ドルのじり高続く、150円は射程圏内だが
〇本日のドル円、東京市場では横ばいのレンジ取引、夕方にかけ149.40円台へ一時上伸
〇昨日も「覆面介入」と思しき動き観測されるも効果に乏しい、150円トライに向けた動きも存在
〇9/22安値以降9円のドル高進行、調整的なドル下押しにも警戒
〇本日は米9月住宅着工件数、米地区連銀経済報告公表を予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは148.70-149.90、ドル高・円安方向は149円半ばが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は148.70レベルが目先のサポートか
<< 東京市場の動き >>
19日の東京市場はドルが堅調裡。値動きそのものは決して大きくなかったが、終盤にかけてドルは年初来高値を更新している。
ドル/円は149.25円レベルで寄り付いたものの、基本はレンジ取引。149.10-30円といった横這い商状が長く続いていた。つまり、前日記録した高値149.39円をなかなか超えられないなか、夕方に掛けてストップロスを巻き込むと149円半ばへと上伸。16時現在、ドルはそのまま高値圏で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「日本の為替政策など」と「ロシア情勢」について。
前者は、昨日報じたように、共同通信やロイターなどの一部メディアが「政府、13日に『覆面介入』実施か」−−などと報じ思惑を呼ぶなか、昨18日のロンドン時間にもやや不可解な上下動が観測され、やはり「覆面介入」観測が取り沙汰されていたようだ。ただ、結果として効果は乏しく、円高方向への推移も一時的。また、そののち本日の東京にかけて黒田日銀総裁や鈴木財務相、岸田首相などからの円安けん制発言が聞かれた一方、安達日銀委員から「為替相場は金融政策が直接コントロールする対象ではない」としたコメントも聞かれており、効果は極めて限定的だった。
対して後者は、ここ数日、戦闘においてもっとも話題を集めているドローン攻撃に関する要人発言などが目に付いた。まずはロイターが「イランはロシアにドローンとミサイル供給で合意」と伝えたことが影響してか、ウクライナ側からは「クレバ外相、イランとの国交断絶を提案」との発言も聞かれていた。それに対し、当事者のイランはロイター報道を「真実ではない」と否定している。また、NATOが数日中にウクライナに防空システムを供給すると発表したほか、米国務省は「イランによるドローン売却困難とする現実的かつ積極的な措置を継続する」との考えが示されていた。イランも巻き込んだ騒動の今後に注目だ。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日の東京時間では微妙だったドル/円の149円台定着だが、その後の動きを経て本稿執筆時は149.40円台としっかり乗せてきた。もちろん、当局の円買い介入警戒感は根強いものの、リスクはドル高方向で150円トライに向けた動きも存在する。ちなみに、150円前後にはストップロスの存在も取り沙汰されており、巻き込めば瞬間値が飛ぶ展開も。
市場筋のあいだではドル買い・円売り安心感が根強く、方向性は間違いなくドル高方向にバイアス。一方で、前述したように13日に続き昨18日にも「覆面介入」を疑われる不可解な値動きを一時たどっていたことは気掛かり。結果として両日とも効果は限定的なものにとどまったが、当局の対応が「なんでもあり」になると、介入効果を上げるために1990年代に見られたような秘策・奥の手を今後使用してくることもありそうだ。すなわち「NY連銀への委託介入」や「ブローカーへのダイレクト介入」−−などの奇策にも注意すべきか。
テクニカルに見た場合、ドル/円は1990年8月以来となる150円乗せもいよいよ現実味を増してきた。本日東京では149円半ばまで一時値を上げており、あと50銭程度に迫った計算だ。早ければ、本日中にもトライする可能性がある。
ただ、当局が円買い介入を実施した9月22日安値以降だけで9円ものドル高が進行しているだけでなく、明確な調整は一度も観測されていない。調整的なドルの下押しに対する備えはしっかりとしておきたい。
本日は米経済指標として、9月の住宅着工件数のほか米地区連銀経済報告の公表も予定されている。また、主要な金融機関の発表は終わったものの、それでも引き続き注目米企業の決算発表は実施される見通しだ。こちらも合わせて要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは148.70-149.90円。ドル高・円安方向は東京高値の149円半ばが最初の抵抗。抜けるといよいよ150円トライか。
対するドル安・円高方向は、昨日ロンドン時間に観測された不可解な値動きを付けた際の安値148.70円レベルが目先のサポートか。下回ると148円前後を目指す展開も。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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