ドル円、134円台半ばを回復。先週の米CPI後の下げ幅を概ね取り戻す展開(8/17朝)

16日(火)のドル円相場は下落後に急上昇。

ドル円、134円台半ばを回復。先週の米CPI後の下げ幅を概ね取り戻す展開(8/17朝)

ドル円、134円台半ばを回復。先週の米CPI後の下げ幅を概ね取り戻す展開

〇ドル円、短期筋の押し目買い、株価堅調、良好な米指標に米国時間に一時134.68まで急伸
〇ユーロドル、独ZEW景況指数の不冴え等に1.0122まで下落するも1.01台後半に持ち直す
〇ドル円CPI発表後の下落をほぼ全戻し、転換線を上抜けてテクニカルの地合い改善
〇ファンダメンタルズもドル円の続伸連想させる材料多い
〇本日米7月小売り売上高、米FOMC議事要旨に注目、ドル円のアップサイドリスクに要警戒
〇本日の予想レンジ:133.50ー135.25

海外時間のレビュー

16日(火)のドル円相場は下落後に急上昇。@原油先物価格の軟調推移や、A米金利低下に伴うドル売り圧力、B日経平均株価の冴えない動きが重石となり、アジア時間朝方にかけて、安値132.96まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、C短期筋による押し目買い圧力(先週の急落で市場の円ショート・ポジションが大幅に減少→新規ドル円ロングを構築しやすい相場環境)や、

D株式市場の持ち直し(リスク回避ムード後退→リスク選好の円売り再開)、E米金利上昇に伴うドル買い圧力、Fみずほ銀行のマイナス金利適用発表(みずほ銀行が日銀に預けている当座預金の一部にマイナス金利適用)、G直近高値(8/12高値)突破に伴う仕掛け的なドル買い・円売り、H米7月建設許可件数(結果167.4万件、予想165.5万件)の市場予想を上回る結果、I米7月鉱工業生産(結果0.6%、予想0.2%)の市場予想を上回る結果、J米7月設備稼働率(結果80.3%、予想80.2%)の市場予想を上回る結果が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値134.68まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間8/17午前3時50分現在)では、134.30前後で推移しております。

16日(火)のユーロドル相場は下落後に持ち直す展開。@WTI原油先物価格の軟調推移(約6ヵ月半ぶり安値圏→インフレ後退期待)や、Aドイツ10年債利回り低下に伴うユーロ売り圧力、Bドイツ8月ZEW景況感指数(結果▲55.3、前回▲53.8)の冴えない結果、C米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、欧州勢参入後に、安値1.0122(8/3以来の安値圏)まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、D株式市場の堅調推移(リスク選好のドル売り・円売り→対ドル・対円でのユーロ買い)や、Eドイツ10年債利回り上昇に伴うユーロ買い圧力が支援材料となり、米国時間にかけて、高値1.0195まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間8/17午前3時50分現在)では、1.0165前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は、8/11に記録した安値131.73をボトムに反発に転じると、昨日は一時134.68まで急伸しました。米CPI後の下げ幅(インフレピークアウト期待→米金利低下→米ドル売り)を概ね全値戻しできている他、ローソク足が一目均衡表転換線を上抜けするなど、テクニカル的に見て、地合いの好転を印象付けるチャート形状となりつつあります。目先は134.90付近に位置する一目均衡表基準線や、135.17付近に位置する一目均衡表雲上限を試す動きが想定されます。ファンダメンタルズ的に見ても、@米FRBによるタカ派傾斜観測(次回9月FOMCでの75bp利上げ観測が根強く残存→CMEが提供するFedWatchで75bp利上げ確率は依然として40.5%程度織り込まれている状況。本日発表されるFOMC議事要旨の内容次第で75bp利上げ確率が再び上昇する恐れあり)や、A日銀による金融緩和の継続方針(みずほ銀行が日銀に預けている当座預金の一部にマイナス金利が適用されたことも材料視)、B上記@Aを背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米名目金利差拡大に伴うドル買い・円売り)、C株式市場の堅調推移(リスク選好の円売り圧力→クロス円上昇→ドル円連れ高)、

D米政府・米当局によるインフレ抑制を目的としたドル高容認、E円ショート・ポジション解消に伴うドル円ロング再構築の動き(ポジションが軽くなったことでドル円が上昇し易い)など、ドル円相場の続伸を連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米7月小売売上高や、米FOMC議事要旨に注目が集まります。米7月小売売上高(個人消費は米GDPの7割を占めるため、小売売上高が強ければリセッション懸念後退を通じてリスクオンに繋がる公算大)が市場予想を上回る場合や、米FOMC議事要旨にてタカ派的な発言(9月利上げ幅に関する手掛かり)が見られる場合には、米株上昇に伴うリスク選好の円売りと、米金利上昇に伴うドル買いが組み合わさることから、ドル円相場が一気に135円台を回復するシナリオも想定されます。本日海外時間はドル円相場のアップサイドリスクに警戒が必要でしょう。

本日の予想レンジ:133.50ー135.25

注:ポイント要約は編集部

ドル円、134円台半ばを回復。先週の米CPI後の下げ幅を概ね取り戻す展開

ドル円日足

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