油断禁物だが、ドル/円は基本レンジ取引か
〇本日のドル円、21日線(115.20台)が抵抗として寄与し、ドルの上値が重く上げ渋りの様相
〇2週間近く114.40-115.80のレンジ取引、方向性が乏しい状況に変化なし
〇最も注目されるウクライナ情勢をにらみつつ、当面は上下に振れる荒っぽい変動続くか
〇本日、2月製造業PMI確報・ISM製造業景況指数発表、米大統領の一般教書演説も実施
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは114.50-115.50、本日東京高値115.30レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は昨日安値114.86をめぐる攻防に注目、割り込むと114.40レベルがターゲット
<< 東京市場の動き >>
1日の東京市場はドルが小じっかり。引き続きウクライナ情勢に右往左往するなか、ドルの上値も重く上げ渋りの様相だった。
ドル/円は、寄り付いた115円前後を日中安値にドルが底堅い。むしろ、一時ドル買いが進行すると115.30円レベルまで値を上げる局面も観測されていた。しかし、昨日下回ってきた移動平均の21日線(115.20円台)が今度は抵抗として寄与した感があり、クリアに超えられず徐々に上げ渋り。結局、16時現在では115.10円レベルで推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「ウクライナ情勢」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、開催されたロシアとウクライナの停戦交渉だが、長丁場で開催されるも主張は平行線をたどるととくに進展なし。辛うじて再度協議を行うことでは合意したものの、日時等は未定とされている。そうしたなか、欧米諸国などからロシアへのさらなる経済制裁発動を指摘する声も数多く聞かれており、それもあり国際金融協会(IIF)は、「ロシアが対外債務の不履行に陥る可能性は極めて高い」とする見通しを発表していた。ロシアの経済そして金融の動きにも要注意だ。
対して後者は、北京オリンピックが閉幕したことで再び挑発的な「ミサイル発射」が観測された北朝鮮について、国連安保理緊急会合が開催され、米英仏など11ヵ国から非難声明が発せられている。ただ、当の北朝鮮は意に介した感がなく、実際朝鮮中央通信によると、ロシアのウクライナ侵攻の背景には西側諸国の「覇権主義的な政策」と「高圧的な態度」があるとし、米国などを強く批判していたという。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は、昨日も一日を通して90銭程度の変動とまあまあの動きをたどるも、結局レンジ内。また本日の東京もおおむね115円台での値動きをたどるなど、方向性は乏しい状況に変化がみられない。気が付くと114.40-115.80円といったレンジ取引も2週間近くに及んでいた。予断を許さないが、上記レンジ内での往来相場、方向性の定まらない展開がいましばらく続く可能性もある。
日米を中心とした金融政策に対する警戒感が根底にあり、発表される米経済指標そして2-3日に実施されるパウエルFRB議長の議会証言への警戒感も高い。ただ、目先もっとも注目されるものは引き続きウクライナ情勢。前段で指摘したように、停戦合意が不調に終わるなか、さらなる戦闘激化などを懸念する声もあるようだ。なお、バイデン米大統領が実施する一般教書演説を注視している声も多く聞かれていた。ロシアを非難すると同時に、ウクライナ支援強化の必要性を説明すると推測されている。
テクニカルに見た場合、ドル/円は115.20円台に位置する移動平均の21日線をNYクローズでも下回っており、レンジ取引ではあるものの、やや下方向のリスクも感じさせる。本日の東京は115円レベルで下げ渋ったが、90日線なども位置し過去2週間程度のドル安値圏である114.40円台程度までは下落しても不思議ではないだろう。いずれにしても、ウクライナ情勢などをにらみつつ、上下に振れる荒っぽい変動はまだ当面続きそうだ。
材料的に見た場合、中長期的にはバイデン米政権が台湾に代表団派遣を発表したことへの反発が気掛かりな「中国情勢」、日本や韓国、香港などでは依然として感染高止まりが続く「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、2月の製造業PMI確報や同ISM製造業景況指数などが発表されるほか、バイデン米大統領の一般教書演説も実施される見込み。また、国際エネルギー機関(IEA)の臨時閣僚会合をはじめ、そのほかにも注目材料は多い。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは114.50-115.50円。本日東京高値の115.30円レベルが最初の抵抗。超えていけば115.80台前後が再び視界内に。
対するドル安・円高方向は、昨日安値114.86円をめぐる攻防にまずは注目。割り込むと、90日線も近い114.40円レベルなどがターゲットとなりそうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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