ドル円、約2週間ぶり安値圏へ下落。リスク回避の円買い再燃
〇ドル円、コロナ第3波拡大懸念、株価下落、米長期金利低下で一時108.40まで下げる
〇ユーロドルは独ロックダウン延長、欧州株の下落等で2週間ぶり安値1.1842まで急落
〇ドル円じり安に推移するもリスク回避のドル買い円買いが綱引きし方向感出ず
〇テクニカルには地合い強いが地政学リスク、資産バブルへの警鐘、コロナ感染拡大等円買い要因増える
〇短期的ドル円下落がメインシナリオ、本日の予想レンジ:108.10ー109.00
海外時間のレビュー
23日(火)の外国為替市場でドル円は上値の重い展開。@新型コロナウイルス第3波への警戒感の高まりや、A世界的な株価下落、B米長期金利の低下(債券価格の上昇)、C商品市況の冴えない動き(原油価格をはじめエネルギー価格が急落)、Dリスク回避の円買い圧力(クロス円下落→ドル円連れ安)が重石となり、欧州時間にかけて、一時108.40まで下げ幅を広げました(3/10に記録した直近安値108.33に迫る展開)。米国勢参入後に持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間6時00分現在)では、108.60近辺で推移しております。尚、パウエルFRB議長は米下院金融サービス委員会で「一部の資産価格はやや高い」と発言しましたが、市場の反応は限定的となっております。
23日(火)の外国為替市場でユーロドルは下落。@欧州圏における新型コロナウイルス第三波への警戒感の高まり(ドイツはロックダウンを4/18まで延長する見通し)や、A上記@を背景とした欧州株の冴えない動き(リスク回避のドル買い・円買いを誘発)、BECBによる追加緩和観測(レーンECB専務理事は資産購入の増額を示唆)、C200日移動平均線を割り込んだことに伴う短期筋のロスカットが重石となり、米国時間午後にかけて、3/9以来、約2週間ぶり安値となる1.1842まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間6時00分現在)では、1.1848近辺で推移しております。
尚、昨日はニュージーランド政府が住宅価格抑制措置を発表したことで、ニュージーランドドルが大きく値を下げる動きとなりました(NZJPY:3/22終値77.94→3/23安値75.93)。
本日の見通し
ドル円はクロス円の下落に連れる形でじり安の展開となりましたが、方向感を見出すには至りませんでした(リスク回避局面ではドル買いと円買いが綱引き状態となることが背景)。3/10に記録した直近安値108.33を死守できたこと、強い買いシグナルを示唆する三役好転やダウ理論の上昇トレンドが継続していること等を考慮すれば、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。但し、ファンダメンタルズ的に見ると、@地政学的なリスクの高まり(米中露対立激化リスクや欧米による対中制裁リスク等)や、A政府・当局者によるバブルへの警鐘を鳴らす発言・措置の増加(昨日はニュージーランド政府が住宅価格抑制措置を発表。パウエルFRB議長も「一部の資産価格はやや高い」と発言)、B新型コロナウイルスの感染再拡大(ロックダウンの延長懸念)、
C上記@ABを背景としたリスク回避ムードの再燃(クロス円下落→ドル円連れ安)等、リスク回避の円買いを連想させる材料が増えつつあります。以上を踏まえ、当方では短期的なドル円相場の下落(上値の重い展開)をメインシナリオとして予想いたします(上値を段階的に切り下げている為、今週は日足ベースでやや大きめの陰線が出ると予想)。
本日の予想レンジ:108.10ー109.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2021.03.24
ドル円見通し 3月15日高値と17日深夜高値をダブルトップとした調整安続く(21/3/24)
23日午前高値108.87円には届かずに戻り高値切り下がりの範囲にとどまり24日朝にかけては再び軟調な推移となっている。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2021.03.23
本日も要人発言注意、レンジ放れの公算は如何に
23日の東京市場はレンジ取引。108円後半、20ポイント程度という狭いレンジでの一進一退に終始している。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。