米雇用統計に注目、レンジブレーク期待も
〇本日のドル円、積極的な売買手控えられ112.95-113.35レンジでの取引、ドルが底堅いが上値も重い
〇注目材料である雇用統計の発表控え、好数字発表によるドル高再燃への期待が強い
〇テクニカルには高値115.52を示現したあとの調整局面、雇用統計後上下どちらかに抜ける見込みも
〇上方向は年初来高値115.52を目指し、下方向は112円割れを試す可能性
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ112.70-114.00、113.60-70が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、113円前後が引き続き弱いサポートだが、112円半ばが意識される
<< 東京市場の動き >>
3日の東京市場はおおむねレンジ取引。113円を下回る時間帯は短くドルは底堅かったが、上値も重く限られた。
ドル/円は113.15-20円で寄り付いたものの、NY時間に注目の米雇用統計発表を控えていることもあり、積極的な売買は手控えられている。112.95-113.35円といった30ポイント強のレンジ取引をたどるなか、16時現在では日中高値圏で推移し、そのまま欧米市場を迎えていた。
なお、そうしたなか豪ドルが冴えずに対円やドルで小幅続落。なかでも豪ドル/ドルは年初来安値に一時面合わせする局面も観測されていたようだ。
一方、材料的に注視されていたものは、「オミクロン変異種」と「米暫定予算」について。
前者は、欧州における「オミクロン株」の感染拡大が止まらず、昨日はギリシャやアイルランドで初の感染者が確認されたことが明らかとなった。そうしたなか、欧州疾病予防管理センター(ECDC)は、「オミクロンが数ヵ月以内に、欧州での感染の半分超に達する」という見通しを示している。一方、米国ではカリフォルニア州に続き、今度はNY州で5人もの感染者が出たとされ、一時話題に。クリスマスや年始を控えるなか、ロックダウン導入など時計の針を巻き戻すような動きに出る可能性も、市場では取り沙汰されていた。
対して後者は、昨日もレポートした「3日に期限を迎える暫定予算案」は民主、共和両党の対立から今回も成立難航と見られていたが、東京時間の本日早朝に米下院で可決し上院に送付。さらに、そののち上院でも可決されたと伝えられている。バイデン大統領の署名を受け成立することになるわけだが、その期限は「来年2月18日まで」。根本的な解決ではなく、時が経てば再び市場の話題となりそうだ。
<< 欧米市場の見通し >>
今週のドル/円相場は、112.50-114.00円といった若干広めのレンジ取引。本稿執筆時に推移している113.30円前後はちょうど真ん中で非常に居心地が良い。前述した1.5円レンジ内での変動がこのあとも続く可能性を否定できないが、材料的には注目の米経済指標、雇用統計の発表を控えている。もちろん数字次第とはいえ、市場では好数字発表により、ドル高再燃を期待する声がやや多いようだ。
日米欧英など各国の金融政策に依然として注目。そうしたなか今週はパウエルFRB議長が議会証言でタカ派とも言える発言を連発したこともあり、市場ではドルへの強気派が優勢か。足もとは、オミクロン株への警戒感などがドル高の足かせとなっているものの、単純な金利差といった観点では依然としてドルが買われやすい地合いにあることは間違いない。時間調整ともいえる最近のレンジ取引を逸脱、ドル高方向への動きが再燃することになるのだろうか。
テクニカルに見た場合、ドル/円は高値115.52円を示現したあとの調整局面にあるが、それは価格ではなく時間調整の様相だ。そんな時間調整がいましばらく続くとの見方も聞かれるが、米雇用統計発表前後から荒っぽい変動をたどり、上下どちらかに抜ける展開を見込む声も多い。上方向でいえば、年初来高値115.52円を目指す反面、下方向に振れれば112円割れを試す可能性もあるだろう。
材料的に見た場合、中長期的には、米欧などに対抗するためアフリカ諸国との結び付きを強める「中国情勢」、感染力は高いが重症化リスクは低いとの見方も口コミなどで広がりつつあるオミクロン株を中心とした「新型コロナ問題」、「日米欧英などの金融政策」、「原油供給問題」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、11月の雇用統計が発表される見込みだ。ちなみに、もっとも注視されている非農業部門雇用者数は、プラス53-55万人と前月並みの数字が予想されている。また通貨当局者による講演なども引き続き幾つか観測されるほか、「バイデン米大統領が雇用統計に関する発言を行う」との一部報道も観測されており、そちらを警戒する声も聞かれていた。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは112.70-114.00円。1日高値を含む113.60-70円が最初の抵抗で、抜ければ114円前後がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、東京時間で上抜けた113円前後が引き続き弱いサポートではあるものの、意識されるレベルは112円半ばか。下値はかなり堅いイメージだが、果たしてどうなるか。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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