バイデン演説も終了、株価などに一喜一憂か
〇ドル円、103円後半、15ポイント程度の横這い推移
〇注視されていたバイデン氏演説、結果として目立った反応は見られず
〇パウエルFRB議長、低金利政策の継続を示唆するなどハト派的発言
〇来週の新米財務長官指名承認公聴会や、バイデン氏新大統領就任に関心集まる
〇本日、12月米小売売上高や1月ミシガン大学消費者信頼感指数速報、発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ103.20-104.10
<< 東京市場の動き >>
15日の東京市場は、横這い推移。途中でバイデン発言が聞かれたものの影響は限定的で、103円後半、15ポイント程度の上下動に終始している。
ドル/円は103.80円前後で寄り付いたものの、早朝から積極的な動意に乏しい。事前のマーケットではバイデン氏の演説を注視しており、「発言待ち」などと言われていたが、結果として不発。実際にその内容が伝えられたあとも、目立った反応は見られなかった。103.70-85円といった15ポイント程度のレンジ取引をたどると、16時現在ドル/円は103.75-80円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「バイデン氏の演説」と「FRB議長発言」について。
前者は、次期米大統領に内定しているバイデン氏が東部デラウェア州で演説し、1兆9000億ドル規模の経済対策を議会に提案すると発表した。また、景気回復に弾みをつけるため、大型対策「第2弾」を来月にも取りまとめる方針も同時に明らかにしている。さらに、新型コロナ対策として、合計4000億ドル超を投じる方針を示したうえ、「就任後100日で累計1億人のワクチン接種を目標とする」などと述べていた。
対して後者は、プリンストン大のセミナーに参加したパウエル氏の発言が「ハト派」だとして、金融市場の波乱要因に。具体的には物価や経済、雇用情勢について、「一時的な物価上昇は基調としての物価上昇を意味しない」、「今年後半の景気が強かったとしても、最大雇用からはかけ離れている」などとやや悲観的な見通しを示したうえで、「出口戦略について話すときではない」、「必要になれば利上げするが、そのときはすぐに来ない」と低金利政策の継続を示唆していた。
<< 欧米市場の見通し >>
今週のドル/円相場は、ここまで104円を挟んで上下50ポイント程度の値動き。週間を通して1円も動いておらず、再び袋小路に入った感を否めない。今週最大の注目材料とみられていたバイデン氏の演説も終了し、市場は次の材料模索へ。おそらくは来週予定されているイエレン新米財務長官の指名承認公聴会や、バイデン氏の新大統領就任といったところが関心を集めることになりそうで、それまではレンジ取引が続くことになるのかもしれない。
そうしたなか、足もとは引き続き「新型コロナとワクチン接種」に関するニュースに注意を払いつつ、一方で「米政治情勢」、具体的にはトランプ氏の進退に一応要注意。昨日報じたように、ロイターは「米上院共和党指導部が15日にも弾劾裁判を開始する可能性を検討している」としており、早ければ本日中にもなんらかの動きがありそう。また、時間的な観点からすれば、本日ではなく月曜日の早朝、オセアニア時間の波乱要因となる可能性もある。
テクニカルに見た場合、ドル/円は引き続き移動平均の21日線と90日線に挟まれた動き。上方向を90日線がガッチリ抑制している反面、下方向は21日線がしっかりと支えているようだ。
そうしたなか注視されるのは、緩やかな右肩下がりをたどる90日線と歩調を合わせるように、昨年7月高値を起点とした下降トレンドラインが位置すること。つまり、90日線をしっかりクリアすれば、下降トレンドラインも同時に上抜くことになりかねない。その場合には、一段のドル高進行に弾みがつく可能性もある。
材料的に見た場合、中長期的には再び激化の兆しのうかがえる「米中の対立」やそれだけにとどまらない「様々な中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種など」、「バイデン次期米大統領による政権運営とトランプ政権末期の動静」、「トルコ情勢」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、12月の小売売上高や1月のミシガン大学消費者信頼感指数速報といった米経済指標が発表されるほか、JPモルガン・チェースやシティグループによる決算発表も予定されている。前者はもちろん、後者についても、史上最高値を更新したNYダウなど米株の動きと絡め、注視している向きは少なくないようだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは103.20-104.10円。昨日高値である104.20円レベルが目先の抵抗で、上抜けると104.40円や90日線などが視界内に入ってくる。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値などを含め、短期的には2度下げ止まっている103円半ばが最初のサポート。割り込むようだと目先安値102.60円を起点とした上げ幅のフィボナッチ61.8%戻しにあたる103.30円レベルがターゲットに。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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