本日も要人発言注意、レンジ放れの公算は如何に
〇ドル円、動意らしい動意なく、108円後半の20ポイント程度のレンジ取引に終始
〇中国情勢、ウイグル人権問題を巡り欧米諸国との対立構造あらわに
〇ドル円、レンジ取引がいましばらく続くのか否か注目される
〇パウエルFRB議長の米議会公聴会での証言に注意
〇本日、2月新築住宅販売件数や3月リッチモンド連銀製造業指数発表、米財務省の2年債入札の予定も
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ108.30-109.10
<< 東京市場の動き >>
23日の東京市場はレンジ取引。108円後半、20ポイント程度という狭いレンジでの一進一退に終始している。
ドル/円は108.80-85円寄り付いたものの、動意らしい動意なし。108円後半の20ポイント程度のレンジ取引、とくに午後にかけては108.70円台を中心とした10ポイントほどの値幅でほぼ横ばい推移をたどっている。日経平均が3日続落、178円安で大引けるなど日米ともに株価は冴えなかったが、為替市場への影響は限定的。16時現在では108.65-75円で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、そうしたなかオセアニア通貨が総じて弱含み。なかでも、NZドルが対円やドルで早朝から一貫した右肩下がりで、参加者の目をひいていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「中国情勢」について。
まずは、中国の新疆ウイグル自治区における人権侵害をめぐり、そこここで対立構造が露わに。EUが対中制裁の発動を決めたと発表したことに対し、中国側が即座に報復。「EU当局者ら10人と4団体に制裁を科す」とし、強硬姿勢を崩さず。ただ、カナダもEU同様に「ウイグル人権問題」を理由に対中制裁を発表したうえ、米英とともに3ヵ国外相が「ウイグル自治区での人権侵害と虐待に対し、深い懸念で一致している」とした中国批判の共同声明を公表していた。いわゆる対中包囲網ともいえる動きが強まるなか、中国メディアは「習国家主席が米国などの行動に対応するため、ロシアと北朝鮮に協力を呼び掛けた」と指摘するなど対立がエスカレート。泥沼化の様相を呈してきた感も否めない。
また、それとは別に、中国外務省から、フィリピンと揉めている南沙諸島周辺の漁船集結で領有権を主張する動きが観測されたほか、29日から全人代常務委を開催し、「香港の選挙制度見直し作業を着手する」との報道もあり思惑を呼んでいた。
<< 欧米市場の見通し >>
先週、週間を通して75銭レンジにとどまったドル/円はまだ動意づかず。昨日未明には先週安値108.61円を一時下回り、底割れした感もあったが結局元の木阿弥となっている。本日東京終了時でも依然として方向性がハッキリしない状況で、そんなレンジ取引がいましばらく続くのか否かが注目されそうだ。
材料的に見た場合、23-24日と連日米議会公聴会で証言を行うパウエルFRB議長の発言に注目。昨日のBISイノベーションサミットに参加した際の発言はとくに材料視されなかったが、今回は「議会証言」となるだけに、関心はより高いものがありそうだ。また、先でも取り上げた対立の構図を強める「米欧と中国」の情勢などにも要注意だろう。ちなみに、後者と絡めた動きでは「ロシアのラブロフ外相が訪中する」といった話も取り沙汰され、その動静が関心を集めていた。
テクニカルに見た場合、ドル/円は先週1週間で75銭レンジ、期間をもう少し広げ2週間程度としても、およそ1円レンジ(108.34-109.36円)にとどまる。まずは、足もとのレンジを上下どちらに放れるのか、その方向性が注視されていることは間違いない。大きな流れはいまだドル高方向だが、短期的にはむしろ逆でドル安方向に有利、との指摘も聞かれるが果たして如何に。
材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「米露が冷戦への逆行懸念」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、2月の新築住宅販売件数や3月のリッチモンド連銀製造業指数といった米経済指標が発表されるほか、米財務省による2年債の入札も実施される見通しだ。また、本日は前述したFRB議長の議会証言のほかにも要人による発言機会が目白押し。欧米要人の発言が波乱要因になりかねないだろう。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.30-109.10円。上方向は、目先ジワリと重くなりつつある109円レベルの攻防に注目。上抜ければ、先週末高値の109.14円が意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、昨日早朝の時間外安値に当たる108.50円レベルがサポートか。ただ下回ると108.34円そして108円前後などがターゲットに。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2024.11.22
ドル円154円台前半、本邦CPI高止まり等で一時154円割れ (11/22午前)
22日午前の東京市場でドル円は「往って来い」。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2021.03.24
ドル円、約2週間ぶり安値圏へ下落。リスク回避の円買い再燃(3/24朝)
23日(火)の外国為替市場でドル円は上値の重い展開。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。