ドル円、米金利上昇を横目に高値を更新。11営業日連続陽線を記録(10/20朝)

19日(水)のドル円相場は堅調な値動き。

ドル円、米金利上昇を横目に高値を更新。11営業日連続陽線を記録(10/20朝)

海外時間のレビュー

〇ドル円、米長期金利の上昇継続、欧米株の軟調推移等に米国時間午後にかけ149.90まで上昇
〇米10年債利回りは2008年7月以来、約14年3ヵ月ぶり高水準となる4.12%へ急上昇
〇ユーロドル、米国時間午後にかけ安値0.9757まで下落、露のウクライナ侵攻の長期化懸念も重石
〇ドル円、一時1990年8月14日以来、約32年2ヵ月ぶり高値を更新
〇テクニカルの地合い極めて強く、ファンダメンタルズもドル高円安トレンド継続を連想させる材料揃う
〇当局の実弾介入(含む覆面介入)も、ドル円相場のトレンドを変えるには至らないか
〇ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想、本日の予想レンジ:149.00ー150.50

19日(水)のドル円相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値149.12まで下げ幅を広げるも、売り一巡後に下げ渋ると、@ミネアポリス連銀カシュカリ総裁による「基調インフレがピークアウトしたとの確証を得られるまで利上げを一時停止する用意はない」とのタカ派的な発言や、A米金利上昇に伴うドル買い圧力(米10年債利回りは2008年7月以来、約14年3ヵ月ぶり高水準となる4.12%へ急上昇)、B欧米株の軟調推移(市場心理悪化→資産現金化需要のドル買い圧力)、Cテクニカル的な地合いの強さ(複数の買いシグナル点灯)、D低調な米20年債入札結果(米金利の更なる上昇→ドル買い)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、1990年8月14日以来、約32年2ヵ月ぶり高値となる149.90まで上昇しました。

引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間10/20午前4時30分現在)では、149.88前後で推移しております。尚、昨日も政府・日銀サイドから円安牽制発言(岸田首相による「適度な変動に適切な対応を取らなくてはならない」との発言や、鈴木財務相による「財務官とは頻繁に連絡を取っている」との発言、黒田日銀総裁による「行き過ぎた円安に対し介入したことは大変適切」との発言)が相次ぎましたが、市場の反応は限定的となりました。また、注目された住宅関連指標についても、米9月住宅着工件数が市場予想を下回る一方、米9月建設許可件数が市場予想を上回るなど強弱まちまちの結果となりました。

19日(水)のユーロドル相場は急反落。アジア時間朝方にかけて、高値0.9872まで上値を伸ばすも、買い一巡後に伸び悩むと、@ロシア・ウクライナを巡る地政学的リスクの長期化懸念や、A米金利上昇に伴うドル買い圧力、B欧州経済の先行き不透明感(スタグフレーション懸念が燻る中でのECBによる大幅利上げ観測)、C欧米株の軟調推移(市場心理悪化→資産現金化需要のドル買い圧力)が重石となり、米国時間午後にかけて、安値0.9757まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間10/20午前4時30分現在)では、0.9767前後で推移しております。尚、昨日発表されたユーロ圏9月消費者物価指数は、市場予想+10.0%に対して、結果が+9.9%と市場予想を若干下回る結果となりましたが、市場の反応は限られました。

本日の見通し

ドル円は一時149.90まで続伸するなど、1990年8月14日以来、約32年2ヵ月ぶり高値を更新しました。11営業日連続で日足陽線が出現している他、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「強気のパーフェクトオーダー」「強気のバンドウォーク」「ダウ理論の上昇トレンド」も成立するなど、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます(対円の節目150.00突破は時間の問題)。ファンダメンタルズ的に見ても、@米FRBによるタカ派傾斜観測(次回11月FOMCでの75bp利上げを93.1%織り込むと共に、12月FOMCでの75bp利上げも75.8%織り込む動き→米10年債利回りが約14年3ヵ月ぶり高水準を記録)や、A日銀による金融緩和の継続方針(黒田日銀総裁は先週の国際金融協会・年次会合や、今週の衆院予算委員会で立て続けに金融緩和の継続方針を強調)、B上記@Aを背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米名目金利差拡大に着目したキャリートレード活発化)、

C本邦貿易赤字拡大に伴う構造的な円売り圧力、D米政府・米当局によるドル高容認スタンス(G20財務相・中央銀行総裁会議後の10/15にバイデン米大統領は「ドル高を懸念していない。米国経済は力強い」と発言)、E本邦輸入企業による実需の悲鳴買い(買い遅れた実需筋によるドル買い・円売り)など、ドル高・円安トレンドの継続を連想させる材料が揃っています。政府・日銀による円安牽制(口先介入)効果も日に日に低減しつつあり、例え実弾介入(含む覆面介入)に踏み切ったとしても、ドル円相場のトレンドを変えるには至らないと考えられます(実弾介入は市場参加者に絶好の買い場を与えるだけでドル円押し下げ効果は乏しいとの見方が大勢)。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は、日本時間21:30に発表される米10月フィラデルフィア連銀景況指数や、米新規失業保険申請件数、同23:00の米9月中古住宅販売件数、米9月景気先行指数、同1:00のフィラデルフィア連銀ハーカー総裁発言、同2:30のジェファーソンFRB理事発言、同2:45のクックFRB理事発言、同3:05のボウマンFRB理事発言などに注目が集まります。特に今週はブラックアウト期間に入る直前週となるため、米当局者の発言に警戒が必要でしょう。

本日の予想レンジ:149.00ー150.50

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