ドル買いムード沈静化、目先は底練りか
〇本日のドル円、148.40まで一時上昇後に軟落、16時現在147.75-80で推移
〇政府日銀の円買い介入、大規模金額にてドル再上昇局面で継続か、上値抑制要因として寄与
〇今週初まで為替連日乱高下、146-149レンジ内で次の方向性探る可能性も
〇本日は米9月新築住宅販売件数、米企業決算を予定
〇本日欧米時間のドル円予想レンジは146.70-148.00、148円前後をめぐる攻防に注目
〇ドル安円高方向は147.52が最初のサポート
<< 東京市場の動き >>
26日の東京市場は行って来い。一時ドル買いが進行するも続かず、寄り付きレベルまで軟化している。
ドル/円は147.90円レベルで寄り付いたのち、ドルはじり高推移。依然として当局の介入警戒感なども取り沙汰されるなか、148.40円レベルまで一時値を上げた。しかし、目先高値を示現後は一転して軟落。じりじりと値を下げると148円を割り込み、「行って来い」の様相に。16時現在では147.75-80円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「日本の為替政策」と「英国情勢」について。
前者は、日本の当局が正式に認めていない21日の円買い介入は統計をもとに「5.5兆円規模」と伝えられたことに続き、今週初24日の介入は市場筋の推計で「7000-9000億円規模」とロイターなどが報じている。また、本日東京時間には引き続き本邦要人からの口先介入が相次いだうえ、先日イエレン米財務長官が「日本のいかなる介入も知らない」とやや突き放したようにもとれるコメントを発したことについて、神田財務官が「イエレン氏は日本が介入を公表しないこと尊重している」とフォロー。さらに、「米国とは毎日連絡を取っている」と指摘し、市場の一部で台頭していた日米間で意思疎通が出来ていないとの思惑を否定している。
対して後者は、再登板説も取り沙汰されていたジョンソン前首相が出馬を取りやめたこともあり、英首相は無投票でスナク氏に決定した。そのスナク氏、早速ハント財務相の留任などを決定させ、国内情勢で活発な動きを見せたほか、対外的にもウクライナ大統領や米大統領らと相次ぎ電話会談を行ったことが明らかになっている。そうした状況を為替市場も好感。対ドルでは1.13ドル台から1.15ドル台まで一時急伸し、その後も強保ち合い。ただ、悪材料出尽くしでさらなる高値トライとなるのか、もう少し状況を見極めたいとの指摘もあった。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は、日本政府が公式に認めない21日そして24日の円買い介入を経て、足もとのドル買いムードはいったん沈静化した感がある。昨日欧米時間から本日東京の動意をみると、予断を許さないものの「新たなドル高シーリング」とされる150円でさえ、幾分遠のきつつある。しばらくは底練りで、ドル再上昇のタイミングをうかがう展開を予想する声も聞かれていた。
日本の統計や市場観測による円買い介入の推計が通信社などのメディアを通して報じられているが、金額的には当局がかなり気合を入れて実施していると言えそうだ。また、実施している手法にしても、円のマザーマーケットである「東京時間」を外した欧米市場へのいわゆる「出張介入」を取っていることに、驚きを禁じ得ない。いずれにしても、当局の本気度を感じさせるものだけに、ドルの再上昇局面では間違いなく円買い介入で市場と対峙すると予想する向きが大勢だ。引き続きドルの上値抑制要因として寄与しそう。
テクニカルに見た場合、ドル/円は先週末そして今週初と連日乱高下をたどったこともあってか、昨日そして本日と徐々に市場の動意は収斂されつつある。価格ではなく時間になると考えるが、いま少し調整と思しきレンジ取引が続くものと考えている。予断を許さないものの、146-149円といったレンジ内で次の方向性を探る動きをたどるか。
本日は米経済指標として、9月の新築住宅販売件数などが発表される予定となっているほか、公表予定の米企業決算などにも一応要注意。またカナダ中銀の政策金利発表、IAEAによる原子力エネルギーに関する国際閣僚会議なども場合によっては波乱要因となりかねない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは146.70-148.00円。ドル高・円安方向は148円前後をめぐる攻防にまずは注目。超えると本日東京高値の148.40円前後、149円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日安値147.52円が最初のサポート。割り込めば147円割れ、移動平均の21日線が位置する146.60-70円が視界内に入ってくる。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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