ドル円、振れを伴いつつも方向感の定まらない展開。米CPIがメインイベント(9/13朝)

週明け12日(月)のドル円相場は振れを伴いつつも方向感の定まらない展開。

ドル円、振れを伴いつつも方向感の定まらない展開。米CPIがメインイベント(9/13朝)

ドル円、振れを伴いつつも方向感の定まらない展開。米CPIがメインイベント

〇ドル円、株価の堅調、米金利上昇に日本時間夕143.49まで上昇するも海外時間に反落
〇142.16まで下げた後142.80前後まで持ち直す方向感の定まらない動き
〇ユーロドル欧州朝方に1.0198まで上伸するも1.0106まで反落、こちらも方向感に欠ける動き
〇ドル円テクニカル的に見て上昇トレンドは継続中
〇介入警戒感や政策変更を期待した円買いの賞味期限は短いか
〇ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想、本日は米8月CPIに注目
〇本日の予想レンジ:142.00ー144.00

海外時間のレビュー

週明け12日(月)のドル円相場は振れを伴いつつも方向感の定まらない展開。アジア時間早朝にかけて、安値142.15まで下げ幅を広げるも(先週末金曜日の終値から窓を開ける形で下落するも)、心理的節目142.00をバックに下げ渋ると、@株式市場の堅調推移(リスク選好の円売り圧力→クロス円上昇→ドル円連れ高)や、A米金利上昇に伴うドル買い圧力(米10年債利回りが一時3.34%へ急上昇)、B俄かショートのストップBUY(本邦通貨当局による円安牽制スタンスを背景に先週末金曜日にドル円ショートが急増→週明けアジア時間は下値の堅さを確認できたことでショートカバー発生)が支援材料となり、日本時間15時過ぎに、高値143.49まで急伸しました。

しかし、買い一巡後に伸び悩むと、C米金利低下に伴うドル売り圧力(米10年債利回りが一時3.26%へ急低下)や、D米8月消費者物価指数(8/13)を控えたポジション調整が重石となり、米国時間午後にかけて、一時142.16まで反落する場面も見られました。もっとも、アジア時間早朝に記録した安値142.15をバックに下げ渋ると、E米10年債入札の低調な結果や、F上記Eを背景とした米長期金利の急上昇(米10年債利回りが6/16以来の高水準となる3.36%へ急上昇)が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間9/13午前5時00分現在)では、142.80前後まで持ち直す動きとなっております。

週明け12日(月)のユーロドル相場は振れを伴いつつも方向感の定まらない展開。アジア時間朝方にかけて、安値1.0060まで下げ幅を広げるも、一巡後に下げ渋ると、@次回ECB理事会(10/27)での連続大幅利上げ観測の高まり(ドイツ連銀ナーゲル総裁は週末にインフレ傾向が続くのであればさらなる利上げが必要との見解を発表)や、A上記@を背景としたユーロ買い圧力(金利先高観→ユーロ買い)、Bロシア・ウクライナを巡る地政学的リスクの後退期待(ロシアがウクライナ東部ハリコフ州のオスキル川以西の州全域から軍の撤退を命じた可能性が高いとの報道)、C上記Bを背景とした欧州株の堅調推移、D投資家ポジションの大規模ショートカバーが支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値1.0198まで急伸しました。

しかし、買い一巡後に伸び悩むと、Eユーロ圏8月景気先行指数(結果98.6、前回98.9)の冴えない結果や、Fドイツ債利回り低下に伴うユーロ売り圧力(ドイツ10年債利回りが1.75%から1.63%へ急低下)、G欧州経済の先行き不透明感(EUエネルギー計画草案に電力需要の義務的削減が盛り込まれるとの一部報道)、H米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、米国時間にかけて、一時1.0106まで反落する場面も見られました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間9/13午前5時00分現在)では、1.0115前後で推移しております。

本日の見通し

昨日は新規材料に乏しかったにも係わらず、予想以上に大きな値幅を伴って乱高下する1日となりました(アジア時間安値142.15→アジア時間高値143.49→海外時間安値142.16→現在142.80)。米FRBのタカ派傾斜観測を背景とした「ドル買い圧力」と、本邦通貨当局による円安牽制に端を発した「円買い圧力」の綱引きが乱高下の背景と考えられます。但し、日足・週足・月足の全てで強い買いシグナル(一目均衡表三役好転、強気のパーフェクトオーダー、ダウ理論の上昇トレンド)が点灯していることや、先週末金曜日に記録した安値141.51を死守できたこと等を踏まえると、テクニカル的に見て、「上昇トレンドは継続中」と判断できます(現在はあくまで上昇トレンドの過程で見られる一時的な押し目。一巡後の上昇トレンド再開を想定)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違い(CMEが提供するFedWatchで9/21FOMC会合での75bp利上げ確率は92%へ急上昇)や、A日本とその他先進国との金融政策格差(先週は豪中銀が50bpの利上げを決定した他、カナダ中銀およびECBが各々75bpの利上げを決定→日本とその他各国との金利差拡大→クロス円上昇→ドル円連れ高)、B米政府・米当局によるドル高容認スタンス(米国はインフレ抑制に繋がり得るドル高を当面の間黙認する構え。先週はブレイナードFRB副議長、シカゴ連銀エバンズ総裁、ダドリー前NY連銀総裁などから相次ぎでドル高容認発言あり)、C本邦貿易赤字拡大に伴う構造的な円売り圧力など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。
先週末金曜日は、本邦通貨当局による円安牽制発言を背景に、円ショートの巻き戻しムードが強まりましたが、現実的に日本が円買い為替介入に踏み切ることは容易では無く、介入警戒感や政策変更を期待した「円買い」の賞味期限は短いと判断できます(日本は金融緩和政策を続けているため、円買い為替介入の実施を諸外国に受け入れてもらうことがそもそも難しい)。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米8月消費者物価指数(21:00)に注目が集まります。ガソリン価格の下落を背景にヘッドラインは2カ月連続の減速を示すと見られるものの、先週の米当局者発言の内容を見る限り、仮に市場予想通りや市場予想を下回る結果が示されたとしても、米FRBによる75bp利上げ実施の既定路線に対する影響は出てこないと考えられます。むしろ、市場予想を上回った場合に100bp利上げ観測が浮上する恐れがあるため、リスクは依然上方向と判断できます(インフレ昂進→米長期金利上昇→米ドル高→ドル円急伸)。本日海外時間はドル円相場のアップサイドリスクに特に警戒が必要でしょう。

本日の予想レンジ:142.00ー144.00

注:ポイント要約は編集部

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ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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