11月安値下回ると、次のメドは101.19円か
〇ドル円、103.55まで上げるもドル買いは続かず下値を辿る展開に
〇東京での新型コロナ感染者数が過去最高を更新し822人に
〇本日は米12月フィラデルフィア連銀景況指数や週間ベースの新規失業保険申請件数が発表
〇英中銀などによる金融政策の結果発表の見通し、英欧情勢にも注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ102.80-103.60
<< 東京市場の動き >>
17日の東京市場は、ドルは小幅に続落。前日に記録した直近安値を更新し、11月安値の103.18円が視界内に捉えられてきた感がある。
ドル/円は103.40円前後でオープンしたのち、当初はドルが小高い。103.55円レベルへとわずかに値を上げる局面も観測されていた。しかし、ドル買いは続かず、じりじりと下値を崩す展開をたどると、前日安値を下回り103.20-25円へ。その後は低位揉み合いをたどるなか、16時現在では103.25円レベルで推移、欧米時間を迎えていた。
なお、前日に史上初の2万ドルを超えた暗号資産(仮想通貨)ビットコインは、東京時間さらに続伸。緩やかな右肩上がりで2万2000ドル台まで大きく上昇している。
一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「米FOMC」について。
前者は、ワクチン開発や接種についてポジティブなニュースも少なくないが、ともかく世界的に見てコロナの感染拡大がいまだ止まらない。ここにきて、やや悲観的な見通しが再び勢いを増している感もある。感染拡大については、たとえば、米国の新型コロナ死者が3800人強となり一日当たりの過去最多を更新」と伝えられたことに続き、ポンペオ米国務長官も「コロナ感染者と接触したことで自主隔離している」ことを明らかにした。一方、日本も「東京都の感染者が過去最高を大きく超える822人」になったと発表されている。ちなみに、後者のような状況を受け、東京都は「医療提供体制の警戒レベルを4段階の指標でもっとも深刻な『逼迫している』との評価に引き上げた」と別に発表していた。
対して後者は、昨日注目の米FOMCで金融政策の発表が行われ、FF金利の誘導目標レンジを据え置きが公表されている。そのうえで、「月額の債券購入額を少なくとも1200億ドルで据え置く」ことを決定。さらに、購入期間に関する「今後数ヵ月にわたって」という従来の文言を削除していたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
前述した米FOMCの結果発表前後に、ドルは一時上値を試すも続かず。結局、直近安値を下回る展開をたどっている。そして、本日の東京時間にもドルは続落だ。ドルの下値リスクはさらに強まっているようで、11月安値の103.18円が名実ともに視界内に捉えられてきた感を否めない。そうしたなか、昨日半期に一度の米為替報告書が発表され、日本が「監視国」リストに入ったとはいえ、レベル的にみて、まずは要人による「口先介入」があっても不思議はなさそうだ。
クリスマスまで残り10日を切り、材料的に目先注目されていた米FOMCをこなしてきたことで、このあと市場参加者はさらに減退する見込み。しかし、先でも取り上げたように暗号資産のビットコインが初の2万ドル台へと乗せるなど、一部の金融市場は薄商いのなか活況を呈している。為替に関しても「薄商い=動かない」ではなく、ひょっとすると「薄商い=荒れ模様」という意識でいた方がよいのかもしれない。
テクニカルに見た場合、ドル/円は過去1ヵ月程度維持していたレンジの下限である103.66円を下回ったのちもドルが続落。11月安値103.18円に接近する展開となっている。まずは同レベルの攻防が注視されるが、割り込むようだと102円台突入も。可能性は低いと予想しているのだが、102円台などに目立ったフシは見当たらないこともあり、年末までに今年のドル最安値、3月に記録した101.19円を更新する局面は果たして訪れるのだろうか。
材料的に見た場合、中長期的には「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大とワクチン開発・接種の状況」、「就任確実のバイデン新大統領による米政権人事と政権運営」、「トルコ情勢」−−などが注視されている。
一方、本日の材料としては、12月のフィラデルフィア連銀景況指数や週間ベースの新規失業保険申請件数といった米経済指標が発表されるうえ、金融政策でいえば英中銀などによる結果公表が実施される見通しだ。米国情勢もさることながら、それより英欧情勢に注意といった指摘も聞かれている。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは102.80-103.60円。ごく短期的には103.30-40円が弱い抵抗として意識されそう。超えれば、昨日高値103.91円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、まずは11月安値103.18円をめぐる攻防に注目。割り込めば、103円割れも否定できないが、なかなか明確な下値メドが見いだせない状態だ。一時的なフリーフォールと化す懸念もあり得るだろう。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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