122円台中心の一進一退はまだ続く公算(4/5夕)

5日の東京市場はドルが小安い。122円台の前半を中心とした40ポイント強のレンジ取引に終始している。

122円台中心の一進一退はまだ続く公算(4/5夕)

122円台中心の一進一退はまだ続く公算

〇本日のドル円、122円台前半を中心とした40ポイント強のレンジ取引に終始、ドルが小安い展開
〇日銀総裁はじめ要人による円安けん制発言聞かれる、日銀総裁の発言を材料視した向きも
〇昨日から本日に掛けて122円台での値動き、しばらく121.30-123.30のなかで一進一退となる可能性も
〇本日は、3月製造業PMI・ISM非製造業総合指数発表、要人発言の予定も
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは122.10-123.10、123円レベルの攻防に注目
〇ドル安・円高方向は、122.25円レベルをめぐる動きに注視

<< 東京市場の動き >>

5日の東京市場はドルが小安い。122円台の前半を中心とした40ポイント強のレンジ取引に終始している。

ドル/円は122.75-80円で寄り付いたのち、しばらく揉み合い。122.70-85円といった非常に狭い値幅の動きをたどるなか、途中で底割れすると日中安値の122.40円レベルへと一時値を崩している。キッカケとなったのは後述する複数本邦要人からの「口先介入」で、警戒感から調整的な円の買い戻しが一時優勢。しかし勢いは続かず、その後は幾分レベルを切り下げた122.40-65円での一進一退に。16時現在では122.55-60円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「口先介入」について。
前者は、ロシア軍がウクライナのブチャで民間人300人を殺害したとみられる件が依然として尾を引く。ウクライナ大統領から「ロシアの戦争犯罪で和平交渉が困難になった」といった発言が聞かれたほか、バイデン米大統領はプーチン氏を「戦争犯罪者」と呼び、戦犯裁判を求めると言明していた。しかし、その反面、ロシアはラブロフ外相が「フェイクニュースだ」と指摘したうえ、真偽を議論するため、国連安保理緊急会合の開催を求める考えを示している。
対して後者は、東京午前9時ごろから行われた「衆院財務金融委」の半期報告に、黒田日銀総裁らが出席。その席における発言を中心に、政府要人なども含めて幾つかの円安けん制発言が聞かれていた。一例を挙げると、鈴木財務相「為替の安定は重要、とくに急速な変化は一番注意しないといけない」、内田日銀理事「為替相場の影響は経済・市場の状況で変わる」、黒田総裁「今回の為替相場の変動はやや急激」−−などになる。なかでも、黒田発言を材料視した向きが多く、先の調整的な円買戻しを支援していた。

<< 欧米市場の見通し >>

昨日も報じたように、先週のドル/円は一日当たりの変動幅が最低でも1円以上を記録していたが、昨日はそれが70銭。3月23日以来の小変動となった。そして本日も、ここまでの値動きはまだ50銭にとどいていない。相場は少しずつ落ち着きを取り戻しつつあるようで、なかなか居心地の良さそうな122-123円台を中心とした時間調整と思しき動きがもうしばらく続く可能性もありそうだ。
日米金利差に単純に着目すれば、次回「5月のFOMCで0.5%の利上げを実施する」との見方も取り沙汰されているドル高方向に依然としてバイアスが掛かりそう。ただ、急速な米利上げに対するマイナス面も指摘されつつあるうえ、前記したように足もと122円台でも執拗なほど本邦からの「円安けん制発言」が聞かれていることが、さらなるドル高・円安に歯止めをかけている感も否めない。再びドル高へと向かうためには、別の材料が必要といった声も聞かれている。

テクニカルに見た場合、昨日から本日に掛けてのドル/円は、すべて122円台での値動き。荒れ模様だった流れも一巡、ようやく落ち着きを取り戻しつつあるようで、足もとのようなレンジ取引がいましばらく続く可能性もある。なお、その場合にはレンジを狭くとればザックリ122-123円、広くとれば121.30-123.30円といったなかでの一進一退となるとの見方が有力で、そこから放れた際には再び荒っぽい変動をたどる展開も。

材料的に見た場合、中長期的には来月8日の香港行政長官選に現職の林鄭氏が不出馬表明したことが話題となっている「中国情勢」。ブルームバーグが中国での亜型出現を理由に「コロナに再び警戒感」などと指摘していた「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」、「エネルギー・穀物相場」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、3月の製造業PMIや同ISM非製造業総合指数などが発表されるほか、NY連銀総裁による討論会参加など通貨当局者による発言機会もある。また、ウクライナ大統領が国連安保理で演説する見込みで、こちらも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは122.10-123.10円。今週に入ってから一度も到達していない123円レベル、あるいは先週末高値123.03円の攻防にまずは注目。抜ければ3月30日高値123.20円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、弱いサポートから強いサポートへと育ちつつある122.25円レベルをめぐる動きが注視されている。底堅いイメージもあるが、割り込むようだと122円割れも。

122円台中心の一進一退はまだ続く公算

ドル円日足


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