月末最終日で需給要因などにも要注意
〇本日のドル円、148.25-30まで急伸後一転してドル売り優勢に、147.75レベルまで軟落
〇リスクは引き続きドル高方向、上値重い展開続くが149円接近なるか注視
〇本日は米10月シカゴ購買部協会景気指数、同ダラス連銀製造業活動指数、注目企業の決算発表を予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは147.40-148.60、148.25-30を超えると148の弱い抵抗を目指す
〇ドル安・円高方向は147円半ばが最初のサポート
<< 東京市場の動き >>
週明け31日の東京市場は、結局行って来い。一時ドル買いが進行するも続かず、高値示現後に再び売られ元の木阿弥に。
先週末は、ロシア国防省が「パイプライン爆発に英国が関与」と断言するなど、幾つかの材料で「英国vsロシア」の様相が強まり一部で思惑を呼ぶ。一方、バイデン米大統領のG20出席が明らかとなり、対面式の米中首脳会談が実現するか否か市場の関心を集めていた。
そうした状況下、ドル/円は147円半ば寄り付いたのち、右肩上がりの展開で一気に日中高値である148.25-30円まで急伸。月末最終日ということでの需給要因なども取り沙汰されていたようだ。しかし、目先の高値を示現後は一転してドル売り優勢。飽くまでもじり安、緩やかな下降だったが、それでも148円を割り込み147.75円レベルまで軟落。16時現在では147.80-85円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「ロシア情勢」と「中国情勢」について。
前者は、前述した「英国vsロシア」も思惑を呼ぶなか、もっとも話題を集めていたのはロシア国防省が「穀物輸出4者合意」への参加停止を発表したこと。なお、その理由としてロシアは「クリミア半島への攻撃に英軍が関与した」ことを挙げており、こちらも「英国vsロシア」の様相だった。ただロシアが抜けたあとも、国連とトルコ、ウクライナは31日に船舶16隻を航行させ、履行を継続する方針で一致したとされている。しばらくは動静を見守りたい。
対して後者は、中国人民銀行の易総裁が、実体経済への信用支援を強化するとともに、人民元の基本的安定を維持すると表明したことが一部で話題に。そうしたなか、中国の王国務委員兼外相が、米国のバーンズ駐中大使と会談し、「米国は中国の発展を力で抑え込もうとすべきではない」とクギを刺したと伝えられていた。なお、ブルームバーグは米通商代表部(USTR)のタイ代表がインタビューに応じ、バイデン政権は中国で習総書記(国家主席)が異例の3期目に進むなか、最高指導部交代が両国の経済関係にどのような影響を及ぼすかについて様子を見守ると述べたと報じている。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は引き続き上値の重い展開をたどっている。ただ、それでも本日東京で一時148円台をつけて先週末高値を更新してきた。やはりリスクと言う意味では、ドル高方向にバイアスがかかりそう。今週は米FOMCをはじめ、週を通して材料が多いなか、このあとの欧米時間にはドルがさらなる上値を試し、149円に接近あるいは回復するかが注視されている。
結果として大成功を収めていると言っても良い政府・財務省介入について、このあと東京19時に「外国為替平衡操作の実施状況」が発表される予定で、こちらを注視している向きも。幾つかのメディアですでに報じられている推計値とそれほど乖離はないと思われるが、それでも発表前後の市場の動きには一応要注意か。また、発表される米経済指標のほか、月末最終日ということでの各種需給要因にも注意をしておきたい。
テクニカルに見た場合、ドル/円は先週ザラ場ベースなどで一時移動平均の21日線を下回ったものの、足もとは同レベルをサポートに再びドルが底堅く推移している。ちなみに、そんな21日線は147円レベルまで値を上げており、このあとも引き続きサポートとなるのかに注目だ。対する抵抗は、まず東京高値の148.25-30円をめぐる攻防が注視され、抜ければ少し遠いが149円台乗せが再び意識されることになりかねない。
本日は米経済指標として、10月のシカゴ購買部協会景気指数や同ダラス連銀製造業活動指数などが発表される予定となっているほか、引き続き注目企業の決算発表も複数予定。また、通常であれば関心は低いが今回は政府・財務省の円買い介入もあり、「外国為替平衡操作の実施状況」を注視している向きが多い。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは147.40-148.60円。ドル高・円安方向は東京高値148.25-30円を超えると148円の弱い抵抗を目指す。それも超えると149円前後へ。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の147円半ばが最初のサポート。下回ると21日線がターゲットに。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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