4回目の停戦交渉など注意しつつドル続伸も(3/14夕)

週明け14日の東京市場でドルは続伸。先週記録した戻り高値117.35円をすでに更新、118円台乗せをうかがう様相を呈する局面も。

4回目の停戦交渉など注意しつつドル続伸も(3/14夕)

4回目の停戦交渉など注意しつつドル続伸も

〇本日のドル円、先週末高値117.35更新、一時117.90まで上昇し16時現在高値圏で推移
〇ドル続伸スピード速い、中期的ターゲット118.66が上値めどに
〇今週15-16日の米FOMC、利上げは市場コンセンサス、結果踏まえ次の動意探る展開か
〇本日はウクライナ情勢4回目停戦交渉、サリバン大統領補佐官と中国楊政治局員の会談予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは117.20-118.20
〇ドル安・円高方向は117.30レベルが弱いサポート

<< 東京市場の動き >>

週明け14日の東京市場でドルは続伸。先週記録した戻り高値117.35円をすでに更新、118円台乗せをうかがう様相を呈する局面も。

先週末、ロシアのペスコフ報道官から4回目の停戦交渉が「14日にも行われる見通し」と伝えられたほか、最終段階に入っていた米国とイランの間接協議が一転、「崩壊の危機に直面している」などと報じられ思惑を呼んでいたようだ。
そうした状況下、ドル/円は寄り付いた117.30円前後を日中安値にドルが小高い。米金利の上昇などを材料に、先週末記録した117.35円をあっさりと超え、一時117.90円近くまで上昇。16時現在でもそのまま高値圏で推移、欧米市場を迎えている。
なお、円は対ドル以外、ユーロやポンドなどでも弱含みとなるも、豪ドルやNZドルでは逆に円買い先行。つまり、豪ドル/円は冴えずに下値を探る様相を呈していた。

一方、材料的に注視されていたものは、「ウクライナ情勢」と「中国情勢」について。
前者は、週末以降本日にかけて停戦交渉に関しやや前向きな報道が数多く観測されていた。そのひとつは前記した「4回目の停戦交渉が14日にも行われる見通し」だが、「次の交渉では停戦に向けた合意文書などについて議論される」、「ウクライナ大統領、ロシアとの首脳会談を目指すと発言」−−などになる。市場では進展期待を抱く向きも少なくない。ただ、それとは別に、一部の欧米メディアから「ロシアがウクライナ侵攻で化学兵器使用の恐れあり」といった報道も観測されており、油断は禁物。一筋縄ではいかない気もしている。

対して後者は、先週末、李首相から「国際社会とともに平和を取り戻すため、積極的な役割を果たしていきたい」などといった発言が聞かれるなど、それまでのロシアへの肩入れ一辺倒スタンスに変化の見られた中国だったが、本質は依然として変わらず。たとえば、中国紙である環球時報は、ロシアに追随する形で「米国がウクライナで生物兵器を研究している」と主張。そのうえで、「国際社会から重視されるべき問題だ」と強調していた。なお、そうしたなか本日14日、サリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が、中国の外交を統括する楊共産党政治局員とローマで会談する予定となっている。

<< 欧米市場の見通し >>

テクニカルに見た場合、「ドル/円の117円台にはそれほど強い抵抗はない」と言われてきたが、確かに先日116.35円というそれまでの年初来高値を超えてからもドルの上昇スピードはまったく落ちない。気が付けば118円台もすでに視界内で、中期的なドルの上値めどとされた2016年12月に記録した118.66円もさほど遠くない存在だ。ポジションの偏りなどは気掛かりだが、ドルの続伸にも一応要注意。
ウクライナ情勢をめぐる、いわゆる地政学リスクにはもちろん注意する必要があるものの、4回目の停戦交渉が予定されるなかの進展期待なども強い。そうしたなか、市場で別途注視されているものは15-16日に開催される米FOMC。0.25%なのか、それとも0.5%なのか、引き上げ幅こそ見方がわかれているが、利上げの実施はすでに市場のコンセンサスだ。16日の結果発表などをにらみ基本的には様子見、次の動意を探る展開が続く可能性もある。

テクニカルに見た場合、ドル/円は1月高値と2月高値がほぼ同水準。そして今回3月の高値と併せ「トリプルトップ形成」を見込んでいたのだが、その1月と2月高値をあっさり、そして大きく抜けておりシナリオが大きく狂った格好だ。リスクとしては、ドルの続伸を見込まざるを得ない。やや遠く、中期的なターゲットと目された118.66円も、すでにそれほど遠くはなく現実的に上値めどに。ただ、上昇スピードが速いだけに、調整リスクも一応頭の片隅には留めておきたい。

材料的に見た場合、中長期的にはロシアが中国に軍事支援要請をしていた旨が米紙によって報じられている「中国情勢」、症状は軽いとされるもののオバマ元米大統領の感染が報告された「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」、「エネルギー・穀物相場への懸念」−−などに注目。

一方、本日はとくに目立った米経済指標の発表がないうえ、「ブラックアウト期間」中で米通貨当局者の講演なども予定なし。ただ、再三再四指摘している「4回目の停戦交渉」が実施される見通しのほか、サリバン大統領補佐官と中国の楊共産党政治局員の会談も予定されている。政治ファクターに要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは117.20-118.20円。東京高値の117.85-90円を超えると118円台乗せも。118.66円が名実とも視界内に。
対するドル安・円高方向は、117.30円レベルが弱いサポートか。割り込めばさらなる下値模索も否定できないが、その場合でも底堅そうだ。

4回目の停戦交渉など注意しつつドル続伸も

ドル円日足


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