徐々にクリスマス相場へ、ただ乱高下には注意
〇本日のドル円、137.75前後で寄り付くも一時137円割れまで下落、その後137円前半での低位揉み合い
〇昨日は英国中銀とECBも0.5%の利上げに踏み切る、流れは引き締め方向か
〇ドル円は昨日欧米時間に再びドル買い進行、12/1以来の138円台示現、さらなるドル高進行に要注意
〇目先はクリスマスモードで基本は小動き見込みだが、「薄商い=荒れ相場」の展開の可能性も
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは136.50-138.00、ドル高・円安方向は137円半ばが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、本日東京安値の136.95レベルをめぐる攻防を注視
<< 東京市場の動き >>
16日の東京市場はドルが小安い。前日のNY時間に一時138円台までドルは買い進まれていたが上値は重い。ドル売りがやや先行している。
ドル/円は137.75円前後で寄り付いたのち、しばらくはレンジ取引。137円半ばを前に下げ渋ったが、割り込むとそのまま一時137円割れまでドル安が進行している。しかし、大崩れするには至らず、その後は137円前半での低位揉み合いに。16時現在では137.15-20円で推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「英欧金融政策」と「新型コロナ」について。
前者は、前日米国がFOMCで0.5%の利上げに踏み切ったことに続き、昨日は英国そしてECBも同じく0.5%の利上げを実施していた。また、先行きについても英国は中銀総裁が「インフレはピークに達した可能性はある」としつつも、「上振れリスクは残る」と発言。それに対してECBも「一段の金利上昇を見込む」、「金利は安定したペースでまだ上昇する」などと指摘しており、流れは引き締め方向にあるようだ。依然として超低金利政策を維持している日銀との乖離は大きい。
対して後者は、前日に世界保健機関(WHO)のライアン氏が、中国における新型コロナ感染増について、「ゼロコロナ政策の緩和ではなく、ワクチン接種率が低いことが理由」と述べたことが話題になっていたが、中国以外でも新型コロナの危機が広がりつつあることが思惑を呼ぶ。たとえば、米フィラデルフィアの教育当局は、冬休み明けの来年1月3-13日に学校内でのマスク着用を義務付けると発表している。飽くまでも一時的に措置だが、時計の針を巻き戻すような対応に驚きを抱く向きも少なくないようだ。なお、そうしたなか米科学誌セルが「米国内で流行するオミクロン派生型に既存薬は効きづらい」との論文を掲載したことが物議を醸していた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は昨日再びドル買いが進行。上値が重くなかなか超えられなかった137.50-00円を突破し、1日以来の138円台を示現している。移動平均で見た場合、200日線をしっかり割り込めず逆に踏み台にしてドルは反発へと転じると、137.90円レベルに位置する21日線の上抜けを意識した動き。ここ最近は、「上かと思うと下」などと天邪鬼的な動きも少なくないが、リスクとすれば上向きでさらなるドル高の進行に要注意だろう。
前述したように、14日の米国に続き昨日は英欧がともに利上げを実施。先行きについて、若干の違いはあれども日本との金利の開きは、すでに著しいものがある。基本的なところでの円安基調はまだ当面続くと考えざるを得ない。そんな米英欧の金融政策を踏まえつつ、市場はすでに来年を見据えた思惑の交錯した値動きをしばらくたどることが予想される。目先はクリスマスモードで基本は小動き見込みだが、今年は「薄商い=荒れ相場」の展開にも一応要注意。
テクニカルに見た場合、ドル/円は200日線に下値を支えられるだけでなく、21日線超えが現実のものとして意識されはじめた。11月半ばなどにも一時的に超えたことはあるが、「しっかり超えた」となると、11月上旬以来のことになる。まずは、引き続き21日線をめぐる攻防に注目だ。ドルの目先下押しはそろそろ終わりが近い可能性もある。
一方、本日は米経済指標として、12月製造業や総合PMIの速報値が発表されるものの、それを除くと目立った材料は見当たらず。米FOMCなどの注目要因も消化し、材料的には一足早いクリスマスモードとなっている感もある。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは136.50-138.00円。ドル高・円安方向は目先ドルの重さが感じられ始めている137円半ばが最初の抵抗。抜ければ21日線そして昨日高値138.18円を目指す展開も。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の136.95円レベルをめぐる攻防を注視。下回ると136.00-20円が意識されそうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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