和平協議の行方如何に、荒い値動き継続も(2/28夕)

週明け28日の東京市場はドルが底堅い。週末のウクライナ情勢を嫌気し、ギャップダウン。ドルは安寄りしたものの、売りは続かなかった。

和平協議の行方如何に、荒い値動き継続も(2/28夕)

和平協議の行方如何に、荒い値動き継続も

〇本日のドル円、ウクライナ情勢嫌気しギャップダウン、下値確認後一転115円半ばで推移
〇情勢緊迫化続く一方、「露とウクライナの停戦交渉」への関心高い
〇本日は2月ダラス連銀製造業活動指数、アトランタ連銀総裁による講演等も実施予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは115.10-116.00、115.75-80が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は115.20レベルが弱いサポート

<< 東京市場の動き >>

週明け28日の東京市場はドルが底堅い。週末のウクライナ情勢を嫌気し、ギャップダウン。ドルは安寄りしたものの、売りは続かなかった。

先週末、米国や欧州などが、ロシアの一部銀行について、国際銀行間の送金・決済システムの「SWIFT(スイフト=国際銀行間通信協会)」から排除することで合意。また、北京オリンピック終了後1週間というタイミングで北朝鮮が再び「ミサイル発射」に動いたようだ。
そうした状況下、先週末NYを115円半ばで大引けたドル/円は、115円前半とギャップダウンして寄り付き。当初はさらに下値を探る動きで115円割れを意識した局面も観測されている。しかし、目先の下値を確認後は一転して逆行高。一時115.80円近くまで噴き上げ、その後小緩むも115円半ばでは取り敢えず底堅い。16時現在でも、そのままの水準を維持したまま、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「ウクライナ情勢」について。
ウクライナへの侵攻を果たしたロシアに対し、日米欧などによる様々な制裁措置が発表されており、そのひとつが異例ともいえる「プーチン露大統領の個人資産凍結」の動き。米国などに続き日本も追随する方向とされていた。加えて米欧や英、カナダなどが非常に強力な金融措置である国際銀行間の送金・決済システムの「スイフト」から排除することで合意と発表され、こちらも岸田首相が参加する旨を表明している。
そうしたなか、ロシア軍のウクライナ侵攻はさらに進み、「ウクライナのザポリージャ州メリトポルを制圧」、「第2の都市ハリコフで市街戦」といった報道が次々に観測され、状況の悪化が報告される反面、和平協議に関するニュースも相次ぐ。当初は「26日にベラルーシで交渉」といったニュースも観測されたが、それは叶わず。ただ、タス通信は「日本時間28日午後にロシアとウクライナの停戦交渉が始まる」と報じており、現状最悪ともいえる状況の好転に期待をかける市場参加者も少なくないようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、先週末からなかなか激しい上下動をたどるも大局的にはレンジ内。115円台を明確に放れることはいまだ出来ていない。これは、ドルと円が対ユーロやポンドなどで同じ方向に動きやすいためで、結果としてドル/円は明確な方向性が出にくくなっている感も否めないようだ。もちろん、ウクライナ情勢次第ながら基本的には115円台を中心とした一進一退、往来相場がこのあとも続く可能性がある。
日米を中心とした金融政策に対する警戒感が根底にあり、そうした意味では発表される米経済指標、たとえば2月のダラス連銀製造業活動指数などの内容にも一応要注意。ただ、もっとも注目される要因は引き続きウクライナ情勢で、このあと開始する見込みの「ロシアとウクライナの停戦交渉」への関心も極めて高い。果たして停戦合意をはじめとする前向きな結果が出るのか否か、大いに注目だ。

テクニカルに見た場合、ドル/円はザラ場ベースで一時的に移動平均の21日線を一時的に下回る局面も観測されるが、おおむねサポートとして寄与している感がある。少なくとも、しっかり下放れるといった展開には至っておらず、ドルは底堅いようだ。このあとも21日線などで下値を強く支えられるようだと、ドルの上値も重いなか、116円台回復に向けた動きをたどっても不思議はないのかもしれない。

材料的に見た場合、中長期的には米紙が「米政府が危機回避に向けロシアを説得するよう再三要請したにもかかわらず応じなかった」と報じている「中国情勢」、米CDCによるマスク着用指針の大幅緩和が一部で思惑を呼んでいる「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、前述した2月のダラス連銀製造業活動指数などが発表されるほか、アトランタ連銀総裁による講演も実施される見込み。また、市場筋の関心が高いウクライナ絡みとしては、「ロシアとウクライナの停戦交渉」そして「国連総会の緊急特別会合開催」などに要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは115.10-116.00円。先週末そして本日もドルが上げ止まった115.75-80円が最初の抵抗。超えていけば、116円台回復が再び視界内に。
対するドル安・円高方向は、移動平均の21日線が位置する115.20円レベルが弱いサポートか。割り込むと115円前後、そして90日線も近い114円半ばなどがターゲットに。

和平協議の行方如何に、荒い値動き継続も

ドル円日足


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