ユーロ テクニカルに上昇へ反転(週報10月第5週)

先週のユーロドルは0.75%利上げで相場形成がされていたこともあり結果発表では動きが出ず、ラガルド総裁発言もサプライズは無くユーロ売りとなりました。

ユーロ テクニカルに上昇へ反転(週報10月第5週)

ユーロ テクニカルに上昇へ反転

〇先週のユーロドル、ECB結果受け安値0.9958レベルに、0.99台半ばの揉みあいで週末至る
〇ECB予想通り0.75%利上げ実施、ラガルド総裁発言もサプライズなくユーロ売りの動きに
〇今週はユーロ圏GDP/CPI速報値、英中銀MPC、ユーロ圏PPI、ECB関係者講演も複数予定
〇英中銀も0.75%利上げがコンセンサス、現状ポンドは9月高値に至る水準に
〇今週は0.9975レベルをサポートに、1.0075レベルをレジスタンスとする週とみる

今週の週間見通しと予想レンジ

先週のユーロドルは、ECB理事会が事前コンセンサスで0.75%の利上げで相場形成がされていたこともあって理事会の結果発表では動きが出ず、その後のラガルドECB総裁の発言もサプライズは無く、思ったほどタカ派ではないとの見方からユーロ売りの動きとなりました。しかし、長期レジスタンスを上抜けたことで仕掛けのユーロ買いが週前半に入っていたであろうことを考えると、週後半の下げは週末を控えた短期勢の売り、そして米金利も木曜で目先の底をつけ反転上昇した動きがユーロ売り(ドル買い)の動きとして現れたと言えるでしょう。
今週は本日のユーロ圏GDPとCPIの速報値から始まり、2日のFOMC、3日の英中銀MPC、4日のユーロ圏PPIと米国雇用統計と重要な指標やイベントが連日続きますが、それ以外にもECB関係者の講演も多く、動くきっかけとなる材料には事欠きません。また本日は月末のロンドンフィキシングということで、需給に傾きが見られると思わぬ動きを見せることもあり、週初から気が抜けない月初の一週間となっています。

ECBはコンセンサス通り0.75%の利上げを行いましたが、英中銀も0.75%の利上げがコンセンサスとなっています。結果発表よりもその後の総裁会見のほうが注目度は高そうですが、最近は各市場の参加者が各国の金利動向に敏感になっているため、ECB同様にサプライズは無いものと考えられます。

テクニカルには大きな動きが出ていますので、早速チャートを見て行きます。

ユーロ テクニカルに上昇へ反転

年初来高値からのレジスタンスライン(青の太線)を明確に上抜けてきました。年初来安値と10月安値を結んだサポートライン(ピンク)とでトライアングル(三角もちあい)の上抜けでもあり、積極的に買い仕掛けた参加者は多かったと見られます。その後米金利の上昇によるドル買いから一時的にユーロドルは下げていますが、押しの範囲内であることを考えると、テクニカルには9月高値の1.0198レベルをターゲットとしやすい流れです。

これまで長期的に効いていたレジスタンスラインでしたので、今後は上抜けたレジスタンスがサポートとなりますが、トライアングルのサポートラインもまたサポートとなりやすいため、現時点ではまだ若干離れているものの今後は0.98水準が強いサポートとなりやすいと考えることが出来ます。

上値のターゲットは上述の通り1.02水準ですが、短期的には先週高値圏の1.01水準の上値が重く、今週は0.98台後半から1.01台後半での取引を考えておくとよさそうですから、0.9975レベルをサポートに、1.0075レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。

今週のコラム

MPCもありますので、今週もポンドドルの日足チャートを見ておきましょう。

ユーロ テクニカルに上昇へ反転 2枚目の画像

史上最安値更新後の底打ちから一段高を目指しやすいチャートとなっていましたが、英国では新首相が誕生したことによる期待もあってポンドは9月高値に迫る水準にまで上がってきました。9月高値からのレジスタンスラインを上抜けたことで、現在は9月安値からの上昇ウェッジを上抜けようとする動きになっています。

上昇ウェッジの上側のラインと9月高値がほぼ同水準にあり、ここを上抜けてくると1.20という声も聞こえてきそうですが、ポンドも決して買い材料があるわけでも無く、9月高値を上抜けたあたりが短期的にはいいところなのではないかと考えています。

今週の予定

今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。特に重要度の高いイベントに☆印を付けました。

10月31日(月)
**:** 欧州冬時間開始 ☆
16:00 ドイツ9月小売売上高
18:30 イタリア中銀総裁講演
19:00 ユーロ圏7〜9月期GDP速報値 ☆
19:00 ユーロ圏10月CPI速報値 ☆
24:00 レーンECB理事講演 ☆

11月1日(火)
16:00 ドイツ9月輸入物価
18:30 英国10月製造業PMI

11月2日(水)
16:00 ドイツ9月貿易収支
17:50 フランス10月製造業PMI
17:55 ドイツ10月製造業PMI
18:00 ユーロ圏10月製造業PMI
18:00 アイルランド中銀総裁講演
23:00 フランス中銀総裁講演
27:00 FOMC結果公表 ☆
27:00 ドイツ連銀総裁講演
27:30 パウエルFRB議長会見 ☆

11月3日(木)
**:**  東京市場休場
16:50 ラガルドECB総裁講演 ☆
17:00 パネッタECB理事、ドイツ連銀総裁講演
18:30 英国10月サービス業PMI
19:00 ユーロ圏9月失業率
21:00 英中銀MPC結果発表 ☆
21:30 英中銀総裁会見 ☆

11月4日(金)
16:00 ドイツ9月製造業新規受注
16:45 フランス9月鉱工業生産
17:45 デギンドスECB副総裁講演 ☆
17:50 フランス10月サービス業PMI
17:55 ドイツ10月サービス業PMI
18:00 ユーロ圏10月サービス業PMI
18:30 英国10月建設業PMI
19:00 ユーロ圏9月PPI ☆
21:30 米国10月雇用統計 ☆

11月6日(日)
 **:** 米国冬時間移行 ☆

前週のユーロレンジ

前週のユーロレンジ

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時?NY午後5時のインターバンクレート。

先週の概況

10月24日(月)
ユーロドルはドル高地合いの中でユーロの上値が重たいスタートを切りましたが、それ以上に年初来高値からのレジスタンスラインが0.99近辺に位置し、これまで同様に反落するのではないかという、テクニカルな売りも出ていました。欧州市場ではドイツのPMI速報値が予想よりも弱く一段安となりましたが、0.9807レベルを安値に反転、海外市場ではじり高となり東京朝方の水準に戻して引けました。

10月25日(火)
ユーロドルはNY市場までは長期レジスタンスラインに抑えられて上値が重い展開となっていました。しかし、ポンド買いとともにユーロ買いも広がり長期レジスタンスラインを上抜けする動きも手伝って0.9977レベルまで上昇、そのまま高値圏での引けとなりました。

10月26日(水)
ユーロドルでもドル安の動きからユーロ高の動きが目立ちましたが、テクニカルに年初来高値からのレジスタンスラインを前日に上抜けたこともユーロ買いに動きやすくさせました。ECB理事会を控えていることから積極的な取引はしにくそうでした。

10月27日(木)
ユーロドルはテクニカルに長期レジスタンスラインを上抜けたことが大きく東京朝方には1.0094レベルの高値をつけていましたが、ECB理事会を控えて短期筋を中心にポジション調整の売りが広がりました。1.00台前半で結果発表となりましたが、コンセンサス通り0.75%の利上げ、その後の総裁会見でも特にサプライズはなかったものの、それほどタカ派的ではないと考えられた様子で、引けにかけてはドイツ金利低下とユーロ売りの動きとなり0.9958レベルまで下げて安値引けとなりました。

10月28日(金)
ユーロドルは終日0.99台半ばの狭いレンジでのもみあいに終始しました。前日のECB理事会が終わり、月末も控えてイベント通過の中休みといった様子で、一日のレンジも71pipsに留まり週末を迎えました。

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