『トルコ中銀による連続利上げで続伸。堅調地合いが継続か』
〇トルコ円中銀の大幅利上げに一時13.73まで上昇
〇対トルコ制裁リスクが和らぎ、追加利上げ観測も強まる
〇トルコリラ円、テクニカル面・ファンダメンタルズ面共に、ポジティブな材料が増えつつある
〇来週の予想レンジ(TRYJPY):13.45ー13.85
今週のレビュー(12/21−12/25)
今週のトルコリラ円(TRYJPY)相場は、週初13.55円で寄り付いた後、@新型コロナウイルスの変異種拡大(英国や南アフリカ)や、A上記@に伴う国内観光業の下押し懸念(英国からの渡航受け入れ禁止→トルコ経済の柱である観光業が打撃を受ける恐れ→リラ安)が重石となり、週明け早々に週間安値13.38円まで下落しました。しかし、一目均衡表基準線に続落を阻まれると、Bトルコ中銀による2会合連続となる大幅利上げ(結果15.00%→17.00%、予想15.00%→16.50%)や、C声明文における「金融引き締めはインフレ率の長期的低下が見られるまで維持する」との文言(追加利上げ期待→リラ高)、D英EU交渉の大筋合意を受けたグローバルなリスク選好ムードが支援材料となり、週末にかけて、週間高値13.73円まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間12/19午前5時00分現在)では、13.69円前後で推移しております。
来週の見通し(12/28−1/1)
トルコリラの対円相場は、週末にかけて上値を伸ばし、約1ヵ月ぶり(11/20以来)高値となる13.73円まで急伸しました。この間、一目均衡表転換線が基準線を上抜けするなど、強い買いシグナルを示唆する三役好転の出現までいよいよ後一歩のところに近づく形となりました(来週前半に遅行線がローソク足を上抜けできれば、強い買いシグナルを示唆する三役好転がついに成立→センチメントが一段と改善する可能性あり)。また、ボリンジャーバンド上限に沿って続伸を続けるバンドウォークも発生しており、テクニカル的に見て、トルコリラ円相場の地合いは強いと判断できます。目先は11/19に記録した高値13.87円を越えられるか否かに注目が集まりそうです(同水準を突破できれば心理的節目14.00円台の回復も視野に)。
ファンダメンタルズ的に見ても、@対トルコ制裁リスクが和らいだこと(米国はトルコ経済に配慮した穏やかな制裁内容を発表。欧州は厳しい制裁の決定を来年3月まで先送り)や、Aトルコ中銀による追加利上げ観測(今週発表された会合にてインフレ率の低下が見られるまで引き締め姿勢を継続する旨示唆)など、トルコリラ円相場を下支えする材料が増えつつあります(但し、トルコに批判的なバイデン次期大統領の誕生リスクや、新型コロナウイルスの感染拡大など、懸念材料が残っている点にも留意)。
以上の通り、トルコリラ円相場は、テクニカル面・ファンダメンタルズ面共に、ポジティブな材料が増えつつあります。12/31に予定されているトルコ11月貿易収支やトルコ中銀議事要旨、新型コロナウイルスの感染拡大状況(特に変異種)を睨みながらも、当方では引き続き、トルコリラ円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします(12/31及び1/1はトルコ祝日)。
来週の予想レンジ(TRYJPY):13.45ー13.85
注:ポイント要約は編集部
トルコリラ円日足
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