NZ政策金利の予想
明日17日(水曜日)午前11時にNZ中銀から政策金利が公表されます。
(市場の予想)
NZ準備銀行(中銀)政策金利(オフィシャル・キャッシュレート:OCR)
現行2.50%⇒3.00%に0.5%の利上げ予想(レンジ:なし)
(8月16日9時現在の予想値)
前回7月の会合でも市場の予想通り50BPの利上げを実施し、上げ幅は4月以降に続く3連続となる50BPの利上げでした。今回の市場予想も4連続となる50BP利上げとなっており、予想レンジはなく全員50ベーシス上げです。
今回の利上げ予想に関するポイントとして
@ 前回の記者会見発表要旨内で「消費者物価目標を1〜3%内に引き戻すことを確実にする」まで利上げ継続姿勢となっています。
A 7月18日に発表された第2四半期CPIが年率で7.3%(予想7.1%)と非常に高く、中銀の5月時点の年末予想6.9%を上回っていること。(2023年末中銀予想は4.4%)
B 利上げにより住宅関連指数に減速がみられ、また6月15日公表の1Q・GDPが前期比▼0.2%(予想0.6%、前年比は1.2%:予想2.4%)になり、中銀予想よりも早く減速傾向を示しており、実体経済への影響についての議論がどの様に行われるか注視する必要があるとしています。中銀予想は2022年でGDP年率5.4%になっています。
C 今月は3ヶ月毎の中銀予想見直しが発表予定となっていますので、インフレ・GDPなどの改定があるか注目します。
将来の金利予想は下表(1)です。予想の利上げは前回とほとんど変わらず、年内で利上げ終了し、来年4Qには利下げもあり得るとの予想になっています。但し、中銀の利上げ予想は来年まで続き3.9%までを想定しています。
(1)エコノミストの2023年4Qまでの利上げ予想及び中銀の金利見通し
(2022年5月時)
(2)米・NZ政策金利推移
(2016年1月以降)
今回予想通りの利上げなら、まだ政策金利面ではNZ>米国になっています。
(3)前回7月13日の金融政策時の記者発表要旨一部
(記者発表要旨の一部)
(要旨の一部和訳)
本日、金融政策委員会はオフィシャルキャッシュレート(OCR)を2.50%に引き上げた。委員会は、物価安定を維持し、最大限の持続可能な雇用を支えるために、金融情勢の引き締めペースを続けることが適切であると合意した。委員会は消費者物価指数を目標とする1〜3%内に引き戻すことを確実にするため、このコミットメントを断固として堅持する。
(一部略:世界経済部分)
NZでは、国内消費は依然として高水準の雇用、総体的に底堅い家計のバランスシート、継続的な財政支援、そして強い交易条件により支えられている。Covid-19関連の制限緩和もまた需要増を可能にしている。労働や資源不足が物価の上昇圧力となっており、現状では季節性疾患、Covid-19症例の再拡大、労働力が国外に流出したことで悪化している。
これらの環境下、消費や投資需要が供給能力よりも勝っており、幅広い範囲の指標がインフレ圧力の拡大を浮き彫りにしている。雇用は最大限の持続的水準を越える状況であり、中銀のコアインフレ尺度は4%前後となっている。委員会は直近で消費者物価指数が上振れリスクがあり、経済活動では中期的な下振れリスクが生じていることを認めている。
委員会は消費者物価インフレが目標レンジ内に落ち着くと確信する水準まで、OCRを引き上げ続けることで合意した。委員会は、生産、金利、あるいは為替などに不必要な不安定を引き起こすことなしに、直近の5月金融政策要旨で示した予想されるOCRの道のり(注)が主要なインフレや雇用目標を達成する上で整合的であるとの見方で落ち着いた。総需給がよりバランス取れる様になれば、その後OCRはより低い、より中立な水準に戻ることが出来る。
(以上)
NZ中銀金融政策議事要旨は一部を和訳したものであり、詳細は金融政策要旨本文をお読みください。
(出所:NZ中銀HP)
NZドル米ドル相場は、昨日のシカゴポジション347内で書いたNZドル高トレンドライン0.6260〜0.6480レンジ内の0.6410サポートを下抜けた場合には0.6350〜60、0.6310、0.6290、0.6260の順にあるサポート狙いになるとしましたが、今朝の安値は最初のサポート0.6350で止まっています。目先はNZドル弱含みですので、もしサポートを切れると順次下値模索になります。但し、中銀の金融政策を明日控えているので、大きな下押しもし難い感じです。また政策金利発表時に経済の減速などに懸念がある議論がでるとNZドルには影響がでそうです。
次回は10月5日(水)に予定されています。
(8月16日14:20、1NZ=0.6353米ドル)
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