ドル円、予想外にタカ派なFOMCで一時上昇するもすぐに反落。下落リスクに要警戒(12/15朝)

14日(水)のドル円相場は乱高下しつつも方向感を見出せない展開。

ドル円、予想外にタカ派なFOMCで一時上昇するもすぐに反落。下落リスクに要警戒(12/15朝)

ドル円、予想外にタカ派なFOMCで一時上昇するもすぐに反落。下落リスクに要警戒

〇ドル円、FOMC0.5%利上げとドットチャートの来年末中央値5.1%へ引き上げに135.99まで急伸
〇その後はパウエル議長の「政策決定はすべて最新のデータ次第」との発言に135円台前半に反落
〇ユーロドル、米国時間午後にかけて、約6ヵ月ぶり高値となる1.0696まで急伸
〇ドル円、FOMC後乱高下するも方向感を見出すには至らず
〇テクニカル、ファンダメンタルズともにドル円相場の下落を連想させる材料が増えつつある
〇ドル売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:134.00ー136.00

海外時間のレビュー

14日(水)のドル円相場は乱高下しつつも方向感を見出せない展開。(1)前日海外時間に発表された米11月消費者物価指数および同コア指数が市場予想を下回ったことや、(2)上記1を背景とした米金利低下・米ドル売りの流れの継続、(3)一部メディアによる「日銀が来年4月に発足する新体制下で金融政策の点検や検証を同年中に実施する可能性がある」との政策修正の可能性を滲ませる報道が重石となり、日本時間19時過ぎに、12/5以来となる安値134.60まで下落しました。

しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)注目された米FOMCで予想通り50bpの利上げが行われると共に、ドットチャートで2023年末の中央値が前回9月時点の4.6%から5.1%へ引き上げられたこと(予想外にタカ派なFOMCとドットチャート)や、(5)上記4を背景とした米長期金利の反転上昇、(6)パウエルFRB議長による「我々にはまだやるべきことがある」との更なる利上げの可能性を滲ませる発言が支援材料となり、日本時間4時30分過ぎに、高値135.99まで急伸しました。もっとも、心理的節目136.00をバックに伸び悩むと、(7)パウエルFRB議長による「政策決定はすべて最新のデータ次第」との発言や、(8)上記7を背景とした米金利再低下・米ドル売りの流れが重石となり、本稿執筆時点(日本時間12/15午前5時45分現在)では、135.10前後で推移しております。

14日(水)のユーロドル相場は堅調な値動き。(1)前日海外時間以降のドル売りの流れの継続や、(2)欧州債利回り上昇に伴うユーロ買い圧力、(3)直近高値突破に伴う仕掛け的なユーロ買い圧力、(4)パウエルFRB議長記者会見後のドル売り再開(米FOMC後にドル買いが強まるも、パウエルFRB議長記者会見を経て米金利低下・米ドル売りの流れが再開)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、6/9以来、約6ヵ月ぶり高値となる1.0696まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間12/15午前5時45分現在)では、1.0685前後で推移しております

本日の見通し

ドル円は注目された米FOMC・ドットチャート・パウエルFRB議長記者会見を経て乱高下するも方向感を見出すには至りませんでした。但し、上方よりレジスタンスポイントが急ピッチに垂れ下がってきていることや、強い売りシグナルを示唆する三役逆転が継続していること等から、テクニカル的に見て、リスクは依然ダウンサイドと判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め休止観測(ドットチャートは来年末時点の5.25%以上を予測する参加者が7名も存在するなど予想外にタカ派的な結果。但し、市場は実質金利上昇に伴うオーバーキルのリスクが伴うのでFEDは5.25%以上に利上げすることは現実的に難しいと評価。

結果、市場による来年後半にかけての利下げ織り込みは変わらず、また、パウエルFRB議長による「政策決定はすべて最新のデータ次第」との発言の相俟って米金利低下・米ドル売りの流れが再開)や、(2)ポスト黒田体制下での金融緩和修正観測(一部メディアより関係者へのインタビュー結果として「日銀が来年4月に発足する新体制下で金融政策の点検や検証を同年中に実施する可能性がある」との報道あり)、(3)上記1、2を背景とした日米名目金利差縮小観測(円キャリートレードの逆流を想起→通貨オプション市場では3ヵ月以降のオプションでダウンサイドを織り込む動きが活発化)、(4)原油価格下落に伴う本邦貿易赤字の縮小期待(構造的な円売り圧力の後退)など、ドル円相場の下落を連想させる材料が増えつつあります。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日はECB理事会(22:15)や、米12月ニューヨーク連銀製造業景況指数(22:30)、米12月フィラデルフィア連銀景況指数(22:30)、米11月小売売上高(22:30)、米新規失業保険申請件数(22:30)、ラガルドECB総裁記者会見(22:45)、米11月鉱工業生産(24:00)、米11月設備稼働率(24:00)など欧米の重要イベントが目白押しとなるため、海外時間帯のボラティリティ拡大に引き続き注意が必要でしょう。

本日の予想レンジ:134.00ー136.00

注:ポイント要約は編集部

ドル円、予想外にタカ派なFOMCで一時上昇するもすぐに反落。下落リスクに要警戒

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