ドル円、米金利上昇と強いADP雇用統計を背景に急反発。続伸リスクに要警戒(3/3朝)

2日(水)のドル円相場は急上昇。

ドル円、米金利上昇と強いADP雇用統計を背景に急反発。続伸リスクに要警戒(3/3朝)

ドル円、米金利上昇と強いADP雇用統計を背景に急反発。続伸リスクに要警戒

〇ドル円、米国時間にかけ115.68まで上昇
〇有事のドル買い、バイデン大統領のインフレ警戒発言、米主要株価指数持ち直し等が背景
〇パウエルFRB議長、議会証言で3月0.5%利上げに含み残す
〇ユーロドル、約1年9ヵ月ぶり安値1.1059をつけた後下げ渋り1.11台を回復
〇ドル円テクニカルの地合い強く、ファンダメンタルズもドル円上昇要因多い
〇ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想
〇ロシア・ウクライナ第2回停戦協議の結果、エネルギー価格の動向、株式・債券市場の反応要注視
〇本日の予想レンジ:115.00ー116.00

海外時間のレビュー

2日(水)のドル円相場は急上昇。アジア時間朝方にかけて、安値114.79まで下げ幅を広げるも、前日安値114.69をバックに下げ渋ると、@ロシア・ウクライナを巡る地政学的リスクの継続(ロシア軍がウクライナのへルソン州を制圧したとの報道や、バイデン米大統領が米国の領空からロシア機排除を決定したとのヘッドライン)や、A上記@を背景とした有事のドル買い、Bバイデン米大統領によるインフレ警戒発言(バイデン氏は一般教書演説の中で「物価の抑制が最優先課題」と発言→政治側による利上げ圧力→米FRBによるタカ派傾斜観測→米金利上昇→米ドル高)、

C米主要株価指数の持ち直し(リスク選好の円売り圧力)、D米2月ADP雇用統計(結果+47.5万人、予想+37.5万人)の力強い結果、EパウエルFRB議長(半期に一度の議会証言)による「インフレ高止まりなら1回もしくは複数回の会合にわたり50bpの利上げを行い積極的に対応する」との発言(50bp利上げの可能性に含みを持たせたこと)などが支援材料となり、米国時間にかけて、高値115.68まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間3/3午前5時00分現在)では、115.57前後で推移しております。

2日(水)のユーロドル相場は上値の重い展開。@ロシア・ウクライナを巡る地政学的リスクの継続や、A上記@を背景とした有事のドル買い、Bエネルギー価格高騰に伴う欧州経済の先行き不透明感(原油価格や天然ガス価格が急上昇。WTI原油先物は2011年5月以来となる約10年10ヵ月ぶり高値圏へ急上昇)、C欧州連合によるロシアへの追加経済制裁の発表(ロシア第2位のVTBバンクなど大手7行を国際的なSWIFTから排除)、Dユーロ圏2月消費者物価指数の伸び率昂進(前年比上昇率5.8%と過去最高を更新→ユーロの実質金利低下→ユーロ売り)などが重石となり、欧州時間朝方にかけて、2020年5月以来、約1年9ヵ月ぶり安値となる1.1059まで急落しました。もっとも、心理的節目1.1000をバックに下げ渋ると、Eナーゲル独連銀総裁によるタカ派的な発言(価格安定を必要とする場合、ECBは金融政策を調整しなければいけない)や、F第2回停戦協議が開催されるとの一部報道(リスク回避ムードの後退)が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間3/3午前5時00分現在)では、1.1123前後まで持ち直す動きとなっております。

本日の見通し

ドル円は前日海外時間に記録した約1週間ぶり安値114.69をボトムに反発に転じると、昨日は一時115.68まで急伸しました(約1円の上昇幅)。この間、一目均衡表基準線や転換線などのレジスタンスポイントを軒並み上抜けした他、強い買いシグナルを示唆する三役好転や強気のパーフェクトオーダーも継続するなど、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。ファンダメンタルズ的に見ても、@ロシア・ウクライナを巡る地政学的リスク(リスク回避の円買いでの反応が鈍くなり、足元では有事のドル買いでの反応が優勢に)や、A米FRBによるタカ派傾斜観測(バイデン米大統領がインフレ抑制姿勢を明確化→政治的圧力が加わる恐れ。パウエルFRB議長も半期に一度の議会証言の中で50bp利上げの可能性に含みを持たせたこと)、

B日米金融政策の方向性の違い(日米金利差拡大に伴うドル買い・円売り)、C米経済指標の力強い結果(今週は米2月ISM製造業景況指数、米2月ADP雇用統計が共に良好な数字)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします(目先は1/4に記録した約5年ぶり高値116.36や、2/10に記録した高値116.35を試すシナリオを想定)。尚、本日は米2月ISM非製造業景況指数などの米経済イベントが複数予定されておりますが、市場の関心は引き続き、ロシア・ウクライナ情勢(第2回停戦協議の結果)や、それに伴うエネルギー価格の動向、株式・債券市場の反応に集中しそうです(有事のドル買いと、米金利上昇に伴うドル買いの組み合わせでドル円を大きく押し上げる展開を想定)。

本日の予想レンジ:115.00ー116.00

注:ポイント要約は編集部

ドル円、米金利上昇と強いADP雇用統計を背景に急反発。続伸リスクに要警戒

ドル円日足

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