新規材料も乏しく、基本はレンジ継続か
〇本日のドル円、上下試すも、133円台前半中心とした50ポイント強のレンジ取引
〇先週末と昨日ともに約1円レンジに留まり方向感探りの様相
〇8月NY連銀製造業景況指数、予想を大幅に下回る、引き続き各国金利情勢に注目
〇本日は米7月住宅着工件数、同鉱工業生産、同設備稼働率など発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは133.20-134.30、先週末高の133.89が最初の抵抗
<< アジア市場の動き >>
16日の東京市場はドルが小じっかり。引き続き133円台前半を中心としたレンジ取引で、方向性も乏しい。
ドル/円は133.30円前後で寄り付いたのち、若干のドル売りに押され一時133円割れ。しかし、定着はせずに切り返すと一転して上値を試す展開に。ドルは133円半ばへと戻す逆行高をたどったが、上値も重く戻りも限られた。16時現在では133.40-45円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「ウクライナ原発問題」と「台湾情勢」について。
前者は、ロシアの管理下にある欧州最大級のザポリージャ原子力発電所付近で再び砲撃があったと伝えられるなか、ロシアとウクライナはまたぞろ互いを非難。揃って今回も相手の攻撃だと訴えていた。そうしたなか、ロシアサイドは国防相が国連事務総長と原発をめぐり電話会談を実施したうえ、露外務省はIAEA専門家の原発訪問を支援する旨の声明も発表していたという。ただ、それとは別にEUや米国など42ヵ国は、ロシア軍に対して、ザポリージャ原発から即時撤退することを求める共同声明を発表していた。
対して後者は、ペロシ米下院議長の訪台から、それほど時を経ないなか、今度はマーキー上院議員(民主党)ら米議会上下両院の超党派議員団が改めて訪台したことが明らかになった。そのうえで、蔡総統などと会談している。それに対し、中国軍は「対抗措置」を表明。台湾周辺で再び軍事演習を行ったと発表したほか、今後も台湾への軍事的な圧力を常態化させる可能性を示唆していた。引き続き動静には要注意。
<< 欧米市場の見通し >>
10日のNY時間に大荒れの展開をたどったドル/円だが、以降は少しずつ落ち着きを取り戻しつつある。実際、先週末12日そして昨15日は終日を通し、およそ1円レンジにとどまっていた。短期的には次の方向性を探る展開で、いましばらく足もとのようなレンジ取引が続く可能性もある。ただ、日米だけでなく世界的にサマーバカンスを取る向きも多いなか、思わぬ価格変動、「薄商い=乱高下」をたどる動きにも一応注意しておきたい。
市場の関心の根本的な部分は各国金利情勢。昨日発表された8月のNY連銀製造業景況指数が予想を下回るなど、金利の先行きに大きな影響を与えかねないファンダメンタルズ要因などへの関心が高い。本日も引き続き発表される米経済指標、ならびに米株の動きなどがまずは注視されている。また、アジアにおいては北朝鮮情勢、欧州についてはザポリージャ原発をめぐる動きが波乱要因となりかねない。
テクニカルに見た場合、ドル/円は先週末と昨日がともに約1円レンジ。そして本日はここまで50ポイント強の変動にとどまっている。夏枯れ特有の値動きと言えそうだが、油断をすると間隙を突く格好で荒れ模様の展開をたどることもあると注意しておきたい。ちなみに、足もとのレンジを上放れた場合には135円前後の移動平均21日線、下放れるようだと同90日線(132.40-50円)が最初のターゲットに。
本日は米経済指標として、7月の住宅着工件数や同鉱工業生産、同設備稼働率などが発表されるものの、引き続き米当局者による講演予定等はとくになし。依然としてやや新規材料には欠ける状況だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは133.20-134.30円。ドル高・円安方向は先週末高値の133.89円が最初の抵抗。上抜ければ134円台乗せも。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の133円前後の攻防にまずは注目。しっかり割り込めば90日線を意識したドルの続落も。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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