FRB議長の議会証言にも一応要注意(3/2夕)

2日の東京市場はドルが小高い。大局的にはレンジ内だが、再び115円台までドルは買い進められている。

FRB議長の議会証言にも一応要注意(3/2夕)

FRB議長の議会証言にも一応要注意

〇本日のドル円、安値示現後ドル買い戻し、16時現在115.15-20で推移
〇明確な方向性乏しい、114.40-115.80でのレンジ取引続く
〇ロシア包囲網の動き激しさ増す、ウクライナとの2回目停戦協議実施となるか
〇本日はADP雇用統計、米地区連銀経済報告の公表、パウエル氏議会証言への関心高い
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは114.70-115.70、115.29が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は114.70をめぐる攻防に注目、割り込むと114.40-50がターゲット

<< 東京市場の動き >>

2日の東京市場はドルが小高い。大局的にはレンジ内だが、再び115円台までドルは買い進められている。

ドル/円は114.90円前後で寄り付いたのち、当初は冴えない。114.80レベルへとわずかに下押す局面も見られたが、日中安値を示現後は一転してドルの買い戻しが目に付く展開だった。ただ、移動平均の21日線(115.20円台)が引き続き抵抗となっていた感を否めず、同水準に接近するも超えられず。16時現在ではドルの高値圏115.15-20円推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「ウクライナ情勢」と「一般教書演説」について。
前者は、ウクライナ侵攻への不満などから、国連人権理事会でロシア外相演説時に参加者が一斉退席したことが明らかになったほか、開催されたG7財務相・中銀総裁会議で「対ロシア制裁での協調合意で一致した」と伝えられるなどロシア包囲網の動きはさらに激しさを増している。なお、そうしたなか、タス通信は「ロシアとウクライナの2回目の停戦協議を2日に行う」と報じ、それが一部で好感されていたものの、CNNはトルコ報道官の話として「数日延期される可能性が高い」と指摘していた。
対して後者は、東京午前に注目のバイデン米大統領による一般教書演説が実施されている。内容的には、「プーチン氏は独裁者、ウクライナ侵攻は高い代償払うことになる」、「インフレが米国民から利益を奪っており、物流を速くし物品を安くする」、「米国の領空からロシア機を排除する」などといった発言が聞かれていた。ちなみに、バイデン夫人により演説会には駐米ウクライナ大使が招待されると、他の大使と異なりバイデン夫人のボックス席で演説を聞いたとされている。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、引き続き上下に振れるなかなか荒っぽい変動をたどるもレンジ内。昨日も報じた114.40-115.80円というレンジをいまだ脱しきれない。果たして115円挟みのレンジ取引がまだしばらく続くのか、それともレンジ放れをたどり、次なる方向性が示されるのか、本日はウクライナ情勢以外にも注目要因が予定されているだけに、思わぬ価格変動をたどる展開にも一応要注意だ。
市場でもっとも注視されているものは引き続きウクライナ情勢。そのウクライナ情勢だが、前述したように「本日中にも停戦協議が行われる」と報じられている反面、「延期される」といった報道もあり情報は錯綜している。また、それ以外でも関連するものとして国際原子力機関(IAEA)の緊急会合や、EU財務相によるテレビ協議なども実施される見通しだ。また、ウクライナ情勢のために影が霞んでいる感もあるが、日米を中心とした金融政策に対する警戒感も根強く、そうした意味では半期に一度実施されるパウエルFRB議長の議会証言への関心も非常に高く、場合によっては波乱要因に。

テクニカルに見た場合、ドル/円は昨日欧米時間に114.70円まで下落するも、本日東京では逆行高。115.20円近くまで一時値を上げている。明確な方向性は乏しい状況で、大局的にはレンジ内での往来相場。過去2週間程度推移する114.40-115.80円の上下いずれに放れていくのか、次の一手にまずは注目だ。上放れれば116.35円の年初来高値が視界内に捉えられる反面、底割れすれば114円割れが意識されかねない。

材料的に見た場合、中長期的には昨日発表された米USTR報告で「ウイグル強制労働抑制へ厳格方針」も示された「中国情勢」、香港の感染者増加が止まらずロックダウン措置の実施も指摘されている「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、2月のADP雇用統計のほか米地区連銀経済報告の公表が予定されているほか、半期一度実施されるパウエルFRB議長の議会証言への関心は極めて高い。また2国間協議などを含め、ウクライナ情勢にも引き続き要注意だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは114.70-115.70円。昨日高値の115.29円が最初の抵抗。超えていけば115.80台前後が再び視界内に入る。
対するドル安・円高方向は、昨日安値114.70円をめぐる攻防にまずは注目。割り込むと、90日線も位置する114.40-50円がターゲットとなりそうだ。

FRB議長の議会証言にも一応要注意

ドル円日足


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