ドル円、心理的節目103円を割り込み急落。約9ヵ月ぶり安値圏へ
〇ドル円米国時間に一時9ヶ月ぶり安値102.89まで下落
〇株式市場の堅調、冴えない米指標等が背景、ただし、103円割れでは押し目買い意欲も強い
〇ユーロドル、ドル売り強まり一時1.2273に急伸そのまま高値圏での取引
〇ドル円、60分足から月足に至る全てのテナーで売りシグナル点灯
〇本日日銀金融政策決定会合に注目集まる
〇ドル円続落がメインシナリオだが、当局の口先介入要注意
〇本日の予想レンジ:102.70ー103.50
海外時間のレビュー
17日(木)の外国為替市場でドル円は急落。米FOMC直後に一時103.92まで上値を伸ばすも(追加緩和見送り→ショートカバー発動)、節目104丁度をバックに戻り売りが強まると、@対欧州通貨でのドル売り圧力(英EU交渉の進展期待→英ポンドやユーロが対ドルで上昇)や、A米金融緩和長期化観測(FOMCでフォワードガイダンスが強化されたこと)、B欧米株の底堅い動き(リスク選好のドル売り)、C米12月フィラデルフィア連銀製造業景況指数(結果11.1、予想20.0)及び、D米新規失業保険申請(結果88.5万件、予想80.0万件)の冴えない結果、E新型コロナウイルスの感染拡大(米国における入院者数が過去最多を更新)が重石となり、米国時間にかけて、3/10以来、約9ヵ月ぶり安値となる102.89まで急落しました。もっとも、103円割れでは押し目買い意欲も根強く、下げ渋ると、引けにかけて小反発。F米追加経済対策の合意期待(9000億ドル規模の追加経済対策の合意が近づいているとの報道)や、G米長期金利の持ち直しも支援材料となる中、本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では、103.10近辺で推移しております。
17日(木)のユーロドル相場は急上昇。米FOMC直後に一時1.2125まで急落するも、@英EU交渉の進展期待(英ポンド上昇→ユーロ連れ高)や、A冴えない米経済指標を受けたドル売り圧力、B米金融緩和長期化観測が支援材料となり、米国時間にかけて、一時1.2273(2018年4月以来、約2年8ヵ月ぶり高値)まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では、1.2270近辺で推移しております。尚、フランスのマクロン大統領が新型コロナウイルスの陽性と診断されたとの報道がなされましたが、市場の反応は限定的となっております。
本日の見通し
ドル円は、FOMC直後に一時103.92まで上値を伸ばすも、節目104円丁度をバックに続伸を阻まれると、海外時間にかけて一時102.89(3/10以来、約9ヶ月ぶり安値)まで急落しました。60分足から月足に至る全てのテナーで売りシグナルが点灯するなど、テクニカル的な弱さが顕著となっております。こうした中、本日は日銀金融政策決定会合や黒田総裁記者会見に注目が集まります。市場では、@現行の金融緩和政策の継続と、A資金繰り支援プログラムの期限延長(来年3月末の期限を半年程度延長)が想定されている為(既に織り込み済みである為)、ドル円相場を見通す上では、B日銀による景気見通しや、C黒田総裁によるETF買い入れに対する見解が重要となりそうです。米追加経済対策を巡るヘッドラインや、欧米株及び米長期金利の動向を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の続落をメインシナリオとして予想いたします(但し、政府・当局より為替レートを注視するといった口先介入が出てくる恐れもあり、安値圏での突っ込み売りには注意が必要)。
本日の予想レンジ:102.70ー103.50
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
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