ドル円、チャイナショック再来懸念で一時127円ミドルへ下落(4/26朝)

週明け25日(月)のドル円相場は上値の重い展開。

ドル円、チャイナショック再来懸念で一時127円ミドルへ下落(4/26朝)

ドル円、チャイナショック再来懸念で一時127円ミドルへ下落

〇週明けのドル円、日米財務相会談での協調加入協議否定等にアジア時間朝方128.85まで上昇
〇その後は中国でのコロナ感染拡大からの経済失速懸念、資源価格急落、株安等で127.53に急落
〇売り一巡後は米主要株価指数の持ち直しに128円台を回復
〇ユーロドル、マクロン再選に早朝1.0841まで上昇するも、リスクオフ再燃に一時1.0697まで急落
〇ドル円、ポジション調整主体で127円台半ばに下げるも、テクニカルの地合いは引き続き強い
〇ファンダメンタルズも日米金融政策の方向性の違い、日米協調介入の思惑後退等上昇材料揃う
〇ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:127.25ー128.75

海外時間のレビュー

週明け25日(月)のドル円相場は上値の重い展開。@日米財務相会談で為替の協調介入について協議したとする一部報道について本邦財務省幹部が「事実ではない」と否定したこと(協調介入への期待感後退→ドル買い・円売り)や、A5・10日要因に伴うドル不足(公表相場決定にかけてのドル買い・円売り)が支援材料となり、アジア時間朝方にかけて、高値128.85まで上昇しました。しかし、4/20に記録した約20年ぶり高値129.40をバックに伸び悩むと、B相次ぐロックダウンを背景とした中国経済の失速懸念や、C資源価格の急反落(チャイナショック再来への警戒感→原油価格や鉄鉱石価格急落)、D米FRBによるタカ派傾斜観測(来過剰流動性相場逆流に繋がる恐れ)、

E上記BCDを背景としたリスクオフ再燃(株安→リスク回避の円買い)、F米金利低下に伴うドル売り圧力が重石となり、米国勢参入後に、安値127.53まで急落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、G米主要株価指数がプラス圏へ浮上したことや、H上記Gを背景としたリスク回避ムードの後退(リスク回避の円買い後退)が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間4/26午前5時30分現在)では、128.10前後まで持ち直す動きとなっております。

週明け25日(月)のユーロドル相場は上値の重い展開。@フランス大統領選挙で現職のマクロン大統領が右翼「国民連合」のルペン氏を破って再選を果たしたこと(政局不透明感の後退)を好感する形で、週明け早々に、高値1.0841まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、Aロシア・ウクライナを巡る地政学的リスクの高まりや、B上値の重さを嫌気した短期筋の見切り売り、Cリスクオフ再燃に伴うドル買い圧力(資産現金化需要のドル買い)が重石となり、米国勢参入後に、2020年3月以来、約2年1ヵ月ぶり安値となる1.0697まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4/26午前5時30分現在)では、1.0713前後で推移しております。尚、昨日発表されたドイツ4月IFO業況指数(結果91.8、予想89.0、前回90.8)は予想外に良好な結果を示しましたが、市場の反応は限定的となりました。

本日の見通し

ドル円はアジア時間朝方に高値128.85まで上値を伸ばすも、ポジション調整主導で127.53まで反落しました。但し、ローソク足が引き続き主要テクニカルポイントの上側で推移していること、日足・週足・月足の全てで強い買いシグナルが成立していることなどを踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます(昨日の下落は上昇トレンドの過程で見られる一時的な押し目。一巡後に再び上昇トレンドに戻すと共に、早期に心理的節目130円を試す展開に繋がると整理)。ファンダメンタルズ的に見ても、@米FRBによるタカ派傾斜観測(5月・6月・7月FOMCでの連続50bp利上げ観測やバランスシート縮小の早期発表の思惑)や、A日銀による金融緩和の長期化方針(指値オペ継続で長期金利抑制方針)、B上記@Aを背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米名目金利差拡大に伴うドル買い・円売り)、C日米協調介入の思惑後退(米国はインフレ抑制に繋がるドル高を容認する構え→足元の急激な円安を黙認)、

D貿易赤字拡大に伴う構造的な円売り圧力など、ドル円相場のアップサイドリスクを連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米主要経済指標(米3月耐久財受注、米4月コンファレンス・ボード消費者信頼感指数、米4月リッチモンド連銀製造業指数、米3月新築住宅販売件数など)の結果に注目が集まります。これらの経済指標が市場予想を上回る場合には、米金利上昇→米ドル高の経路でドル円には上昇圧力が加わるものと推察されます(米国は既にブラックアウト期間に突入しているため、今週は米当局者発言の予定なし→普段よりも米経済指標への注目度が高まる展開を想定)。但し、中国経済に関するヘッドラインには注意が必要でしょう。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、チャイナショック再来が警戒されているため、クロス円下落を通じたドル円連れ安の流れには念のため警戒が必要と考えられます。

本日の予想レンジ:127.25ー128.75

注:ポイント要約は編集部

ドル円、チャイナショック再来懸念で一時127円ミドルへ下落

ドル円日足

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