ドル/円は時間調整と思しき強保ち合いも(3/18夕)

18日の東京市場でドルは小じっかり。しかし、一昨日に記録した高値を昨日そして本日と2日続けて超えられず、上値が少しずつ重くなってきた感も。

ドル/円は時間調整と思しき強保ち合いも(3/18夕)

ドル/円は時間調整と思しき強保ち合いも

〇本日のドル円、ドルが小じっかりの展開、夕方に掛けて118.90近くまで一時値を上げる
〇本日日銀の金融政策決定会合実施、「現在の大規模な金融緩和策を維持」と発表
〇ドルは非常に底堅いが、118円台後半を中心とした強保ち合いながら上げ渋りともいえる動き
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは118.50-119.40、年初来高値119.12をめぐる攻防に注目
〇ドル安・円高方向は、118円半ばそして118.37が目先のサポートか

<< 東京市場の動き >>

18日の東京市場でドルは小じっかり。しかし、一昨日に記録した高値を昨日そして本日と2日続けて超えられず、上値が少しずつ重くなってきた感も。

ドル/円は118円半ばで寄り付いたのち、ややドル売りが先行するも下げ渋り。東京勢は3連休前の週末ということで仲値不足観測などにも支えられ、ドルは反発に転じると夕方に掛けては118.90円近くまで一時値を上げていた。16時現在そのままドル高値圏で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、そうしたなか日銀は開催した金融政策決定会合で、「現在の大規模な金融緩和策を維持」すると発表。また国内の景気判断については、「新型コロナの影響などから一部に弱めの動きもみられるが、基調としては持ち直している」とし、前月から表現が弱まった。

一方、材料的に注視されていたものは、「ウクライナ情勢」と「新型コロナ」について。
前者は、ロシアとウクライナの停戦交渉は少しずつでも進展しているようだが、ウクライナとロシアそれぞれの話に大きな食い違いが散見されていた。たとえば、ウクライナ側からは「近く停戦すると確信」などといった論調が目立つ反面、ロシア側はそんな楽観的な見通しをおおむね否定している。まだまだ油断は禁物か。また、ここ最近は米当局者から「中国がロシア支援に向けて動いていると確信している」といった発言が聞かれるなど、ロシア支援にクギを刺すような対中圧力と思しき動きも連日観測されており、別途思惑を呼んでいたようだ。

対して後者は、岸田首相が18都道府県について「まん延防止法の21日全面解除」を表明したうえ、イタリア政府そしてドイツのショルツ首相もコロナ規制を「ほぼ全面的に解除」する考えを明らかにしている。さらにカナダも、ワクチン接種者に対し「入国前のコロナ感染検査を4月1日から不要にする」と発表するなど、世界的な社会生活や経済の通常化への動きはさらに活発化しているものの、一方アジア圏の中国や韓国などで感染拡大が続いていることは気掛かりだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、16日に2016年2月以来の高値である119.12円を示現。その後一度も118円を割り込まないなど、ドルは非常に底堅いものの、一方で119円以上のレベルに定着できない。つまり、118円台後半を中心とした強保ち合いながら、上げ渋りともいえる動きをたどっているわけだ。ポジションが偏っていることもあり、しばらくはそんな「時間調整」と思しき揉み合いが続くといった見方も取り沙汰されていた。
昨日も報じたように、先日の米FOMCで、米金融政策は「年内7回の実施もありうる」と指摘されるなか、日本はというと先で取り上げたように日銀が本日「現在の大規模な金融緩和策を維持する」と発表している。金利差がすべてではないにせよ、ドル/円が大きく下落する展開は正直見込みにくい。ウクライナ情勢や、それに端を発したエネルギーや穀物相場の動きなどが波乱要因だが、それでも基本的には底堅く推移する公算が大きいようだ。

テクニカルに見た場合、高値119.12円を示現したのちのドル/円は、断定するには早いものの新たなレンジを形成しつつあるのだろう。ポジションの偏りを価格ではなく時間で解消する時間調整の様相から、118円台を中心とした一進一退がしばらく続く可能性もある。ただし、先の119.12円を超えれば119円半ばを目指す反面、直近安値118.37円を下回れば117円台への続落も否定できない。

材料的に見た場合、中長期的には17日にも中露高官による会談が実施されるなど、ロシアとの関係の近さが依然として懸念されている「中国情勢」、経済など正常化の裏で各国とも共存政策へと舵を切っている「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」、「エネルギー・穀物相場への懸念」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、2月の中古住宅販売や同景気先行指数が発表されるほか、先日FOMCが終わったことで「ブラックアウト期間」も明け、バーキン・リッチモンド連銀総裁などによる講演も実施される見込みとなっている。また、米大統領と中国主席による電話会談にも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは118.50-119.40円。年初来高値119.12円をめぐる攻防にまずは注目。抜けると119円半ばが意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、118円半ばそして118.37円が目先のサポートか。底堅そうなイメージだが、それらを割り込むとなかなか大きな下押しも。

ドル/円は時間調整と思しき強保ち合いも

ドル円日足


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