米株などの動き如何ではドル続伸も
〇本日のドル円、一時128.35レベルへ上昇するもドル高傾向続かず、寄り付きに近い127.70レベルへ下落
〇引き続き大局的にはレンジ取引だが、目先のレンジ126.50-127.50の上限超える
〇米株価の動きや米経済指標の結果によっては、再びドル売りが先行する可能性も
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは127.00-128.30、ドル高・円安方向は128.40レベルが目先抵抗
〇ドル安・円高方向は、127.40-50がサポート
<< 東京市場の動き >>
31日の東京市場は「行って来い」。一時ドル高に振れるも続かず、じりじりと寄り付きレベルまで値を崩している。
ドル/円は127.55-60円で寄り付いたのち、クロスを含めた円全面安の流れのなか上値を試す展開に。128円台を回復し、日中高値である128.35円レベルまで一時値を上げた。米金利の上昇なども取り沙汰されていたようだ。しかしドル高傾向は続かず、高値を示現後は緩やかな右肩下がり。128円を割り込むと寄り付きに近い127.70円レベルへ。16時現在では再びドルが小戻した127.95-00円で推移、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「中国情勢」について。
前者は、トルコ大統領がプーチン大統領と電話会談を行い、「イスタンブールでのロシア・ウクライナ会談開催」を呼びかけるなか、ウクライナ国防省からは、ロシアが制圧をめざしている東部ドンバス地方での戦闘は「最大限の激しさに達している」との指摘が聞かれていた。停戦の実現にはまだまだ遠いそうだ。そうしたなか、開催されたEU首脳会談において「ロシア産石油の禁輸で合意」。フォンデアライエン欧州委員長が指摘したように「年末までに約90%の輸入をやめることになる」という。
対して後者は、王外相がフィジーなど太平洋諸島を訪問し積極的な個別会談を展開するなか、太平洋島しょ国10ヵ国の外相会談が実施された。しかし、中国が提案した「貿易と安全保障に関する声明」は、ミクロネシアなど一部が反対し合意に至らなかったという。やや性急に過ぎたのかもしれない。一方、それとは別に米上院議員が訪台し、31日には蔡総統と会談することが明らかに。対して、中国サイドはまたもや台湾の防衛識別圏に中国軍機30機を侵入させるという暴挙に動いていた。
<< 欧米市場の見通し >>
足もとのドル/円は、引き続き大局的にはレンジ取引。しかし、昨日NY休場という間隙を突き、1週間弱とごく目先的に形成していたレンジ126.50-127.50円の上限を超えてきた。本日東京では一時128円台も。それを受け、わずかではあるものの、再びドル高方向へのリスクをうかがえるようになったようだ。ちなみに、年初来高値131.35円を起点とした下げ幅のフィボナッチでは38.2%戻しの一時128.25-30円を超えており、次のターゲットは半値戻しの128.85円レベルか。
日米金利差の拡大観測を念頭に置きつつも、短期的には米ファンダメンタルズやNYダウを中心とした米株の動きに注目だ。そうしたなか、前者については5月の消費者信頼感指数など重要な米経済指標が幾つか発表される予定で、まずはそれらに要注意。また一連の米経済指標を受けた本日東京の時間外取引、先物ではやや弱含みとなったNYダウやナスダックの現物市場での動静は果たして如何に。場合によっては、再びドル売りが先行する可能性もある。
テクニカルに見た場合、ドル/円は大きな意味ではまだレンジ内にとどまっており、明確な方向性は乏しい。しかし24日の126.36円で目先安値を示現したのち、足もとは128円台を付けるなど若干ながらドル高方向への芽も感じられている。基本的には従来の126.50-127.50円といったレンジが上方向に拡大されただけ、つまり126.50-128.40円といったなかでの往来相場をするが、一段のドル戻りにも一応注意を払っておきたい。
一方、本日は米経済指標として、5月のシカゴ購買部協会景気指数や同消費者信頼感指数が発表されるほか、バイデン米大統領がFRBのパウエル議長と面会するとされることにも注目だ。なお、後者に関しては「イエレン財務長官も参加する」との話が新たに付け加えられ、金融市場での関心はさらに強まっているようだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは127.00-128.30円。ドル高・円安方向は本日東京高値に含めた128.40円レベルが目先抵抗に。上抜けると128.85円レベルがターゲット。
対するドル安・円高方向は、127.40-50円が時間足など短期ベースでのサポート。割り込めば127円割れも否定できないが、126.36円はやや遠くなったイメージだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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