シカゴポジション(CME)325
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション(単位:枚)(2022年03月08日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
シカゴは上記4通貨では、豪ドルは変わらず、その他3通貨は米ドル売りになりました。豪ドルのネットポジションは変わらないまま、まだかなりの豪ドルショートを持っています。実際の相場は豪ドルが堅調ですが、シカゴは豪ドル安相場観を維持しています。前回ポジション期間が長く、過去のパターンでは一度かなりショートを落としてからの再積み上げでしたが、先週も維持しているので、このまま豪ドルが下落しても、上昇してもショート買い戻しの可能性が高くなっています。
NZドルはやや買い戻していますが、総枚数を増やしており、リスクを膨らませています。既にシカゴの持ち値(ショートメークは0.6750〜0.6800付近がベストの売り)を越えるスポットになっているので、取り敢えず両建てで膨らませてから、NZドル上昇時にロングを手仕舞いして、再度実質のネットショートを積み増してくるパターンになりそうです。相場はドル全面高に近い流れからオセアニア通貨のショートをキープしていると思われますが、ウクライナ問題で地政学リスクから一番遠い地域通貨の買いになっており、シカゴの相場観は正念場を迎えつつあると思います。
ドル円はドル高でやや利益確定の動きとなりました。もし明日の締日で更にドルロングを減らしていると、そろそろドル高攻めも一度終了の可能性が出てきます。相場は先週金曜日から新高値を取ってきていますので、明日の締日である程度の先行きをみたいと思います。ユーロ相場は大幅安ですが、シカゴはユーロ先高観を維持しています。ポジションはややロングを落としているものの、先週は総枚数を増やしており、NZドルと同じ方式を採っています。NZドル同様にユーロのロングコストは悪く、最初の積み上げが1月11日締日(終値1.1367)、2週後にロング3万枚越え(終値1.1301)ですので、よく耐えていると思います。どこまで買い下がりできるかウォッチしたいと思います。
先週のシカゴは、ロング5,300枚増、ショート3,500枚増で、ネット1,800枚のロングポジション増になりました。目安であった14,000枚〜15,000枚の水準は1週間しか維持できませんでした。当面は1万枚まで減らすのか、再度積み上げるのかを見ます。コストの悪さを見れば前者と思います。チャートを見ると、赤のNZドル安トレンドラインは0.6750〜0.7100内に完全に入っています。先週締日終値は0.6804で、現在のスポットは0.6780付近ですので、トレンドライン下限に近くなっていますが、明日の締日をウォッチします。シカゴにとっては下限切れを望んでいると思います。その際は含まらせたNZドルロングを手仕舞いする可能性がありますので、その場合はNZドル下落の勢いは落ちると思います。
さて実際の相場は、短期のNZドル高トレンドライン0.6660〜0.6860の上限を上抜けていましたが、3月7日に高値0.6927を付けてから長い上ヒゲとなり、上値が重くなった上に、再度トレンドライン内に回帰しています。このレンジ内の0.6760〜70にサポートあり、ここが目先のポイントになり、その後に0.6660方向か再度0.6860越えを狙うのかとなります。シカゴのポジションに反して相場は2月初からNZドル高トレンドですので、シカゴにとっては0.6660切れを望みたいところと思います。尚、0.6760を切れば、0.6730、0.6700の順にサポートあります。(1NZドル=0.6783米ドル、3月14日15:20)
シカゴNZドルポジションと締日終値のチャート
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)、折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
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