南アランド週報:『約2ヵ月ぶり高値圏へ急伸するも上値余地は限定的か』(1/15朝)

南アフリカランド円相場は、11/26に記録した直近安値6.93円をボトムに反発に転じると、今週半ばにかけて、11/16以来、約2ヵ月ぶり高値となる7.50円まで上昇しました。

南アランド週報:『約2ヵ月ぶり高値圏へ急伸するも上値余地は限定的か』(1/15朝)

『約2ヵ月ぶり高値圏へ急伸するも上値余地は限定的か』

今週のレビュー(1/10−1/14)

今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初7.43円で寄り付いた後、@南ア12月Naamsa自動車販売(結果▲3.5%、前回+6.6%、※前年比)の冴えない結果や、A米金融政策の正常化前倒し観測を背景とした世界的なリスク回避ムード(米金利上昇→リスクアセット下落→リスク回避の新興国通貨売り・円買い圧力)、B新型コロナウイルス・オミクロン株を巡る世界的な感染拡大報道などが重石となり、週明け早々に週間安値7.31円まで下落しました。

しかし、一目均衡表転換線をバックに下げ渋ると、C南ア11月製造業生産(結果▲0.7%、予想▲3.6%、※前年比)の市場予想を上回る結果や、DパウエルFRB議長証言が予想された程タカ派的では無かったこと、E注目された米12月消費者物価指数が市場予想の範囲内に収まったこと、F上記DEを受けた米金融政策の正常化前倒し観測の後退(米長期金利低下→リスク回避ムード後退)が支援材料となり、週央にかけて、週間高値7.50円まで上昇しました。もっとも、200日移動平均線をバックに伸び悩むと、引けにかけて反落し、本稿執筆時点(日本時間1/15午前4時45分現在)では7.41円前後で推移しております。

来週の見通し(1/17−1/21)

南アフリカランド円相場は、11/26に記録した直近安値6.93円をボトムに反発に転じると、今週半ばにかけて、11/16以来、約2ヵ月ぶり高値となる7.50円まで上昇しました。この間、一目均衡表基準線や転換線、21日移動平均線や90日移動平均線を上抜けした他、一目均衡表雲上下限も上方ブレイクするなど、テクニカル的に見て、地合いの好転を印象付けるチャート形状となりつつあります。但し、主要レジスタンスポイントとして意識されている200日移動平均線(7.53円)が上方に控えているため、ここからの続伸は容易では無いと判断できます(事実、南アランド円相場は今週、200日移動平均線に上値を抑えられる形で週末にかけて反落)。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、@新型コロナウイルス・オミクロン株を巡る世界的な感染拡大懸念や、A南アフリカ経済の先行き不透明感(景気後退とインフレが同時進行するスタグフレーション懸念。南ア中銀がインフレ抑制を目的に1/27に予定されている政策決定会合で利上げに踏み切れば南ア経済には更なる下押し圧力が加わる恐れ。国営電力会社エスコムによる計画停電の長期化も同国経済の下押し要因)、B米FRBによる金融政策の正常化前倒し観測(今週は複数の米当局者より3月利上げの地均しと受け止められるタカ派的な発言が相次ぐ結果)、C上記Bを背景とした「米金利上昇→新興国から先進国への資本流出」の波及経路など、南アランド円相場の下落を連想させる材料が複数残っています。

以上を踏まえ、当方では引き続き、南アランド円相場の反落をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週は1/17に予定されている中国の主要経済指標(中国12月小売売上高、中国12月固定資産投資、中国12月鉱工業生産、中国第4四半期GDP速報値)に加えて、1/19の南ア12月消費者物価指数や、南ア11月小売売上高に注目が集まりそうです(特に南ア12月消費者物価指数が上振れる場合は、南ア中銀による追加利上げ観測を高める要因になり得るためボラティリティの拡大に要注意)。

来週の予想レンジ(ZARJPY):7.25ー7.55

『約2ヵ月ぶり高値圏へ急伸するも上値余地は限定的か』

南ア円日足

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