米FOMC注視、連日の荒れ相場にも要注意
〇14日の東京市場でドル円はFOMCを睨んで動意薄、135.30-75レンジでの一進一退に終始
〇昨晩の米CPI、予想を下回る内容で発表後は失望売りに
〇利上げペース減速が示唆されているFOMCをさらに弱めのトーンにするとの見方も
〇本日FOMC後はドル円の振れた方向に素直についていくのが正しいか
〇欧米時間のドル/円予想レンジは134.00-136.50
<< 東京市場の動き >>
14日の東京市場は揉み合い。NY時間に予定されている米FOMCにらみと言える値動きで、積極的な動意はほぼ手控えられていた。
ドル/円は135.55-60円で寄り付いたものの、基本的にはレンジ取引。寄り付きを挟んで上下20ポイントほど、135.30-75円といったなかでの一進一退に終始している。日経平均株価が終値ベースで200円を超える上昇をたどったものの、為替市場への影響は限定的だった。16時現在では135.45円レベルで推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「米金融政策」と「ロシア情勢」について。
前者は、発表された米消費者物価が予想を下回る内容。前年比でプラス7.3%程度が予想の中心だったが、実数値はプラス7.1%で、発表後は失望のドル売りが一気にかさんでいる。そんなインフレ指標の低下について、バイデン米大統領は「なすべきことはまだ残っている」としつつも、「インフレは正しい方向に向かっている」と一定の評価を下していた。なお、予想よりも低めの数字となった米消費者物価が、本日の米FOMCについてどのような影響を与えるのかにも注目だ。すでに利上げペースを減速させる可能性が示唆されているものの、さらに弱めのトーンになるといった声も少なくない。
対して後者は、ウクライナ首相から「ロシア軍のインフラ攻撃などを受け、今年はマイナス50%成長に陥る」とのなかなかショッキングな発言が聞かれるなか、ウクライナ向けの越冬緊急支援を協議する会合が開催され、約70ヵ国・機関が10億ユーロを超える緊急支援を確約している。そうしたなか、ロシアのペスコフ大統領府報道官は、ウクライナが領土に関する新たな「現実」を受け入れる必要があるとし、ゼレンスキー大統領が提案したロシア軍撤退を含む和平案を却下したことを明らかにした。まだまだ難局は続く見込みだ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は、昨日の欧米時間に目先の形成レンジを下放れ。9日安値の135.61円を一時大きく割り込む展開となっている。ただ、2日安値133.63円にはとどかなかったうえ、本日は米FOMCという非常に重要な材料が予定されており、油断は禁物だろう。相場観を一度ニュートラルに戻し、振れた方向に素直についていくという動きが正しいか。
昨日の米消費者物価は確かに予想を下回ったが、それでもドルの下げは急激だった。投機筋などによる投げ売りが殺到したものと思われる。本日は今週もっとも注視されている米FOMC金融政策が発表になり、その後のパウエル議長の記者会見と合わせ市場の波乱要因となりかねないとの警戒感は極めて根強いものがある。ちなみに、実際の利上げ幅は0.5%との見方がほぼコンセンサスだが、問題は来年の見通しについて。「ドットチャートで、政策金利がどこまで引き上げられ、どの程度の期間続くのかが最大の注目点」−−といった声も聞かれていた。
テクニカルに見た場合、ドル/円は目先の形成レンジを下回ると予想以上の下落。一時は135円前半に位置する移動平均の200日線を割り込む局面も観測されていた。それだけを考えると再びドル安方向にリスクが高まったと言えそうで、ターゲットは2日安値133.63円か。
しかし、本日NY時間の米FOMC如何では、一転して再びドル高へと危険性もないではない。すでに2週間程度到達していない138円台にしっかり乗せれば、年末そして来年初にかけてドル高機運が再び強まる可能性もある。
本日は米経済指標として、11月の輸出入物価指数などが発表されるものの、やはり本日最大の材料は米FOMCの金融政策発表とパウエル氏の記者会見になる。また、米下院でつなぎ予算で進展があり、14日に最初の手続き上の採決が行われるとされる一連の動きにも一応要注意だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは134.00-136.50円。ドル高・円安方向はごく目先的には135円後半から136円がひとつのポイントになるが、抜けると137円後半から138円を目指す展開も。
対するドル安・円高方向は、135円レベルそして昨日安値134.66円の攻防にまずは注目。下回ると2日安値133.63円が視界内に。(了)
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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