ドル円、146円台前半まで下落するなど冴えない動き。米金利の低下が重石に(10/27朝)

26日(水)のドル円相場は大幅下落。

ドル円、146円台前半まで下落するなど冴えない動き。米金利の低下が重石に(10/27朝)

ドル円、146円台前半まで下落するなど冴えない動き。米金利の低下が重石に

〇ドル円、米長期金利の低下、カナダ中銀の利上げ鈍化サプライズ等に米国時間に146.23まで急落
〇ユーロドル、米国時間にかけ約一か月ぶり高値1.0089まで急伸
〇ドル円、転換線、21日線等下抜けテクニカルの地合い悪化するも、中長期的には一時的な押しか
〇ファンダメンタルズもドル円相場の上昇を連想させる材料揃い、下落余地は限定的か
〇引き続き、ドル円相場の反発をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:145.50ー147.75

海外時間のレビュー

26日(水)のドル円相場は大幅下落。株式市場の堅調推移や、それに伴うリスク選好の円売り圧力(クロス円上昇→ドル円連れ高)、輸入企業の実需のドル買いが支援材料となり、アジア時間朝方にかけて、高値148.41まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、米FRBによる利上げペース鈍化観測や、それに伴う米長期金利の更なる低下(米10年債利回りは一時4.00%まで急低下→米ドル指数も大台の110割れ)、本邦通貨当局の覆面介入を巡る警戒感、カナダ中銀による利上げペース鈍化サプライズ(カナダ中銀は市場予想の75bp利上げを下回る50bpの利上げを決定→世界的な利上げペース鈍化観測再浮上)が重石となり、米国時間午後にかけて、安値146.23まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間10/27午前5時00分現在)では、146.35前後で推移しております。

26日(水)のユーロドル相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値0.9944まで下げ幅を広げるも、一巡後に下げ渋ると、米金利低下に伴うドル売り圧力や、英国を巡る政局不透明感後退(スナク新政権への期待感→英ポンド上昇→ユーロ連れ高)、欧州株の堅調推移(リスク選好のドル売り圧力)、心理的節目1.0000(パリティ)突破に伴う仕掛け的なユーロ買い圧力、カナダ中銀による利上げペース鈍化のサプライズ、ECB理事会を控えたポジション調整が支援材料となり、米国時間午後にかけて、9/13以来、約1ヵ月半ぶり高値となる1.0089まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間10/27午前5時00分現在)では、1.0082前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は10/21に示現した約32年ぶり高値151.95をトップに反落に転じると、その後は、米利上げペース鈍化観測と、本邦通貨当局による円買い介入観測を背景に、下げ幅を広げる冴えない動きが続いております。この間、ローソク足(日足)が一目均衡表転換線や21日移動平均線などのサポートポイントを下抜けするなど、テクニカル的に見て、地合いの悪化を印象付けるチャート形状となりつつあります。但し、チャートフォーメーション的には、強い買いシグナルを示唆する三役好転や強気のパーフェクトオーダー、ダウ理論の上昇トレンドが継続しているため、中長期的な視点で見れば、現在の相場状態は、上昇トレンドの過程で見られる一時的な押し目局面と整理できそうです(上昇→下落のトレンド転換が生じているわけではなく、あくまで一時的なポジション調整の範囲内)。

ファンダメンタルズ的に見ても、日米金融政策の方向性の違い(日米名目金利差拡大に伴うキャリートレードの活発化)や、米政府・米当局によるドル高容認スタンス(バイデン米大統領やイエレン米財務長官など政治サイドによるドル高容認姿勢)、本邦貿易赤字拡大に伴う構造的な円売り圧力など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。足元で広がっている米金利低下→ドル円下落の流れについても、一巡後は「米金利低下→株高→リスク選好の円売り→クロス円上昇→ドル円連れ高」の波及経路にシフトすると考えられるため、ドル円の下落余地は乏しいと判断できます(事実、ユーロ円や英ポンド円などクロス円相場は直近高値圏で推移→決して円が買われているわけでは無いことが明白)。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の反発をメインシナリオとして予想いたします(一部で燻っている、10/28の日銀金融政策決定会合での政策修正期待についても、当方では「日銀がサプライズ引き締めに踏み切ることは無い」と予測しているため、週末にかけては、政策修正期待剥落に伴う円売り再開の流れも相俟ってドル円が急速に値を戻すシナリオを想定)。尚、本日はECB理事会や、米7ー9月期GDP速報値、米9月耐久財受注速報値、米新規失業保険申請件数、米10月カンザスシティ連銀製造業活動指数、米7年債入札などに注目が集まります。

本日の予想レンジ:145.50ー147.75

注:ポイント要約は編集部

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