日英3連休前、調整の動きなどにも要注意
〇本日のドル円、一時143円を割り込み142.85レベルへ下げるもその後逆行高に、結果「行って来い」
〇ドル/円相場は落ち着きを取り戻しつつあり、欧米時間も143円台を中心としたレンジ取引続く可能性も
〇142.50-143.80といった小さなレンジ形成の様相、まずは同レンジをめぐる攻防に要注意
〇3連休を前にした売買手控えが、逆に荒っぽい価格変動を引き起こすことへの懸念も
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ142.80-144.00、ドル高・円安方向は昨日高値143.80が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、本日東京安値142.80レベルの攻防にまずは注目
<< 東京市場の動き >>
16日の東京市場は、結果「行って来い」。再び143円を割り込む局面も観測されたが続かず、買い戻されている。
ドル/円は143円半ばで寄り付いたのち、ドルがじり安推移。日米株価の動きなどをにらみつつ、明日からの3連休をにらんでの持ち高調整の動きが先行する展開だった。しかし、143円を割り込み142.85円レベルで目先ボトムをつけたちのちは、むしろ逆行高。とくに夕方に掛けては上げ幅を拡大させると「行って来い」に。16時現在、寄り付きを上回る143.60-65円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「円安けん制発言」について。
前者は、ドイツ国防相から「ウクライナへ多連装ロケットシステムや装甲車などの追加提供」の話が明らかになるなか、ロシアは「米政府がウクライナへの長距離ミサイル供給を決定すれば、レッドライン(越えてはならない一線)を超える」などと猛反発している。そうしたなか、やや興味深かったのは露有力紙コメルサントが、「公正ロシア」代表を務めるミロノフ議員の発言として、「ロシア下院がショイグ国防相を召喚し、非公開で質問を行うことを検討している」と報じたこと。すでに戦争の敗戦、戦後処理に向けたいわゆる「戦争犯罪人」の炙り出しに動き始めているのかもしれない。
対して後者は、一昨日には「レートチェックの実施」まで行われたとされるドル/円だが、昨日の142-143円台ではまったく音沙汰がなかった。「ある程度の円安許容」論なども取り沙汰されるなか、本日はドル/円が142円台に突っ込んだのち143円台へと戻す過程のなかで、鈴木財務相から再び円安けん制発言が聞かれていた。具体的には「高い緊張感をもって為替市場を注視」、「一方的な動きが続けば、あらゆる措置を排除せず必要な対処をとる」などとコメントしていたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、13日に一日で3円近い変動をたどるなど荒れ模様となったが、以降少しずつ落ち着きを取り戻しつつある。実際、昨日は終日を通して1円強の変動にとどまっていた。予断を許さないものの、本日の欧米タイムも143円台を中心としたレンジ取引、ボックス内での往来相場が続く可能性もある。ただ、その一方で本日が週末そして日英3連休前ということでの売買手控えが、逆に荒っぽい価格変動を引き起こすことを懸念する声もある。
各国金利情勢への関心が高いなか、市場筋のあいだでは日米そして英国の政策金利も発表される来週の市場動静が早くも話題となっている。たとえば、本日付けの日経新聞朝刊では「日米英スイス、22日決定会合」としたうえで、「『中銀デー』波乱、市場警戒」などと取り上げていた。そんな来週の決定会合をにらみつつ、目先は発表される米経済指標や株価の動きなどに一喜一憂か。とくに後者、NYダウはここのところ冴えず、チャート的には続落も否定できない足形だ。場合によっては為替市場の波乱要因にもなりかねない。
テクニカルに見た場合、足もと落ち着きを取り戻してきたドル/円は、142.50-143.80円といった小さなレンジを形成しているようだ。本日東京時間にはその上限に迫るも、超えていくことは出来なかった。まずは同レンジをめぐる攻防に要注意。上抜ければ144円台乗せから144.95円が再び視界内に捉えられる反面、底割れすれば前回安値141.51円を目指す展開も。
本日は米経済指標として、9月のミシガン大学消費者信頼感指数速報や7月の対米証券投資が発表される予定となっている。また、NATO会合や国際原子力機関(IAEA)理事会なども開催されるが、それらよりも日英などが明日から3連休となるだけに、ポジション調整と思しき動きに要注意との声も聞かれていた。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは142.80-144.00円。ドル高・円安方向は昨日高値143.80円が最初の抵抗で、超えれば144円台乗せも。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の142.80円レベルの攻防にまずは注目。割り込めば14日安値の142.55円などが意識されそうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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