目先の上下をトライ、足もとはレンジ取引か
〇本日のドル円、安値142円前半を示現後、上げ幅拡大し143円半ばへ到達
〇先週は高値144.99、安値141.51、目先のレンジ上下とも達成との見方も
〇今週は来週米FOMC控えレンジ取引続くか
〇本日は米経済指標発表なし、米財務省入札実施、欧州要人の講演には要注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは142.20-143.40、143円半ばが上値メドで超えると144円台回復も
〇ドル安・円高方向は142.60-70の攻防にまずは注目
<< 東京市場の動き >>
週明け12日の東京市場はドルが堅調裡。とくに夕方に掛けて上げ幅を拡大、一時143円半ばまで値を上げている。
先週末は、英国のエリザベス女王の国葬が19日に決定。日本からは天皇陛下や岸田首相の参列が検討されていると報じられていた。一方、それとは別にロシアが実効支配するザポロジエ原発の状況はますます不透明に。IAEA事務局長からも懸念発言が聞かれている。
そうした状況下、ドル/円は142円半ばで寄り付いたのち、当初は冴えない。日中安値である142円前半へと小緩むも、目先底値を示現後は一転してドルの反転高に。とくに夕方に掛けては米金利の上昇もあり、ドルも上げ幅を拡大すると143円半ばへ。結果として、1円を超える大幅な上昇をたどっていた。16時現在でもドルはそのまま高値圏を維持、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「国際会議などの世界情勢」について。
前者は、引き続きザポロジエ原発をめぐる悲観的な発言や報道が相次ぐ。予断を許さない状況だ。そうしたなか、週末以降気になったのはウクライナ軍がロシアとの戦闘において多大な成果を上げたとの各種報道。西側メディアが「東部ハリコフで防衛線突破」、「ロシア軍は統制取れず敗走した可能性」などと報じているだけでなく、ロシアのタス通信までもが「ロシア軍、ウクライナ東部要衝から撤退」と伝えている。すでに半年以上が経過し、ロシア軍優勢で進んできた感のある戦況だが大きな転換点を迎えているのかもしれない。
対して後者は、週末から本日にかけて重要な国際会議などに関するニュースや発表が相次ぐ。ひとつは、前述した「エリザベス女王の国葬」日程決定であり、それ以外では読売新聞による「日米英豪NZ、9月下旬の国連総会に合わせ外相会合を調整」、共同通信は「国連総会一般討論演説が始まる20日前後のNYで岸田首相とバイデン大統領による首脳会談を調整していることが分かった」と伝えていた。また、「インド首相が15日からの上海協力機構会議に出席、中露首脳と会談も」とした報道も別途観測されている。
<< 欧米市場の見通し >>
先週のドル/円は7日に高値144.99円をつけたのち、週末9日は安値141.51円を示現している。断定はできないが、目先のレンジの上下とも達成したとの見方もあり、つまるところしばらくは141.51-144.99円というレンジのなかで一進一退をたどることになるか。実際、本日の東京時間にドルは143円というちょうど中間地点、居心地の良い水準へと値を戻しており、今後しばらくの揉み合いを予感させていた。
依然として各国の金利情勢に対する関心が高く、そうしたなか、今週は15日に英中銀の政策金利の発表が実施される見込みで、市場の関心も高かったが、エリザベス女王の死去を受けて1週間延期となった。来週、米FOMCとともに英中銀の動静にも要注意だ。また、本日ということでは米国を中心に決定済み材料はやや少なめだが、英国やロシアを含めた欧州関係で気になる要因は多い。為替も欧州通貨主導の展開か。
テクニカルに見た場合、ドル/円は目先の高安ともにつけた感がある。足もとの値動きは若干荒いがレンジ内での往来相場で、明確な方向性はうかがえない状況だ。来週の米FOMCにらみで、しばらくのあいだ141.51-144.99円というレンジ取引をたどる可能性もある。
なお、チャート的には本日東京で急騰をたどったユーロの動きにより要注意。対ドルでは短期抵抗を上抜けており、1.03ドル台回復も見えてきた。
一方、本日はとくに目立った米経済指標の発表はなし。また、FOMC前のブラックアウト期間入りすることもあってか、今週は米通貨当局者らの講演など発言機会はほぼ皆無となっている。ただ、米財務省による3年債そして10年債の入札が実施されるほか、欧州要人の講演などが予定されており、それらには一応要注意だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは142.20-143.40円。ドル高・円安方向は東京高値の143円半ばがドルの上値メド。超えると144円台回復も。
対するドル安・円高方向は、時間足などで弱いサポートなっている142.60-70円の攻防にまずは注目。割り込めば本日東京安値の142円前半を目指す展開か。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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