ドル円、昨晩急落後に148円台を回復、米長期金利動向要注視
26日午前の東京市場でドル円は148円台前半中心の動き。朝方、147.93レベルで取引の始まったドル円は早々に148円台を回復。その後時間外の米長期金利が昨晩下落した水準から戻らず取引されたことで一旦は147円台に沈んだものの、147円台の本邦勢の買い意欲は強く、148.41まで上昇の後東京時間正午現在は148.31レベルで取引されています。
日経平均株価は、米国の利上げペースが鈍るとの楽観的見通しから欧米株が上昇した流れを受けて、序盤からほぼ一方向に値を上げる展開となり、326円高で午前の取引を終了しています。
昨晩海外市場では、発表された8月住宅価格指数、10月消費者信頼感指数、リッチモンド連銀製造業指数等の米指標が軒並み事前予想を下回ったことから、先週末のWSJ紙の報道以降市場に顕著に台頭しつつある、FRBの追加利上げ速度鈍化への思惑が強まり、米長期金利が急落。ドル円も149円手前の水準から147円台半ばまで急落する動きとなりました。その後は148円前後でもみ合い、147.95レベルでアジア時間を迎えています。
テクニカルにはドル円は、引き続き基準線、21日線にサポートされつつも、3営業日絡んでいた転換線(本日148.75レベル)を午前中は下放れ、ややドル売り地合いが強まっています。
ここへ来てFRBの急激な利上げを不安視する声が米国内で強くなってきています。昨晩は米上院の銀行・住宅・都市問題委員会が委員長名でFRBパウエル議長に大幅利上げの影響を懸念する書簡を送ったことを公表、「完全雇用確保の目標を見失うことがあってはならない」と訴えています。
インフレ抑制に十分な水準まで金利が上昇しているかどうかの判断は、当のFRBでも難しく、多分十分な効果が見えるまで利上げは継続されるものと思われます。一方で、先日のベージュブックで一部地域でのインフレの鈍化が報告されたこと等もあり、先の見えない大幅追加利上げが続くかもしれないという市場の「期待」に変化が起きていることは、ファンダメンタルズ面での大きな要因と言え、結果としての米長期金利の動きにはこれまで以上に注意が必要です。
ドル円日足
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