ドル円、米金利上昇を背景に148円台後半まで反発。節目150円が視野に(11/1朝)

31日(月)のドル円相場は堅調な値動き。

ドル円、米金利上昇を背景に148円台後半まで反発。節目150円が視野に(11/1朝)

ドル円、米金利上昇を背景に148円台後半まで反発。節目150円が視野に

〇ドル円、米国時間にかけ高値148.86まで急伸、WSJのタカ派記事と米金利上昇等が背景
〇ユーロドル、米国時間午後に一時0.9873まで下落、露軍によるウクライナ全土ミサイル攻撃等重石
〇ドル円基準線、転換線、ボリンジャーミッドバンド、21日線等上抜けテクニカルの地合い強い
〇ファンダメンタルズもドル高・円安トレンドの継続を連想させる材料揃う
〇9/29ー10/27の介入額は6兆3499億円、規模の割に介入効果に疑問符がつく結果
〇引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:147.75ー149.75

海外時間のレビュー

31日(月)のドル円相場は堅調な値動き。本邦輸出企業の月末フロー(実需のドル売り)を背景に、アジア時間午後にかけて、安値147.77まで下げ幅を広げるも、一巡後に下げ渋ると、日経平均株価の上昇を背景としたリスク選好の円売り圧力や、米ウォールストリート・ジャーナルのニック記者による「米FRBのターミナルレートが予想よりも高くなる可能性がある(the peak or “terminal” policy rate may be higher than expected)」とのタカ派的なツイート発信(10/30)、米金利上昇に伴うドル買い圧力(米10年債利回りは10/27に記録した3.89%から4.07%へ急上昇)、米FOMCを控えたポジション調整が支援材料となり、米国時間(日本時間0時過ぎ)にかけて、高値148.86まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間11/1午前5時00分現在)では、148.71前後で推移しております。尚、昨日発表された米10月シカゴ購買部協会景気指数(結果45.2、予想47.2)および、米10月ダラス連銀製造業活動指数(結果▲19.4、予想▲17.4)は共に市場予想を下回る冴えない結果となりましたが、ドル売りでの反応は限定的となりました。

31日(月)のユーロドル相場は軟調推移。アジア時間午後にかけて、高値0.9966まで上値を伸ばすも、一巡後の伸び悩むと、米ウォールストリート・ジャーナルのニック記者によるタカ派的なツイート発信や、米金利上昇に伴うドル買い圧力、ロシア・ウクライナを巡る地政学的リスク(ロシア軍によるウクライナ全土に向けたミサイル発射)、ユーロ圏10月消費者物価指数速報値(結果+10.7%、予想+10.3%)の市場予想を上回る結果(スタグフレーション懸念が燻る中でのECBによる追加利上げ→欧州経済への更なる逆風→欧州株下落→ユーロ売り)が重石となり、米国時間午後にかけて、安値0.9873まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間11/1午前5時00分現在)では、0.9883前後で推移しております。尚、ドイツ9月小売売上高指数(結果▲0.6%、予想▲3.4%、※前年比)および、ユーロ圏7ー9月期GDP速報値(結果+0.2%、予想+0.1%、※前期比)は共に市場予想を上回りましたが、市場の反応は限定的となりました。

本日の見通し

ドル円は10/27に記録した安値145.11をボトムに反発に転じると、昨日は一時148.86まで急伸しました。この間、一目均衡表基準線や転換線、ボリンジャーミッドバンドや21日移動平均線を上抜けした他、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表の三役好転」「強気のパーフェクトオーダー」「ダウ理論の上昇トレンド」の全てが成立するなど、テクニカル的に見て地合いは強いと判断できます。

ファンダメンタルズ的に見ても、日米金融政策の方向性の違い(利上げスタンスを続ける米国と、緩和スタンスを続ける日本との金融政策格差→米利上げペース鈍化の切っ掛けを作ったWSJのニック記者が10/30に一転してややタカ派的なツイートを発信→日米名目金利差拡大→ミセス・ワタナベによるキャリートレード活発化)や、米政府・米当局によるドル高容認スタンス(11/8の中間報告に向けて米政府サイドからドル高容認発言あり)、本邦貿易赤字拡大に伴う構造的な円売り圧力など、ドル高・円安トレンドの継続を連想させる材料が揃っています。先週は米利上げペース鈍化期待と政府・日銀による介入観測で、ドル売り・円買いの流れが強まりましたが、今週は上述の通り、ニック記者によるタカ派的なツイート発信も重なって、米金利上昇→米ドル買いの流れが再開しつつあります。また、財務省が昨日発表したデータを見ると、9/29ー10/27の介入額は6兆3499億円と、前回8/30ー9/28の2兆8382億円を大幅に上回る大規模なものとなりましたが、ドル円は151.95から145.11への僅か7円弱の押し下げに留まり、介入効果に疑問符がつく結果となりました。

テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、ドル買い・円売り材料が目白押しの中、単独介入でこうした流れを止められないことが明らかとなった格好です。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は、米10月ISM製造業景況指数や米9月JOLT雇用動態調査など、重要イベントが予定されておりますが、翌日以降に米FOMCや米10月雇用統計などのビッグイベントを控えているため、ドル円相場への影響は限定的なものに留まりそうです(底堅さを維持しつつも様子見ムード主導で大きな動きには繋がらない可能性あり)。

本日の予想レンジ:147.75ー149.75

注:ポイント要約は編集部

ドル円、米金利上昇を背景に148円台後半まで反発。節目150円が視野に

ドル円日足

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