調整続くか、急激な米金利上昇への警戒感も(4/25夕)

週明け25日の東京市場はドルが小安い。米金利や株価の動きをにらみつつ一喜一憂、128円台の動きだったが、ややリスク回避志向が優勢だった。

調整続くか、急激な米金利上昇への警戒感も(4/25夕)

調整続くか、急激な米金利上昇への警戒感も

〇ドル円、128.85レベルで上げ止まり緩やかに下降、夕刻128.00-05で推移
〇20日年初来高値129.41示現後レンジ取引、下方向の攻防に注意
〇本日は米3月シカゴ連銀全米活動指数、4月ダラス連銀製造業活動指数など発表予定
〇イベント少なく動きにくい雰囲気か、米株や金利動向を注視
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは127.50-128.80、128.80-90が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は127.75レベルの攻防に注目、割り込めば127.46が再び視界内に

<< 東京市場の動き >>

週明け25日の東京市場はドルが小安い。米金利や株価の動きをにらみつつ一喜一憂、128円台の動きだったが、ややリスク回避志向が優勢だった。

先週末は、実施されたフランス大統領選の決選投票で現職のマクロン氏が再選される見通しとなり、そののち勝利宣言も。それとは別に、先週末にTBSが報じ思惑を呼んだ「日米財務相会談で協調介入議論」との話を、ロイターが「財務省幹部、TBS報道を否定」と指摘し物議を醸していたようだ。
そうした状況下、ドル/円は128円半ばで寄り付いたもの、当初ドルはじり高。前述したロイターの報道が材料視され、改めて円売り安心感も。しかし流れは続かず、128.85円レベルで上げ止まると、ドルは緩やかに下降。大局的にはレンジ内だが、夕方には128.00-05円まで値を崩し、16時現在では、そのままドルは安値圏で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、朝鮮人民革命軍の創建90年の記念日となる本日、北朝鮮の金日成広場周辺で大規模な軍事パレードが行われるといった見方もあったが、ここまで目立った動きは観測されていない。

一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「円安けん制発言」について。
前者は、ロシア軍がウクライナ南東部マリウポリをほぼ陥落させたと伝えられているなか、米国のブリンケン国務長官とオースティン国防長官がキーウ入りし、ゼレンスキー大統領との会談を行っている。またIAEA事務局長が、別途26日にチョルノービリ(チェルノブイリ)原発の訪問を明らかにしたほか、同じ日に国連総長はモスクワを訪問しプーチン大統領、ラブロフ外相と会談する旨を明らかにしていた。

対して後者は、先週末にTBSが報じた「日米財務相会談で協調介入議論」との話を、ロイターが否定。財務省幹部の話として「TBSの報道は事実に反しており、当局として取材に応じた事実もない」と指摘していた。また、別に日経新聞はIMF高官が、「為替市場はファンダメンタルズを反映した形で動いている」としたうえで「介入は現時点で必要ない」と述べたと報道。さらに時事通信は、別のIMF高官がインタビューに応じ、「日米の金利差が今後想定外に拡大した場合、さらなる円安圧力がかかる可能性がある」との見方を示したと報じている。長い目で見た場合には、さらなる円安進行もやむなしか。

<< 欧米市場の見通し >>

20日に年初来高値129.41円を示現したのち、ドル/円はレンジ取引。127.46-129.41円というおよそ2円幅のレンジ取引をたどっている。そんな一進一退がいましばらく続く可能性も否定できないが、本日東京夕方に128.00-05円まで値を下げるなど、レンジ下限を意識した値動きであることが若干気掛かり。果たして割り込むことになるのか、それとも下げ止まりレンジを維持するのか、下値の攻防にまずは注目だ。
来週3-4日開催される米FOMCにおける「0.5%の利上げ」は、ほぼコンセンサス。改めて指摘するまでもないが、単純な日米金利差からするとドル高・円安傾向に変化はなさそうだ。ただ、先週末あたりから急速な米利上げに関して警戒感が出てきており、実際その一部は先週末にNYダウがザラ場ベースで一時1000ドルを超える下落をたどったことにも表れている。米株安がさらに進行するようだと、為替市場もいま一段の調整の動きが進むことも否定できない。

テクニカルに見た場合、ここ最近のドル/円は128円台を中心としたドルの強保ち合い。価格ではなく時間調整の様相だ。ただ、先週安値127.46円はフィボナッチを参考にしたテクニカルポイントで、仮に割り込むようだと、次の同ポイントは126.30円レベルとなる。予想以上の深押しが入る危険性もある環境下だけに、下方向の攻防には注意を払いたい。

材料的に見た場合、中長期的にはイエレン米財務長官が「対中関税引き下げ検討も」などと発言し話題となっている「中国情勢」。油断は禁物だが「Xデー」にもかかわらず、ここまで特段目立った動きは観測されていない「北朝鮮情勢」、「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」などに注目。

一方、本日は米経済指標として、3月のシカゴ連銀全米活動指数や4月のダラス連銀製造業活動指数などが発表される見込みだ。ただ、イベントや要人同士の会談などの決定的事項はやや少なく、若干動きにくそうな雰囲気も。それよりむしろ、米株や金利の動きなどに要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは127.50-128.80円。ドル高・円安方向は、本日東京高値を含めた128.80-90円が最初の抵抗。上抜けると、先週末高値129.11円を目指す。
対するドル安・円高方向は、時間足など短期ベースのサポートである127.75円レベルの攻防に注目で、割り込めば127.46円が再び視界内に。

調整続くか、急激な米金利上昇への警戒感も

ドル円日足


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