NY休場下、ウクライナ情勢注目は変わらず(2/21夕)

週明け21日の東京市場は、結局レンジ取引。ウクライナ情勢をめぐり、市場は一喜一憂する展開をたどったものの、最終的には「行って来い」だった。

NY休場下、ウクライナ情勢注目は変わらず(2/21夕)

NY休場下、ウクライナ情勢注目は変わらず

〇本日のドル円、日中高値115.15、上値重く16時現在114.95レベルで推移
〇ウクライナ情勢への強い警戒感、米露首脳会談開催報道に対しても協議進展に懐疑的
〇ドル安方向にバイアスかけつつ、115円台中心とした一進一退続く
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは114.50-115.40、115.15レベルが最初の強い抵抗
〇ドル安・円高方向は114.79の攻防に注目

<< 東京市場の動き >>

週明け21日の東京市場は、結局レンジ取引。ウクライナ情勢をめぐり、市場は一喜一憂する展開をたどったものの、最終的には「行って来い」だった。

先週末は、複数の米国要人から「ロシアのウクライナ侵攻はいつあってもおかしくない」といった発言が聞かれたほか、豪首相が「中国軍艦艇が豪州哨戒機にレーザー照射を行った」とクレームをつけるなど、両国関係の悪化懸念が再び高まっていた感を否めない。
そうした状況下、ドル/円は115円前後で寄り付いたものの、上下15ポイントずつといったやや狭いレンジ内で乱高下。当初は前述したウクライナ侵攻懸念からドル売りが優勢となるも、「米露首脳会談開催を双方が受け入れた」との報道があり、流れが一変すると日中高値の115.10-15円へ。しかし、上値は重く振り落とされると再び115円割れ。結局、16時現在では114.95円レベルと寄り付きとほぼ同じレベルで推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「ウクライナ情勢」について。
引き続きウクライナ情勢に対する金融市場全般の警戒感は強い。たとえば、米衛星運用会社マクサーが「ロシアが新たに装甲車などをウクライナ国境に配置している」と発表するなど、「侵攻秒読み説」も根強く聞かれている。そうしたなか、前述したように「米露首脳会談開催を双方が受け入れた」との報道が観測されたものの、市場では協議の進展に懐疑的な見方をする向きが少なくない。実際、先週は「仏露首脳」や「米露外相」、「米露首脳」、「英露国防相」などが相次ぎ会談を行うも、いずれも大きな進展がなかったことから、過度の期待を抱かないようにしているのかもしれない。

また、それとは別にウクライナ情勢の緊迫化、あるいは実際のロシアによるウクライナ侵攻を念頭に置いた経済面などへの影響も徐々に取り沙汰始めている。一例を挙げると、米国のハリス副大統領は「緊張が米国内のエネルギー価格に波及する可能性がある」との認識を示したうえで、燃料費上昇に対応すると発言。また、産経新聞では「緊迫するウクライナ情勢が穀物相場に波及しつつある」と指摘、続けて「日本は両国から調達していないが、相場が跳ね上がる可能性も高い」と報じていた。

<< 欧米市場の見通し >>

依然として為替に限らず、金融市場全般がウクライナ情勢をめぐり右往左往。ロシアによる実際の軍事侵攻があるのか否かを見極めたいとの声が優勢だ。ただ、本日東京時間をみてもわかるように、ドル/円の反応はいまひとつで、30-50ポイントの動きが取り敢えずは精々。ドル/円はドル安方向に若干のバイアスをかけつつも、115円台を中心とした一進一退が続く可能性も否定できない。
相場変動の根底には日米を中心とした金融政策があり、上げ幅はともかく「3月の米利上げ実施」そのものはすでに織り込み済み。いずれにしても、米ファンダメンタルズやインフレの状況を警戒する声は少なくないが、目先ということではいまだ「ウクライナ情勢」が相場のかく乱要因として大きく寄与していることは間違いない。このあとも関連発言などには要注意で、突発的な価格変動にもしっかりとした対処が必要だろう。

テクニカルに見た場合、ドル/円はここ最近のレンジ下限である115円を下回るなど、リスクはドル安方向に高そうだが、いまだ「しっかり」とは割り込めていない。移動平均では21日線に絡む動きで、今回もサポートとして寄与している感がある。ただしっかり下回れば、安値113.47円を起点とした上げ幅の半値押しにあたる114.60円、同61.8%押しの114.30円などのフィボナッチポイントが下値メドに。ドルのさらなる下押しにも一応要注意。

材料的に見た場合、中長期的には「レーザー照射」をめぐる豪州とのやりとりも注目を集めている「中国情勢」、軽症とされるが95歳と高齢なだけに少し気掛かりな英国、エリザベス女王の感染をはじめとする「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」−−などに注目。
一方、本日は米国がプレジデンツデーで休場になることもあり、米経済指標の発表や決算発表などはとくに予定されていない。わずかにボウマンFRB理事の講演が観測されている程度で、材料的にはやや乏しいか。ただ、突発的に伝えられるウクライナ情勢などには引き続き注意を要する。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは114.50-115.40円。本日東京高値115.15円レベルが最初の強い抵抗。抜けると115.29円、115円半ばを目指す展開か。
対するドル安・円高方向は、先週末に示現した114.79円の攻防にまずは注目。本日東京では接近するも割り込めなかったが、このあと再トライがあるのかが注目されている。下抜ければ114.60円、114.30円などがターゲットに。

NY休場下、ウクライナ情勢注目は変わらず

ドル円日足


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