休場多く薄商いのなか荒っぽい変動に要注意
〇本日のドル円、125.85レベルで寄りつき夕方126.60台まで値を上げ、年初来高値を更新
〇本日主要な欧米市場が休場となり薄商いのなか、荒っぽい価格変動からさらなる高値トライの可能性も
〇126.65レベルが目先の抵抗だが、上抜けると目立ったテクニカルポイントがない青天井状態
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは125.90-126.90、本日東京高値126.65レベルの攻防に注目
〇ドル安・円高方向は、本日東京安値125.85レベルが最初のサポート
<< 東京市場の動き >>
15日の東京市場はドルが堅調裡。値幅は決して広くなかったが、一時126.60円台、年初来高値を再び更新している。
ドル/円は、寄り付いた125.85円レベルを日中安値に緩やかな右肩上がり。年初来高値126.31円の手前ではさすがに上げ渋るも、上抜けると、夕方には126.60円台までジリジリと値を上げている。途中、鈴木財務相などから「口先介入」が聞かれるも効果はほとんどなし。16時現在、ドル/円は126.60円レベルとドル高値圏で推移し、欧米市場を迎えていた。
なお、本日は北朝鮮にとっての民族最大行事とされる故金日成主席の誕生記念日「太陽節」。それとあわせ、核実験が行われることへの警戒も根強かったが、取り敢えずここまでは目立った動きが観測されていない。
一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「円安けん制発言」について。
前者は、プーチン大統領の最側近が「スウェーデンやフィンランドがNATO加盟なら防衛力を強化する」と発言。またロシア軍が「日本海でミサイル演習を実施した」ことを明らかにしており、対外的な恣意行為が引き続き目に付く。しかし、その反面かつてとは異なることとして、ウクライナと国境を接するロシアの都市が「ウクライナ側からの攻撃を受けた」と表明するなど、「被害者」の立場を盛んに喧伝し始めているようだ。ただ、あまり大きくは取り上げられておらず、依然としてロシア側を非難する声が大勢。
対して後者は、13日以降一度も「黒田ライン」である125円を割り込むことのない状況下、本日も円安けん制発言が相次いでいる。ちなみに、鈴木財務相は「為替の安定は重要」としたうえで「急速な変動は望ましくない」と発言したことに続き、「賃金が伸びない環境は悪い円安」、「急激な為替の変動は大きな問題」−−などと述べていた。なお、共同通信は「日米、21日に対面式の財務相会談開催へ」と報じ、さらに為替相場が議論される可能性もあると指摘している。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日、ドル/円は年初来高値126.31円を更新できず。また本日は「グッドフライデー」などでNYをはじめとする主要な欧米市場が休場になることで、レンジ取引を予想していたものの、実際には前述したようにドルは126.60円台までドルは値を上げている。引き続きリスクはドル高方向へとバイアスがかかり、参加者が乏しく薄商いのなか、荒っぽい価格変動からさらなる高値トライも否定できない。
「日米の金利差」ならびに「日本の貿易収支悪化」が主要なドル高・円安要因となるなか、ドル/円はついに126円台後半まで達してきた。ドルロングが蓄積しやすい環境で、それを整理する調整の動きから一時的な下押しが入る展開までは否定できないものの、円安という流れそのものはまだしばらく続くと言わざるを得ない。ただ、本日の日経新聞朝刊には「円は130円まで下落余地」といった内容の記事も掲載されるなど、マーケットがいよいよ総強気ムードを醸し始めていることは若干気掛かり。「ハシゴ外し」の動きにも、一応注意しておきたい。
テクニカルに見た場合、ドル/円は年初来高値126.31円を上抜け、126.65円レベルまでドル高が進行している。後者126.65円レベルが目先の抵抗だが、上抜けると過去に何度もレポートしているように、目立ったテクニカルポイントはない青天井状態だ。ただ、今回も昨日4本値を参考にピポットで上値メドを求めると、「S2」が前記レベルに近い126.55-60円、そして「LBOP」は127.15円レベルとなる。127円台乗せの可能性もあるか。
材料的に見た場合、中長期的には米超党派議員団による訪台、そして蔡総統との会談などへの反応が関心を集めている「中国情勢」。原油禁輸をめぐるロシアとEUの攻防が注視されている「エネルギー・穀物相場」、「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、4月のNY連銀製造業景況指数や3月の鉱工業生産、同設備稼働率などが発表されるものの、前述したように本日は主要欧米市場の休場もあり米企業決算発表や通貨当局者の講演などはとくに予定されていない。やや動きにくそうなイメージだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは125.90-126.90円。ドル高・円安方向は、本日東京高値の126.65円レベルの攻防にまずは注目。抜ければ127円台乗せも否定できないだろう。
対するドル安・円高方向は、やはり本日東京安値にあたる125.85円レベルが最初のサポートとして意識されそうだ。ただ、割り込んでも13日以降下回っていない125円割れは予想しにくい状況か。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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