南アランド週報:『一時9ヵ月ぶり高値圏へ上昇するも節目7円台の定着には失敗』(12/12朝)

今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初6.84円で寄り付いた後、早々に週間安値6.81円まで下落しました。

南アランド週報:『一時9ヵ月ぶり高値圏へ上昇するも節目7円台の定着には失敗』(12/12朝)

『一時9ヵ月ぶり高値圏へ上昇するも節目7円台の定着には失敗』

〇南ア円週明け6.81まで下落後、複数の南ア経済指標の改善に7.00まで上昇
〇その後は戻り売り強まり6.87前後に下落
〇南ア円テクニカルな強さに支えられながらもファンダメンタルズの弱さが続伸阻むシナリオか
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):6.60ー7.00

今週のレビュー(12/7−12/11)

今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初6.84円で寄り付いた後、早々に週間安値6.81円まで下落しました。しかし、一目均衡表転換線に続落を阻まれると、@南ア第3四半期GDP(結果66.1%、予想54.4%)及び、A南ア11月SACCI景況感指数(結果93.4、予想85.0)の力強い結果や、B南ア10月小売売上高(結果▲1.8%、予想▲2.3%)及び、C南ア10月製造業生産高(結果2.6%、予想1.9%)の予想比上振れ、D南ア第3四半期経常収支(結果+2970億ランド、予想+1980億ランド)の黒字幅拡大、E欧米株の底堅い動き(新型コロナワクチンの実用化期待→リスク選好ムード)、F南アフリカに友好的なバイデン新大統領に対する期待感が支援材料となり、週後半にかけて、3/5以来、約9ヵ月ぶり高値となる7.00円まで急伸しました。もっとも、心理的節目7.00円前後で戻り売りが強まると一転、G節目7.00円台を維持できなかったことに伴う失望感や、H米中対立リスクの再開、Iリスク回避ムードの再燃、J短期筋のロスカットが重石となり、本稿執筆時点(日本時間12/12午前4時45分現在)では、6.87円前後まで反落する動きとなっております。

来週の見通し(12/14−12/18)

南アフリカランド円相場は9/24に記録した約1ヶ月ぶり安値6.11円をボトムに反発に転じると、今週後半(12/10)にかけて、約9ヶ月ぶり高値となる7.00円まで急伸しました。この間、一目均衡表雲上下限やボリンジャーミッドバンド、一目均衡表転換線及び基準線、200日移動平均線を突破した他、強い買いシグナルを示唆する三役好転も成立するなど、テクニカル的に見て、「地合いの強さ」を印象付けるチャート形状となっております。

但し、ファンダメンタルズ的に見ると、@南アフリカ経済を巡る先行き不透明感や、A南アフリカ国内における新型コロナウイルスの感染拡大(ホットスポットを中心にロックダウン再開)、B国営電力会社エスコムを巡る負債問題(電力負荷制限を通じた景気鈍化の悪循環)、C米中対立激化懸念(米政府による制裁措置に対して、中国政府は対抗措置を講じる構え。バイデン新大統領も対中強硬姿勢を踏襲する可能性あり→南アフリカと経済的な結び付きの強い中国への制裁措置はランド売り材料)、D南アフリカ中銀による根強い追加緩和観測、Eムーディーズやフィッチによる相次ぐ格下げ(資本流出リスク)など、南アフリカランド売りを想起させる懸念材料は引き続き沢山残っています。

以上の通り、南アフリカランド円相場は、テクニカル的な強さに支えられながらも、ファンダメンタルズ的な弱さが続伸を阻むシナリオが想定されます。株式市場や商品市況の動向や、新型コロナウイルスの感染状況、南アフリカ国内のロックダウンに係る続報、南アフリカの主要経済指標(12/15の南ア11月生産者物価指数)の結果、米中対立に関する続報を睨みながらも、当方では引き続き、南アフリカランド円相場の反落をメインシナリオとして予想いたします。

来週の予想レンジ(ZARJPY):6.60ー7.00

注:ポイント要約は編集部

『一時9ヵ月ぶり高値圏へ上昇するも節目7円台の定着には失敗』

南アランド円日足

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