ドル安の流れ続く、続落にも要注意(1/14夕)

14日の東京市場はドルが続落。前日割り込めなかった114円を下回り、一時113.60円台まで値を崩している。

ドル安の流れ続く、続落にも要注意(1/14夕)

ドル安の流れ続く、続落にも要注意

〇本日のドル円、ドルが続落、日中高値114.20-25を示現するも一時113.60台まで値を崩す
〇ブレイナード次期FRB副議長、1/13の指名公聴会で予想以上のタカ派コメント
〇ドル円、ここ数日下げ足を早めている印象、移動平均の90日線近くの113.45レベル前後での攻防に注視
〇本日、12月小売売上高・1月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値発表、米企業の決算発表の予定も
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.40-114.30、本日東京高値114.20-25が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、本日安値113.65レベルをめぐる攻防に注目

<< 東京市場の動き >>

14日の東京市場はドルが続落。前日割り込めなかった114円を下回り、一時113.60円台まで値を崩している。

ドル/円は114.15円レベルで寄り付いたのち、日中高値の114.20-25円を示現。しかし、以降は緩やかな右肩下がりで、114円を割り込むと日中安値の113.60円台まで下落する局面も観測されていた。日経平均株価がザラ場ベースで500円を超える下げをたどったことなどが嫌気され、リスク回避の動きが散発的に観測されていたようだ。16時現在では113.70-75円で推移、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「米金融政策」と「ウクライナ情勢」について。
前者は、ハト派で知られるブレイナード氏がFRB副議長の指名公聴会に臨むなか、予想以上のタカ派コメントを発したと話題に。たとえば、「向こう1年間に数回の利上げを予想している」「3月にも利上げに踏み切る可能性がある」などといった発言が聞かれている。また、それ以外でもシカゴ連銀総裁やサンフランシスコ連銀総裁からも同様に、「3月利上げは妥当」などとする発言が聞かれており、早期の米利上げ観測はさらに高まっている感を否めない。
対して後者は、米欧そしてロシアがオーストリアで、ウクライナ情勢について会合開催も膠着は打開できず。また、欧米とロシアはそれぞれ対話継続の意向を示したものの、詳細は未定。それどころか、ロシアの放送局はインタビューに応じた同国のリャプコフ外務次官が「欧米とは立場の隔たりが大きく、近日中に再び集まって同じような議論を始める理由はない」と述べたと伝えていた。ウクライナをめぐる緊迫した情勢はまだ当面のあいだ続く可能性がある。

<< 欧米市場の見通し >>

過去に何度かレポートしたように、ドル/円の114円レベルは、昨年11月末安値112.54円を起点としたフィボナッチの61.8%戻しにあたる。昨日ちょうどそのレベルでドルは下げ止まったものの、本日東京で下回ると113.60円台を示現した。ちなみに、前記したフィボナッチの76.4%戻しは113.45円。それも下回るようだと、いよいよ全戻し112円台突入も否定できないかもしれない。
日米を中心とした各国金融政策への関心が依然として高いなか、前段でも取り上げたようにハト派とされるブレイナード氏や、11日にはパウエルFRB議長から強気のコメントが聞かれていた。それからすれば、もう少しドル高方向で推移しても不思議はないが、肝心の米長期金利が上げ渋っており、為替市場はそれを嫌気している面も大きい。すでに年3回の米利上げを市場は織り込んでいる感もあるだけに、さらに強気な姿勢を打ち出せるのか否か、発表される米経済指標のほか発言や、新型コロナの感染拡大状況などの動きに引き続き要注意だ。

テクニカルに見た場合、ドル/円は一時下げ渋りの感もうかがえたが、割り込んだあとここ数日は逆に下げ足を早めている印象。移動平均の21日線が位置する114.80円前後を下回ったことに続き、フィボナッチポイントの114円も割り込んでおり、リスクは下方向に考えざるを得ない。フィボナッチの76.4%押しに当たる113.45円レベルは、移動平均の90日線も近くに位置しており、その前後での攻防が注視されている。

材料的に見た場合、中長期的には工作員が英国で政治介入していたと報じられ一部で話題になっている「中国情勢」、米欧露の会談も目立った進展がなく依然波乱含みの「ウクライナ情勢」、「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、12月の小売売上高や1月のミシガン大学消費者信頼感指数速報値が発表されるほか、NY連銀総裁などによる講演も予定されている。さらに、シティグループなど米企業による決算発表も実施される見込みで、こちらは米株の動きと絡めて注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.40-114.30円。本日東京高値に当たる114.20-25円が最初の抵抗。抜けると21日線がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日安値の113.65円レベルをめぐる攻防にまずは注目。割り込むようだと最後のフィボナッチポイントにもあたる113.45円レベルなどが意識されそうだ。

ドル安の流れ続く、続落にも要注意

ドル円日足


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