ドル円見通し クロス円の大幅下落でドル円も売られ4月20日以降の調整局面続く(22/4/26)

ドル円も4月20日深夜安値割れを回避して26日早朝には128円台をつけたが、その後に再び売られて20日深夜安値を割り込んでいる。

ドル円見通し クロス円の大幅下落でドル円も売られ4月20日以降の調整局面続く(22/4/26)

ドル円見通し クロス円の大幅下落でドル円も売られ4月20日以降の調整局面続く

〇ドル円、4/25は中国株安・NYダウ大幅続落で開始など金融市場心理が後ろ向き、深夜127.51まで下落
〇その後NYダウ持ち直し市場心理も落ち着き、4/26早朝128円台をつけたが売られ4/20深夜安値割り込む
〇米長期債利回りは総じて低下するも、高値圏を維持した状況
〇ドル指数は高値更新、ユーロドルは昨年1月以降の最安値更新、ウクライナ戦争の悪影響意識される
〇中国株は4/25に大幅下落、上海のロックダウン・北京の規制開始も景気減速懸念強める
〇128.50以下での推移中はまだ一段安余地ありとして、126円台後半を試すとみる
〇128円台回復からは上昇再開の可能性ありとみて、4/22深夜高値129.10試しとみる

【概況】

ドル円は4月20日午前高値で129.40円を付けたところを高値警戒感から売られて4月20日深夜安値127.44円まで1.96円の円高ドル安となったが、その後は調整一巡でジリ高の推移に入り先週末の22日夜には129.10円を付ける等持ち直しの動きが見られていた。
しかし週明けの4月25日は中国の感染拡大と景気対策への不足感から上海総合株価指数が5%安を超える下落となりアジア株安、欧州株安と続き、22日に一時千ドル安を超える下落規模となっていたNYダウも大幅続落で開始したために株売り・債券買いで米長期債利回りが低下、金融市場全般の心理が後ろ向きとなりユーロやポンド、豪ドル等が急落してクロス円も全面安の様相となったためにクロス円での手仕舞いによる円の買い戻しも重なってドル円は深夜に127.51円まで下落した。
NYダウが大幅下落開始から値頃買いに持ち直してプラス圏へ進んだことで市場心理も落ち着きユーロやポンド等が下げ一服となり、ドル円も4月20日深夜安値割れを回避して26日早朝には128円台をつけたが、その後に再び売られて20日深夜安値を割り込んでいる。

【米長期債利回り上昇一服】

4月25日の米長期債利回りは総じて低下した。指標の10年債利回りは前日比0.09%低下の2.82%で終了。4月22日に2.98%を付けて昨年来の最高値を更新して2018年12月以来の高値水準としたが、上昇一服と株安からの逃避買いで上昇一服となり25日は一時2.76%まで低下したが、終盤のNYダウ反騰により再び債券売りとなってやや戻した。30年債利回りは前日比0.06%低下の2.89%、一時は2.85%をつけて4月20日の3.03%以降の安値更新だったがその後はやや戻している。
2年債利回りは前日比0.04%低下の2.63%で、一時は2.52%まで下げて22日の2.79%後の安値を切り下げていたところからは持ち直した。
4月22日のNYダウ大幅下落と25日の中国株安により債券買い・利回り低下となったもののダウの反騰で再び利回り上昇の気配であり、総じて高値圏を維持した状況にあり、中長期的な日米金利差拡大基調による円安圧力は続いている。

【ドル指数が高値更新、ユーロは昨年1月以降の最安値更新】

メジャー通貨の加重平均であるドル指数は4月25日に101.86を付けて2021年1月底89.21以降の最高値を更新、2020年3月20日天井の102.99に迫ってきた。一方でユーロドルは25日に1.0695ドルを付けて2021年1月天井1.2349ドル以降の最安値を更新、2020年3月23日安値1.0636ドルに迫っており、底割れの場合は2017年1月3日安値1.0341ドルまで下値支持線が切り下がる。またポンドドルも1.2694ドルまで下落して2021年6月天井1.4248ドル以降の最安値を更新している。
新興国・コモディティ通貨も総じて軟調で、豪ドル米ドルは4月5日にかけては資源相場高に押し上げられて0.7661ドルへ上昇していたもののその後は大幅下落に転じており、NZドル米ドルも同様、南アランドも対ドルで下落が目立ってきている。

ウクライナ戦争・ロシア制裁による景気への悪影響は依存度の低い米国を除いて深刻さが意識されており、特にNATO加盟国は有事リスク拡大懸念やロシア制裁の返り血による影響も大きくユーロの下げも厳しくなっている。中国の感染拡大により上海のロックダウンが長期化していることに加えて北京も感染拡大で規制が始まったことも影響している。
4月20日までは円の独歩安の様相からドル円も連騰型で大上昇してきたが、ドル円が上昇一服となる中でユーロやポンド等の下落も厳しくなってクロス円が下げると本邦投資家の手仕舞いによる円の買い戻しでドル高円安にも多少のブレーキとなる側面もあるところだ。

【中国の景気減速が気になるところ】

4月25日の上海総合株価指数は前日比5.1%安、深セン指数は6.1%安と大幅下落して1年10か月振りの安値となった。上海のロックダウンはすでに1か月近くとなり、北京の感染増による規制開始も景気減速懸念を強めている。人民元も対ドルで1%安の1ドル6.554元へ下落して凡そ1年ぶりの安値となり、為替市場全般のドル高感を助長した。
中国株安からアジア株安、欧州株安と続いてNYダウも22日の前日比981.36ドル安からの大幅続落で始まったが、売り一巡後の値頃買いから下げ幅を削って前日比238.06ドル高と戻した。ナスダック総合指数はイーロン・マスク氏によるツイッター買収合意報道から買われて前日比165.56ポイント高と上昇、4日ぶりに反発した。
米国株式市場は米連銀による金融引き締めや中国の景気減速懸念、ロシア制裁長期化の懸念等に圧迫されつつも持ち直しに入れば金融市場全般も落ち着きを取り戻すが、中国株安が一段と進み米国株も再び失速するようだと金融市場全般がリスク回避的な手仕舞いとポジション圧縮へ動きかねない点にも注意がいるところだ。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルにおいては、4月20日の急落による20日深夜安値からの持ち直しにより22日朝時点では20日深夜安値で直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして25日午前から27日午前にかけての間への上昇を想定した。
4月22日深夜に129円台を付けてから22日午後安値を割り込む反落となったため、現状は22日深夜高値を直近のサイクルトップとして弱気サイクル入りしていると思われる。安値形成期は25日夜から27日深夜にかけての間と想定されるのですでに反騰注意期にあるため、22日深夜高値を上抜き返せないうちはもう一段安余地ありとするが、128.50円超えを強気転換注意とし、22日深夜高値超えからは強気サイクル入りとして27日夜から29日深夜にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では4月25日深夜への下落で遅行スパンが悪化、先行スパンからも転落しているので遅行スパン悪化中は安値試し優先とする。強気転換は先行スパンを上抜き返すところからとし、その際は遅行スパン好転中の高値試し優先へ切り替える。

60分足の相対力指数は25日夜に30ポイント台へ低下してからやや戻したものの50ポイント前後が抵抗となっているのでまだ一段安余地ありとするが、55ポイント超えからは上昇再開とみて70ポイントを目指す上昇を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、127.00を下値支持線、128.50円を上値抵抗線とする。
(2)128.50円以下での推移中はまだ一段安余地ありとして126円台後半(126.50円から127.00円)を試すとみるがそこは押し目買いされやすい水準と考える。
(3)128円台回復からは上昇再開の可能性ありとみて22日深夜高値129.10円試しとし、高値更新からは上昇も勢い付くとみて4月20日高値129.40円超えから130円を目指す流れと考える。

【当面の主な予定】

4/26(火)
21:15 (欧) ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
21:30 (米) 3月 耐久財受注 前月比 (2月 -2.2%、予想 1.0%)
21:30 (米) 3月 耐久財受注・輸送用機器除く 前月比 (2月 -0.6%、予想 0.5%)
22:00 (米) 2月 米連邦住宅金融局(FHFA)住宅価格指数 前月比 (1月 1.6%、予想 1.5%)
22:00 (米) 2月 ケース・シラー住宅価格指数 前年同月比 (1月 19.1%、予想 19.0%)
23:00 (米) 4月 コンファレンス・ボード消費者信頼感指数 (3月 107.2、予想 108.0)
23:00 (米) 4月 リッチモンド連銀製造業指数 (3月 13、予想 8)
23:00 (米) 3月 新築住宅販売件数・年率換算件数 (2月 77.2万件、予想 76.8万件)
23:00 (米) 3月 新築住宅販売件数 前月比 (2月 -2.0%、予想 -0.8%)
26:00 (米) 財務省2年債入札

4/27(水)
休場、南ア
日銀・金融政策決定会合(初日)
09:45 (日) 財務省全国財務局長会議
10:30 (豪) 1-3月期 消費者物価指数 前期比 (10-12月 1.3%、予想 1.7%)
10:30 (豪) 1-3月期 消費者物価指数 前年同期比 (10-12月 3.5%、予想 4.6%)
15:00 (独) 5月 GFK消費者信頼感 (4月 -15.5、予想 -16.0)
21:30 (米) 3月 卸売在庫 前月比 (2月 2.1%、予想 1.8%)
23:00 (米) 3月 住宅販売保留指数 前月比 (2月 -4.1%、予想 -0.5%)
23:00 (米) 3月 住宅販売保留指数 前年同月比 (2月 -5.4%)
23:30 (米) エネルギー省週間石油在庫統計
26:00 (米) 財務省インフレ指数連動2年債、5年債入札



注:ポイント要約は編集部

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