ドル円、心理的節目118円の大台を突破し、約5年2ヵ月ぶり高値圏へ急上昇(3/15朝)

週明け14日(月)のドル円相場は大幅続伸。

ドル円、心理的節目118円の大台を突破し、約5年2ヵ月ぶり高値圏へ急上昇(3/15朝)

ドル円、心理的節目118円の大台を突破し、約5年2ヵ月ぶり高値圏へ急上昇

〇ドル円、米国時間午後にかけ約5年2ヶ月ぶり高値118.22まで急伸
〇本日からのFOMCへの警戒感と、米長期金利上昇、欧米株価の堅調が背景
〇ユーロドル、露烏平和交渉への期待に一時1.0994まで上昇後上記要因により1.0950に反落
〇ドル円、要テクニカルポイントを軒並み上抜けるなど、テクニカル的の地合い強い
〇ファンダメンタルズも、ウクライナ地政学リスクの長期化、FOMCのタカ派傾斜観測等ドル買い要因多い
〇ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:117.70ー118.70

海外時間のレビュー

週明け14日(月)のドル円相場は大幅続伸。@米FOMCを控えた警戒感(先週発表された米2月消費者物価指数が約40年ぶり高水準を記録したことや、ロシア・ウクライナを巡る地政学的リスクでエネルギー価格が高騰していることなどを受けて、今週3/15ー16の日程で開催される米FOMCが予想以上にタカ派に傾斜するとの思惑)や、A上記@を背景とした米長期金利の急上昇(米10年債利回りは3/7に記録した1.66%をボトムに切り返すと、昨日は2019年7月15日以来となる2.14%へ急上昇)、Bロシア・ウクライナを巡る平和交渉への期待感(停戦交渉は3/15に持ち越し)、C日経平均株価および欧米の主要株価指数の堅調推移(リスク選好の円売り)、D本邦輸入企業のドル買い需要が支援材料となり、米国時間午後にかけて、2017年1月3日以来、約5年2ヵ月ぶり高値となる118.22まで急伸し、現在(日本時間3/15午前5時00分現在)も高値圏での推移が続いております。

週明け14日(月)のユーロドル相場は堅調な値動き。アジア時間にかけて、安値1.0901まで下げ幅を広げるも、心理的節目1.0900をバックに下げ渋ると、@ロシア・ウクライナを巡る平和交渉への期待感や、A上記@を背景とした欧州株の堅調推移(地政学的リスクの後退期待→天然ガスや原油などエネルギー価格下落→欧州経済に対する過度な悲観論の後退→欧州株反発)、B欧州債利回りの急上昇、C短期筋のショートカバーが支援材料となり、米国時間にかけて、高値1.0994まで急伸しました。もっとも、D米FOMCを3/15ー16に控えて米長期金利に上昇圧力が加わると、E上記Dを背景としたドル買い圧力が重石となり、本稿執筆時点(日本時間3/15午前5時00分現在)では、1.0950前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は1/24に記録した年初来安値113.47をボトムに反発に転じると、昨日は約5年2ヵ月ぶり高値となる118.22まで急伸しました(2017年1月3日以来の高値圏)。この間、一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドや21日移動平均線といった主要テクニカルポイントを軒並み上抜けした他、強い買いシグナルを示唆する三役好転や強気のパーフェクトオーダー、強気のバンドウォークも成立するなど、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。

ファンダメンタルズ的に見ても、@ロシア・ウクライナを巡る地政学的リスクの長期化懸念(ロシア・ウクライナ情勢が和らぐ局面ではリスク選好の円売りで反応し、緊迫化する局面では有事のドル買いで反応するため、ドル円はいずれのケースにおいても上昇する傾向あり)や、A米FRBによるタカ派傾斜観測(インフレ抑制を目的に3/15ー16で開催される米FOMCが予想以上にタカ派的になるとの思惑→米金利上昇→米ドル高)、B黒田総裁によるハト派的な発言(黒田総裁は先週、「原油や穀物上昇でも景気に悪影響及ぼす金融緩和の縮小や金融引き締めは適当でない」と発言→金融緩和の長期化観測)、C上記ABを背景とした日米金融政策格差(日米金利差拡大に伴うドル買い・円売り)、D原油価格高騰に伴う本邦の貿易収支赤字(円売り圧力)など、ドル円相場の更なる上昇を連想させる材料が増えつつあります。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします(目先は2017年1月3日に記録した高値118.61や、2016年12月15日に記録した高値118.67を試すシナリオを想定)。尚、本日はロシア・ウクライナを巡るヘッドラインに加えて、アジア時間に発表される中国の主要経済指標(中国2月小売売上高、中国2月鉱工業生産、中国2月固定資産投資)や、欧州時間に発表されるドイツ3月ZEW景況感指数、米国時間に発表される米3月ニューヨーク連銀製造業景況指数、米2月生産者物価指数などイベントが盛り沢山となるため、ヘッドラインに振り回される神経質な相場展開に注意が必要でしょう。

本日の予想レンジ:117.70ー118.70

ドル円、心理的節目118円の大台を突破し、約5年2ヵ月ぶり高値圏へ急上昇

ドル円日足

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