ドル円、約2週間ぶり安値圏へ下落。リスク回避の円買い再燃(3/24朝)

23日(火)の外国為替市場でドル円は上値の重い展開。

ドル円、約2週間ぶり安値圏へ下落。リスク回避の円買い再燃(3/24朝)

ドル円、約2週間ぶり安値圏へ下落。リスク回避の円買い再燃

〇ドル円、コロナ第3波拡大懸念、株価下落、米長期金利低下で一時108.40まで下げる
〇ユーロドルは独ロックダウン延長、欧州株の下落等で2週間ぶり安値1.1842まで急落
〇ドル円じり安に推移するもリスク回避のドル買い円買いが綱引きし方向感出ず
〇テクニカルには地合い強いが地政学リスク、資産バブルへの警鐘、コロナ感染拡大等円買い要因増える
〇短期的ドル円下落がメインシナリオ、本日の予想レンジ:108.10ー109.00

海外時間のレビュー

23日(火)の外国為替市場でドル円は上値の重い展開。@新型コロナウイルス第3波への警戒感の高まりや、A世界的な株価下落、B米長期金利の低下(債券価格の上昇)、C商品市況の冴えない動き(原油価格をはじめエネルギー価格が急落)、Dリスク回避の円買い圧力(クロス円下落→ドル円連れ安)が重石となり、欧州時間にかけて、一時108.40まで下げ幅を広げました(3/10に記録した直近安値108.33に迫る展開)。米国勢参入後に持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間6時00分現在)では、108.60近辺で推移しております。尚、パウエルFRB議長は米下院金融サービス委員会で「一部の資産価格はやや高い」と発言しましたが、市場の反応は限定的となっております。

23日(火)の外国為替市場でユーロドルは下落。@欧州圏における新型コロナウイルス第三波への警戒感の高まり(ドイツはロックダウンを4/18まで延長する見通し)や、A上記@を背景とした欧州株の冴えない動き(リスク回避のドル買い・円買いを誘発)、BECBによる追加緩和観測(レーンECB専務理事は資産購入の増額を示唆)、C200日移動平均線を割り込んだことに伴う短期筋のロスカットが重石となり、米国時間午後にかけて、3/9以来、約2週間ぶり安値となる1.1842まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間6時00分現在)では、1.1848近辺で推移しております。

尚、昨日はニュージーランド政府が住宅価格抑制措置を発表したことで、ニュージーランドドルが大きく値を下げる動きとなりました(NZJPY:3/22終値77.94→3/23安値75.93)。

本日の見通し

ドル円はクロス円の下落に連れる形でじり安の展開となりましたが、方向感を見出すには至りませんでした(リスク回避局面ではドル買いと円買いが綱引き状態となることが背景)。3/10に記録した直近安値108.33を死守できたこと、強い買いシグナルを示唆する三役好転やダウ理論の上昇トレンドが継続していること等を考慮すれば、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。但し、ファンダメンタルズ的に見ると、@地政学的なリスクの高まり(米中露対立激化リスクや欧米による対中制裁リスク等)や、A政府・当局者によるバブルへの警鐘を鳴らす発言・措置の増加(昨日はニュージーランド政府が住宅価格抑制措置を発表。パウエルFRB議長も「一部の資産価格はやや高い」と発言)、B新型コロナウイルスの感染再拡大(ロックダウンの延長懸念)、

C上記@ABを背景としたリスク回避ムードの再燃(クロス円下落→ドル円連れ安)等、リスク回避の円買いを連想させる材料が増えつつあります。以上を踏まえ、当方では短期的なドル円相場の下落(上値の重い展開)をメインシナリオとして予想いたします(上値を段階的に切り下げている為、今週は日足ベースでやや大きめの陰線が出ると予想)。

本日の予想レンジ:108.10ー109.00

注:ポイント要約は編集部

ドル円、約2週間ぶり安値圏へ下落。リスク回避の円買い再燃

ドル円日足

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