今週に入り落ち着いてきた感もあるが、ボラティリティの高い相場環境が当面続くか
〇今週は1/12に米消費者物価指数発表、本日はパウエルFRB議長の講演予定、内容次第で波乱の可能性も
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは131.40-132.90、ドル高・円安方向は132.20レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、昨日安値の131.31をめぐる攻防にまずは注目
<< 東京市場の動き >>
10日の東京市場はドルが小じっかり。一時132円台を回復するも定着までは出来ず、押し戻されている。
ドル/円は131.85-90円で寄り付いたのち、本日もなかなか激しい上下動。日中高値132.20円レベルへと値を上げたものの、続かずに反転すると一気に下値トライの動きに。しかし131.40円レベルで下げ止まると再びドル買いが優勢だった。1円に満たないレンジ内ながら、目まぐるしい往来相場をたどるなか、16時現在では131.90-95円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「ロシア情勢」と「米金融政策」について。
前者は、「英国がウクライナへ初の戦車供給を検討」などと報じられたことが話題に。実現すれば、北大西洋条約機構(NATO)標準の戦車をロシア軍との戦闘用に提供する初の西側諸国となる。それを脅威と捉えたのか、ロシア大統領府のペスコフ報道官からは、「西側諸国の兵器を新たに提供することはウクライナ国民の苦しみを深めることになる」などとした発言が聞かれていたもよう。一方、ベラルーシの国防省は、来週16日からロシアと合同で軍事演習を行うと発表するなど、ロシアの揺さぶりに加担する動きが観測されていた。
対して後者は、サンフランシスコ連銀総裁が次回FOMCについて「0.25%もしくは0.5%の利上げはいずれも可能」と発言。また、アトランタ連銀総裁からも「5%超まで利上げし、水準を長期にわたり維持すべき」とのコメントが発せられていたようだ。なかなか強気の内容ながら、NY連銀の調査結果で米消費者の1年先のインフレ期待は、昨年12月に前月から若干低下。2021年7月以来の低い水準となったと発表されている。米当局者の方が市場筋よりも強気、利上げに強気なスタンスといえるかもしれない。
<< 欧米市場の見通し >>
先週一週間で5円を超える変動をたどったドル/円は、今週に入り幾分落ち着いてきた感もある。しかし、それでもレンジ内で上下に振れる値動きで引き続き予断を許さない。このあとも131.50-132.50円あたりをコアレンジとしつつ、激しい往来相場をたどる可能性も。ボラティリティの高い波乱含みの相場環境がまだ当面続く見込みだ。
米金融政策への関心が高いものの、意見は一本化されておらず、むしろ強弱両サイドの意見が混在している。昨日は、前記したアトランタ連銀総裁によるコメントなどが聞かれていたが、市場はいまひとつ盛り上がらなかった。ただ、今週は12日に注目の米消費者物価指数が発表されるうえ、本日もパウエルFRB議長の講演が予定されている。内容如何では波乱もありうるか。一方、それとは別に中国を中心とした新型コロナの感染拡大状況にも引き続き注意を払いたい。
テクニカルに見た場合、ドル/円は先週一週間で動いた129.50-134.80円のちょうど中間地点近辺、131-132円台での推移となっている。12日に注目の米消費者物価指数発表が予定されていることからすると、目先は基本レンジ取引継続という可能性も。昨日高値132.65円を超えれば、再び133円台乗せが予想される反面、131.31円を下回ると130円割れに向けたドルの続落、市場が再び動意づく展開も。
一方、本日は米経済指標として、11月の卸売売上高などが発表されるほか、米財務省による3年債の入札も実施される予定だ。また、前述したように昨日は米地区連銀総裁からタカ派発言が聞かれたなか、本日はパウエルFRB議長がシンポジウムで講演を行う予定となっている。やはり発せられるコメントには要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは131.40-132.90円。ドル高・円安方向は本日東京高値の132.20円レベルが最初の抵抗。抜ければ132.65円、133円などを目指す。
対するドル安・円高方向は、東京安値もそれほど遠くない昨日安値の131.31円をめぐる攻防にまずは注目。割り込めば130円前後が再び視界内に。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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