ドルは基本強保ち合い、米指標などに注意
〇本日のドル円、ドルの強保ち合い、138.70-139.15といった高値圏で一進一退の値動き
〇140円到達は時間の問題か、早ければ本日中もしくは来週初めにもトライする可能性も
〇依然として米の大幅利上げ期待根強く、日米金利差に注目したドル買い・円売りの動き続く見込み
〇昨日だけで2円強、今週も3円以上もドル高進行したため、短期的な調整の動きにも一応注意
〇本日、7月NY連銀製造業景況指数や6月小売売上高発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは138.00-139.40
<< 東京市場の動き >>
15日の東京市場はドルの強保ち合い。139円挟み、ドルは高値圏で一進一退の値動きをたどっている。
ドル/円は138.90円レベルで寄り付いたものの、上下ともに動きにくくレンジ取引。138.70-139.15円といった50ポイント弱のボックス圏で一進一退をたどっている。途中、GDPなど中国経済指標がまとめて発表されるも、内容的にはまちまちで材料視しにくい。結果、大きな影響はないまま、16時現在、ドル/円は138.70-75円で推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「欧州政治情勢」と「米金融政策」について。
前者は、昨年12月に16年もの長期政権を築いたドイツのメルケル首相が退任したのを皮切りに、今年に入ってからも欧州諸国での政権交代などゴタゴタが相次いでいる。先日も、英国で不祥事続きのジョンソン首相が辞任する旨を発表したが、昨日はイタリアのドラギ首相が辞任を表明していた。ただドラギ氏については、マッタレッラ大統領が申し出を拒否したとされ、議会任期満了の2023年6月までドラギ氏が首相職にとどまる可能性も否定できなくなった。いずれにしても、この問題はまだしばらく尾を引きそうだ。
対して後者は、昨日ウォラーFRB理事が「7月FOMCで1.0%の利上げ実施はやや先走っている可能性がある」と市場の火消しに動くも、「0.75%の利上げが自身の基本シナリオ」と述べるなど、大幅利上げそのものは否定しなかった。また、セントルイス連銀総裁からも「7月0.75%の利上げ支持」発言が聞かれている。もっとも、今後発表される米経済指標などによっては思惑が交錯しそうで、引き続き予断を許さない。
<< 欧米市場の見通し >>
一昨日に再燃したドル高は昨日さらに加速。気が付いたら139.39円と140円の代替わりまであと61銭となっていた。到達は時間の問題で、早ければ本日中、もしくは東京が休場となる来週初めにもトライする可能性もありそうだ。前述した140円はあくまでも心理的なメドで、チャート的には特別大きな意味はない。そうした意味での上値メドは1998年高値の147.64円となる。
先日発表された6月の米CPIがかなり強い数字だったとはいえ、「7月FOMCでの1.0%利上げ」が徐々にコンセンサスになりつつあるなど、米の大幅利上げ期待は依然として根強い。この先も拡大傾向にあることは間違いない日米金利差に注目したドル買い・円売りの動きは基本的に続く見込みだ。ただ、昨日だけで2円強、今週も3円以上もドル高が進行しているだけに、短期的には調整の動きにも一応注意しておきたい。
テクニカルに見た場合、先週のドル/円は週間を通して久しぶりの2円以下にとどまるなど、ドルの先高観一服がうかがえたものの、今週はすでに2円を超える変動を記録している。まだドル高の流れはまったく変わっていないようだ。たとえ、調整で一時的な下押しがあったにせよ、再びドル高に転じ140円を超えていくとの見方は多い。なお、米国が反対の姿勢を示しているだけに、実施するとなれば単独になるが「当局の実弾介入スタンスをみたい」といった声も聞かれている。
一方、本日は米経済指標として、7月のNY連銀製造業景況指数や6月の小売売上高などが予定されている。またシティグループをはじめとする大手米金融の決算発表、G20財務相・中銀総裁会議も実施される予定だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは138.00-139.40円。ドル高・円安方向はまず東京高値の139.15円レベルの攻防に注目。抜ければ昨日高値の139.39円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、138円半ばが弱いサポート。割り込めば138円前後、そして137.80円レベルなどが視界内に捉えられそうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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