東京高値超えると130円台乗せも否定できず
〇本日のドル円、夕刻129.40レベル到達、16時現在129.35-40で推移
〇日銀副総裁、追加緩和に消極的発言、日米金利差拡大基調に変化見られず
〇ドル下値リスク軽減、130円台回復の可能性も
〇本日は米5月製造業PMI確報、同ISM製造業景況指数、連銀関係者発言を注視
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは128.80-130.10、129.45の攻防にまずは注目
〇ドル安・円高方向は128.70-75が強いサポート
<< 東京市場の動き >>
1日の東京市場はドルが小高い。値幅は70ポイント弱と決して大きくはなかったが、「寄り付き安・大引け高」の様相だった。
ドル/円は128.70-75円で寄り付いたのち、しばらくは冴えない。しかし、上昇をたどると129円台を回復し、夕方には129.40円近くまで値を上げている。途中、若田部日銀副総裁から「現時点で追加緩和の蓋然性はそれほど高くない」との発言が聞かれるなか、米金利が大きく上昇したことが好感されていたという。16時現在では、そのままドルの高値圏129.35-40円で推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「欧州金融政策」について。
前者は、スペイン中銀の推計で、ロシアからのエネルギー輸入が停止した場合、EU域内経済に最大4.2%ものマイナスの影響を及ぼすことが明らかにされていた。ただ、それでもフランス大統領が、今後数週間以内にさらなる追加制裁が発動されるかどうか、いかなる可能性も排除できないという認識を示すなど、強硬スタンスは継続する見通しだ。そうしたなか、米紙WSJが「一部OPECメンバー、石油生産協定からロシアを一時除外する案を検討」と報じ、原油市場を中心に思惑を呼んでいたという。
対して後者は、来週9日にECB理事会を控えるなか、市場筋のあいだではECBの利上げ期待が高まっている。昨日もフランス中銀総裁が「漸進的だが断固とした金融政策正常化は必要」と述べ、今月ではなく次回7月の利上げを後押しする発言。また、スロバキア中銀総裁はECBの利上げ幅について、「7月に0.25%、9月に0.50%になる可能性がある」と述べ、ユーロ買いを後押ししていたという。反面で、イタリア中銀のビスコ総裁は「ECBはこの夏に開始する可能性がある利上げを緩やかに進めるべき」と、前のめりの市場に警戒を発したが影響は限られた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は、5月24日の126.36円を目先のボトムにして、本日東京では129円台まで値を上げている。一足飛びに130円台回復、年初来高値131.35円トライといった展開をたどるか否かは別にして、リスクが再びドル高方向へ強まりつつあることは間違いない。ちなみに、年初来高値131.35円を起点とした下げ幅のフィボナッチでは半値戻しにあたる128.85円レベルを超えており、東京夕方時点の高値は同61.8%戻し(129.45円)に近い。その攻防にまず注目だ。
前述したように、本日東京時間に若田部日銀副総裁から「現時点で追加緩和の蓋然性はそれほど高くない」との発言が聞かれている。さらなる緩和には消去的だが、引き上げは依然予想しにくい状況で日米金利差の拡大基調に変化は見られない。そうしたなか、これまでドル高の足を引っ張ってきた米ファンダメンタルズ悪化懸念と、NYダウを中心とした米株の下落傾向はここのところ少し緩和されている。いまだ予断を許さないものの、これまでのように一段のドル下押し材料として寄与する可能性は低い。
テクニカルに見た場合、ドル/円は5月24日の126.36円を目先のボトムに、1週間強で3円を超えるドルの反発となかなか大きな戻りを記録している。少なくともドルの下値リスクはかなり軽減されたことは間違いない。むしろ、本日東京で上げ止まったフィボナッチポイントも近い129.40円レベルを超えれば、同じフィボナッチでは76.4%戻しが130.15-20円であり、130円台の大台回復の可能性もありそうだ。
一方、本日は米経済指標として、5月の製造業PMI確報や同ISM製造業景況指数が発表されるほか、米地区連銀経済報告の公表も予定されている。また、カナダ中銀による政策金利の発表が行われるが、市場では「0.5%の利上げ」を見込む向きが多い。そのほか、米地区連銀総裁を中心とした講演などの発言機会にも要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは128.80-130.10円。ドル高・円安方向は本日東京夕方高値も近い129.45円の攻防にまずは注目。上抜けると130円台乗せも。
対するドル安・円高方向は、昨日NYクローズベースで押し戻された移動平均の21日線(128.70-75円)が今度は強いサポートに。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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