介入警戒感根強いなか、ドル最高値トライも(10/11夕)

11日の東京市場はドルがしっかり。ドル売り・円買い介入警戒感から年初来高値145.90円にはなかなか届かないものの下値も限られ、ドルは底堅い値動きをたどっていた。

介入警戒感根強いなか、ドル最高値トライも(10/11夕)

介入警戒感根強いなか、ドル最高値トライも

〇本日のドル円、145.85レベルまで上昇するも年初来高値に届かず、145円後半での強保ち合いに終始
〇年初来高値145.90を上抜けるならば、1998年高値の147.64が次の上値メドとして意識されるか
〇引き続きユーロやポンドの動きも要注意、欧州関連で注目材料が多く、再び下値をうかがう様相も
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは145.00-146.10、ドル高・円安方向は145.90が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、本日東京安値145円半ばの攻防にまずは注目

<< 東京市場の動き >>

11日の東京市場はドルがしっかり。ドル売り・円買い介入警戒感から年初来高値145.90円にはなかなか届かないものの下値も限られ、ドルは底堅い値動きをたどっていた。

ドル/円は、年初来高値にあと20銭まで迫った145.70円レベルで寄り付いたものの、結局届かず。ドル上値は145.85円レベルまでで、年初来高値は近くて遠い存在だった。ただし、一度も145円半ばを割り込むことがないなど下値も堅い。結局145円後半での強保ち合いのまま、16時現在では145.70-75円で推移、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「ロシア情勢」と「日本の円安けん制」について。
前者は、前日に観測されたウクライナ南部クリミア半島とロシア本土を結ぶ「クリミア大橋」の爆発について、ロシアは「ウクライナ側のテロ」といった見方を強めるなか、ついにはウクライナ全土へのミサイル攻撃を実施した。ロシアはいわゆる「報復」といった考えで自身の行動を正当化。しかし、ウクライナ市街地を対象にした攻撃もあり、一般市民の死傷者も多数出ているようで、米欧や英国の首脳、NATOや国連の事務総長らが一斉に非難の声をあげている。また、G7は11日にオンラインで緊急首脳会議を開くことを決定し、対応を協議することを明らかにしていた。

対して後者は、週末に英紙FTのインタビューで、米財務長官は「国ごとの政策や経済状況の違いを考えれば、おおむね適切」とドル高についても事実上の容認発言。そうしたなか、ドル/円の実勢相場は前述したしたように145円後半で推移し、145.90円の更新も現実味を帯びた動きとなっている。本日東京時間、鈴木財務相や神田財務官などから「円安けん制」発言が聞かれたものの、英紙FTが岸田首相のインタビューとして、「円安進行でも日銀の超金融緩和政策を支持する姿勢を示唆」と報じたうえ、「任期満了前に黒田氏に退任させたり、マイナス金利を終わらせるために圧力をかけたりすることはない」と伝えたことで円売り安心感に繋がっていた面もあったという。

<< 欧米市場の見通し >>

ドルのじり高はいまだ止まらず。ドル/円は本日東京でまたもやドルの戻り高値を更新している。結果として年初来高値まであと数ポイントというところまでで惜しくも届かなかったが、このあとの欧米時間も基本的なリスクはドル高方向にバイアスか。仮に上抜ければ、少し遠いが1998年高値の147.64円が次の上値メドとして、名実ともに意識されそうだ。
年初来高値を視界内に捉えたドル/円はこのあとも予断を許さず、欧米の時間帯とはいえ政府・日銀の実弾介入にも一応注意が必要かもしれない。一方、それとは別に引き続きユーロやポンドの動きも気掛かりだ。ロシア情勢をはじめ、欧州関連で注目材料が少なくないうえ、為替市場も折角戻り歩調にあったユーロやポンドが対ドルなどで反転し、再び下値をうかがう様相を呈していることに注意を払いたい。たとえばユーロ安・ドル高の動きが、ドル/円でのドル高を支援する可能性もある。

テクニカルに見た場合、ドル/円はまったく過熱感のないドルじり高が継続。一時145.85円レベルへと達し、年初来高値にほぼ面合わせしている。ただ、ドルの上値トライが失敗し一旦仕切り直しになったという感はなく、短期的なリスクも依然としてドル高方向にバイアスか。警戒感は非常に強いものの、145.90円を上抜けたのち当局の実弾介入が観測されなければ、ストップロスを巻き込みつつドルはさらに吹き上がる展開を見込む声もある。

昨日に続き本日も、それほど大きな米経済指標の発表は予定されていない。ただ、米国のほか英中銀総裁などの講演などは多く、それらの発言内容には一応要注意だ。また、急遽決定したオンラインでのG7緊急首脳会議も場合によっては波乱要因となりかねないだろう。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは145.00-146.10円。ドル高・円安方向は東京高値を含めた年初来高値145.90円が最初の抵抗。超えると146円台乗せから、147.64円も薄っすらと視界内に。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の145円半ばの攻防にまずは注目。それを割り込むと145.20-25円、そして144円後半を目指す展開か。

介入警戒感根強いなか、ドル最高値トライも

ドル円日足


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