ドル円見通し ユーロやポンドが一段高、ドル高が緩むもドル円は142円台で確り(22/9/13)

13日未明には142.14円まで下げたが、その後は米長期債利回りの上昇を受けて143円手前まで戻すなど142円台では確りした。

ドル円見通し ユーロやポンドが一段高、ドル高が緩むもドル円は142円台で確り(22/9/13)

ドル円見通し ユーロやポンドが一段高、ドル高が緩むもドル円は142円台で確り

〇ドル円、9/12夕刻からユーロやポンドが上昇したことでドル安感強まり、9/13未明142.14まで下げる
〇その後米長期債利回り上昇を受け、143円手前まで戻すなど142円台で確り
〇9/7夜からドル全面高基調緩む、本日米CPI発表、内容次第では乱高下の可能性も
〇米長期債利回りは総じて上昇、NYダウ・ナスダックともに4連騰
〇142円以上での推移中は上昇余地ありとし、143.49超えからは144円台への上昇を想定する
〇141.49割れからは、140円台前半へ向かう流れとみる

【概況】

ドル円は9月7日夜に144.98円をつけて2021年1月6日底102.57円以降の高値を更新したところから日銀・政府の円安けん制をきっかけに9日夜安値141.49円まで急落した。その後は142円台を回復して下げ一服となり、週明けの12日は午後高値で143.49円まで持ち直していた。
12日夕刻からユーロドルが急伸、つれてポンドや豪ドル等も上昇したことでドル安感が強まったためにドル円は143円台を維持できずに13日未明には142.14円まで下げたが、その後は米長期債利回りの上昇を受けて143円手前まで戻すなど142円台では確りした。

【9月7日夜からドル安優勢】

米国の大幅利上げ姿勢を背景にドル円も急上昇してきたが、先週は豪中銀、カナダ中銀、ECBによる大幅利上げも相次いだためにドルストレートにおけるドル全面高基調が緩んでいる。
ユーロドルは9月6日に0.9864ドルをつけて昨年来最安値を更新していたところから連騰で戻しており、8日夜に1.000ドル超え、9日夕に1.010ドル超え、12日午後には1.020ドルに迫った。小反落を繰り返しながらも底上げから戻り高値を切り上げている。12日の上昇ではECBの利上げ姿勢が従来よりも強まるとの見方が優勢となって他通貨の上昇を先導した印象だ。
ポンドドルも9月7日夜安値で1.1403ドルをつけて昨年来最安値を更新したところから12日夜には1.170ドル台到達まで切り返しており、豪ドル米ドルも9月7日に7月14日安値へ迫ったところから切り返している。

ドル円もドルストレートにおけるドル安局面では下げるものの、日銀が金融緩和政策から抜け出せない状況のために中長期的な上昇基調は変わらないとして下げたところを買い拾われている。また円の弱さからクロス円の上昇基調も勢い付いており、ユーロ円は145円台に到達して2015年1月以来の高値水準に達し、豪ドル円は2014年12月以来の高値水準に達している。
今晩は米CPI発表があり、市場の事前予想では全体の前月比がマイナス0.1%へと減速すると見込まれているが、コア指数は0.3%上昇で7月と変わらない予想となっている。内容次第では乱高下もあり得ると注意したい。

【米2年債利回りは15年ぶり高値をさらに更新、NYダウ連騰】

9月12日の米10年債利回りは前週末比0.05%上昇の3.37%だった。序盤に3.27%まで下げたもののこの日実施された米財務省の10年債入札が低調だったことで債券売り圧力がかったこともあり終盤の上昇で3.375%をつけて9月7日の3.365%を超えて8月2日の2.52%以降の最高値とした。
30年債利回りは前週末比0.06%上昇の3.51%で終了、9月6日につけた2014年5月以来の高値水準に並んだ。2年債利回りは前週末比0.01%上昇の3.57%で終了したが、3.52%まで低下したところからの反騰で高値では3.58%をつけて2007年以来15年ぶり高値を更新している。
米長期債利回りの上昇基調は継続しており、主要国の大幅利上げも絡んでユーロ等が反発しているもののドル円としては日米の金融政策姿勢の差からドル買い円売り優勢の環境は変わらないと思われる。ただし、米国のインフレが低下傾向を示せば先行きの利上げピークを織り込んでドル円としても歴史的な大上昇が一巡する可能性も浮上すると思われる。

9月12日のNYダウは前週末比229.63ドル高と上昇、6月16日からの下落が9月6日安値で一巡して9月7日からは4連騰となった。ナスダック総合指数も前週末比154.10ポイント高と上昇、7日から4連騰で戻している。株式市場では金融引き締めによる景気後退への懸念を抱えつつも必ずしも深刻な不況入りは回避されるのではないかとやや楽観的な動きを回復している印象だ。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルにおいては、9月7日夜に145円に迫ってから1円を超える反落となったために8日朝時点では7日夜高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとして9日午前から13日午前にかけての間への下落を想定した。
9月9日夜に141円台へ下げてから12日午後に143円台へ戻したため、現状は9月9日夜安値で直近のサイクルボトムを付けて強気サイクル入りしたところと思われるが上値が重い印象となっている。9月9日夜安値割れを回避するうちは13日の日中から14日夜にかけての間への上昇余地ありとみるが、9日夜安値を割り込む場合は底割れによる新たな弱気サイクル入りとして14日夜から16日夜にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では9月9日夜から反発しているものの142円台中心で揉み合いのために遅行スパンは実線と交錯、先行スパンを上抜けずにいる。先行スパンを上抜き返すところからは上昇継続とみて遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、142円割れからは下げ再開を警戒して遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は9月9日夜に20ポイントまで低下してから50ポイント超えへ戻したが、50ポイント台を維持できずにいる。60ポイント超えからは上昇が勢い付くとみるが、次に40ポイントを割り込むところからは下げ再開を警戒して20ポイント台をもう一度試す流れと考える。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、9月9日夜安値141.49円を下値支持線、9月13日午後高値143.49円を上値抵抗線とする。
(2)142円以上での推移か一時的に割り込んでも回復するうちは上昇余地ありとし、143.49円超えからは144円台への上昇を想定する。米CPI発表から勢い付く場合は9月7日夜高値144.98円に迫る可能性もあるとみる。
(3)141.49円割れからは9月7日高値を起点とした下落が二段下げ型に発展するとみて140円台前半へ向かう流れとみる。また141.49円を割り込んだ後も142円以下での推移が続くうちは下向きと考える。

【当面の主な予定】

9/13(火)
10:30 (豪) 8月 NAB企業景況感指数 (7月 20)
15:00 (独) 8月 CPI(消費者物価指数)改定値 前月比 (速報 0.3%、予想 0.3%)
15:00 (独) 8月 CPI(消費者物価指数)改定値 前年同月比 (速報 7.9%、予想 7.9%)
15:00 (英) 8月 失業保険申請件数 (7月 -1.06万件)
15:00 (英) 7月 失業率・ILO方式 (6月 3.8%、予想 3.8%)
18:00 (独) 9月 ZEW景況感 (8月 -55.3、予想 -60.0)
18:00 (欧) 9月 ZEW景況感 (8月 -54.9)

21:30 (米) 8月 CPI(消費者物価指数) 前月比 (7月 0.0%、予想 -0.1%)
21:30 (米) 8月 CPI(消費者物価指数) 前年同月比 (7月 8.5%、予想 8.1%)
21:30 (米) 8月 CPIコア指数 前月比 (7月 0.3%、予想 0.3%)
21:30 (米) 8月 CPIコア指数 前年同月比 (7月 5.9%、予想 6.1%)
26:00 (米) 財務省30年債入札
27:00 (米) 8月 月次財政収支 (7月 -2111億ドル)

9/14(水)
07:45 (NZ) 4-6月期 経常収支 (1-3月 -61.43億NZドル、予想 -47.01億NZドル)
08:50 (日) 7月 機械受注 前月比 (6月 0.9%、予想 -0.6%)
08:50 (日) 7月 機械受注 前年同月比 (6月 6.5%、予想 6.6%)
13:30 (日) 7月 鉱工業生産確報値 前月比 (速報 1.0%)
13:30 (日) 7月 鉱工業生産確報値 前年同月比 (速報 -1.8%)
13:30 (日) 7月 設備稼働率 前月比 (6月 9.6%)
15:00 (英) 8月 CPI(消費者物価指数) 前月比 (7月 0.6%、予想 0.6%)
15:00 (英) 8月 CPI(消費者物価指数) 前年同月比 (7月 10.1%、予想 10.2%)
15:00 (英) 8月 CPIコア指数 前年同月比 (7月 6.2%、予想 6.3%)
15:00 (英) 8月 RPI(小売物価指数) 前月比 (7月 0.9%、予想 0.6%)
15:00 (英) 8月 RPI(小売物価指数) 前年同月比 (7月 12.3%、予想 12.3%)

18:00 (欧) 7月 鉱工業生産 前月比 (6月 0.7%、予想 -1.0%)
18:00 (欧) 7月 鉱工業生産 前年同月比 (6月 2.4%、予想 0.1%)
21:30 (米) 8月 PPI(生産者物価指数) 前月比 (7月 -0.5%、予想 -0.1%)
21:30 (米) 8月 PPI(生産者物価指数) 前年同月比 (7月] 9.8% 8.8%
21:30 (米) 8月 PPIコア指数 前月比 (7月 0.2%、予想 0.3%)
21:30 (米) 8月 PPIコア指数 前年同月比 (7月 7.6%、予想 7.1%)
23:30 (米) エネルギー省週間石油在庫統計



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