来週の為替相場見通し:『年末・年始のフラッシュクラッシュに要警戒』(12/26朝)

ドル円は一時103.77まで上値を伸ばすも、週末にかけて103.50まで反落しました。

来週の為替相場見通し:『年末・年始のフラッシュクラッシュに要警戒』(12/26朝)

『年末・年始のフラッシュクラッシュに要警戒』

〇ドル円クリスマス休暇で閑散103円台で方向感に欠ける展開
〇ユーロドルコロナ変異種の拡大と英EU交渉の大筋合意で1.22を挟んで上下に振れる
〇ドル円テクニカル面・ファンダメンタルズ面共に下落リスクが警戒される
〇年末年始は例年、流動性低下の隙をついた急落=フラッシュクラッシュが発生し易くなる為、要注意
〇来週の予想レンジ(USDJPY):102.50ー104.50(EURUSD):1.2050−1.2250

今週のレビュー(12/21−12/25)

<ドル円相場>
今週のドル円相場は、週初103.39で寄り付いた後、早々に週間安値103.28円まで下落しました。しかし、心理的節目103.00をバックに下げ渋ると、@新型コロナウイルスの変異種拡大に伴う警戒感の高まりや、A上記@を背景としたリスク回避のドル買い圧力、B米追加経済対策の大筋合意、C米経済指標の力強い結果(米第3四半期GDP確定値、米12月リッチモンド連銀製造業指数、米11月耐久財受注、米新規失業保険申請件数など)、D英EU交渉の大枠合意が支援材料となり、週後半にかけて、一時103.77まで反発する場面も見られました。もっとも、同水準では上値も重く、伸び悩むと引けにかけて再び反落。Eテクニカル的な地合いの弱さや、F米金融緩和の長期化観測が重石となる中、結局103.50近辺での越週となっております(クリスマス休暇入りで市場参加者に乏しく、週を通して方向感に欠ける展開が継続)。

<ユーロドル相場>
今週のユーロドル相場は、週初1.2242で寄り付いた後、翌12/22に週間高値1.2257まで上昇しました。しかし、@新型コロナウイルスの変異種拡大に伴う警戒感の高まり(英国で厳格な制限措置を導入した他、欧州各国で英国からの渡航を禁止→欧州経済の先行き不安)や、Aリスク回避の株安・ドル買い、B英EU交渉の難航継続、C米経済指標の良好な結果が重石となると、同日海外時間には一時1.2151まで急落する場面も見られました。もっとも、週末にかけては、D英EU交渉の大枠合意や、E米金融緩和の長期化観測(米国債利回りの低下→ドル売り)が支援材料となる中、結局1.2205近辺まで持ち直しての越週となっております(英EU交渉の大筋合意=ポジティブ材料と、新型コロナ変異種拡大=ネガティブ材料に挟まれ方向感見出せず)。

来週の見通し(12/28−1/1)

<ドル円相場>
ドル円は一時103.77まで上値を伸ばすも、週末にかけて103.50まで反落しました。強い売りシグナルを示唆する一目均衡表三役逆転や移動平均線のパーフェクトオーダーが継続する中、テクニカル的に見て、地合いは弱いと判断できます(103円台後半に控える一目均衡表基準線やボリンジャーミッドバンドがレジスタンス。104円台回復は容易では無く、来週は上値の重さを嫌気した短期筋の見切り売りに要注意)。

ファンダメンタルズ的に見ても、新型コロナウイルスの変異種拡大(リスク回避のドル高→クロス円下落→ドル円連れ安の波及経路)や、米金融緩和の長期化観測(米国債利回りの低下→ドル売り)、バイデン新政権下での増税リスク(ジョージア州の決選投票次第で民主党のトリプルブルー成立→法人税率引き上げ→米株反落→ドル円下落の波及経路)など、ドル円相場の下落を想起させる材料が増えつつあります。

以上の通り、ドル円相場は、テクニカル面・ファンダメンタルズ面共に下落リスクが警戒されます。12/30に予定されている米12月シカゴ購買部協会景気指数や、12/31の米新規失業保険申請件数を睨みながらも、当方では引き続きドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(尚、年末・年始は例年、流動性低下の隙をついた急落=フラッシュクラッシュが発生し易くなる為、要注意)。

来週の予想レンジ(USDJPY):102.50ー104.50

<ユーロドル相場>
ユーロドル相場は、12/17に記録した約2年8ヵ月ぶり高値1.2274(2018年4月以来)をトップに反落に転じると、今週は一時1.2151まで下落しました。この間、ローソク足が一目均衡表転換線を下抜けするなど、11月以降続いた上昇トレンドに息切れ感が見えつつあります。

ファンダメンタルズ的に見ても、欧州圏における新型コロナウイルスの変異種拡大や、それに伴う行動規制の更なる強化(欧州経済の一段の下振れ懸念)、ECBによる追加緩和観測、欧州当局者によるユーロ高牽制姿勢など、ユーロドルの下落を想起させる懸念材料が増えつつあります(英EU交渉は大枠合意が決定するもsell the factが出易い状況)。

以上の通り、ユーロドル相場は、テクニカル面・ファンダメンタルズ面共に、下落リスクが警戒されます。新型コロナウイルス(変異種)の感染拡大状況を睨みながらも、当方では引き続き、ユーロドル相場の反落をメインシナリオとして予想いたします(年末・年始はドイツが休場)。

来週の予想レンジ(EURUSD):1.2050−1.2250

注:ポイント要約は編集部

『年末・年始のフラッシュクラッシュに要警戒』

ドル円日足

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